映画「英国王のスピーチ」は、コリン・ファース主演、トム・フーパー監督の2010年のイギリス映画です。
この映画「英国王のスピーチ」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。
コンプレックスに苦悩する王をめぐる物語「英国王のスピーチ」をお楽しみください。
第83回アカデミー賞で、作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞4部門を受賞しています。
「英国王のスピーチ」スタッフ・キャスト
■ スタッフ
監督: トム・フーパー
製作: イアン・キャニング、エミール・シャーマン、ガレス・アンウィン
製作総指揮:ポール・ブレット、マーク・フォリーニョ、ジェフリー・ラッシュ、ティム・スミス、ハーヴェイ・ワインスタイン、ボブ・ワインスタイン
脚本: デヴィッド・サイドラー
撮影: ダニー・コーエン
音楽: アレクサンドル・デプラ■ 主要キャスト
ジョージ6世:コリン・ファース
ライオネル・ローグ:ジェフリー・ラッシュ
エリザベス妃:ヘレナ・ボナム=カーター
エドワード8世:ガイ・ピアース
ウィンストン・チャーチル:ティモシー・スポール
大司教コスモ・ラング:デレク・ジャコビ
マートル・ローグ:ジェニファー・イーリー
ジョージ5世:マイケル・ガンボン
スタンリー・ボールドウィン:アンソニー・アンドリュース
ネヴィル・チェンバレン:ロジャー・パロット
ウォリス・シンプソン:イヴ・ベスト
エリザベス2世:フレイア・ウィルソン
マーガレット・ローズ:ラモーナ・マルケス
メアリー王太后:クレア・ブルーム
グロスター公爵:ティム・ダウニー
ロバート・ウッド:アンドリュー・ヘイヴィル
ラジオアナウンサー:エイドリアン・スカボロ
「英国王のスピーチ」あらすじ
これはイギリス王室一、内向的だったジョージ六世(コリン・ファース)の物語です。
英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)の二男として華やかな世界に生まれたジョージ六世ですが、幼い頃に受けた乳母からの虐待により吃音障害を抱えて成長した彼は、人と話す事が得意ではありません。
しかしそんな息子を許せなかった父は、様々な手法を用いて吃音障害の克服を促します。
厳しく指導に当たる父の元成長したジョージ六世ですが、大人になった彼の吃音障害を直そうと奔走したのは、彼の妻であるエリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)でした。
彼女に連れられ沢山の医師の元に通いますが、しかしその方法は口の中いっぱいにビー玉を詰め込んで話す、など彼にとっては苦痛をさらに悪化させるためだけの時間でしかありません。
自分はもう治らないと、どんどん弱気になっていくジョージ六世ですが、彼を愛するエリザベスはあきらめず、次に選んだのは医師ではなくスピーチ矯正の専門家のライオネル(ジェフリー・ラッシュ)でした。
彼は医師免許を持っているわけでもなく、役者としての成功を夢見る風変わりな男でしたが、この出会いがジョージ六世の人生をも変える大きな糧となるのです。
この物語は、英国一内気な国王と、その王を支えた家族と友人の物語です。
「英国王のスピーチ」ネタバレ
ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)の元を訪ねたジョージ六世(コリン・ファース)ですが、自分はもう治らないと開き直っており彼が施す治療上にも懐疑的であることを隠そうともしません。
しかしそんなジョージ六世にライオネルは、診察室では同等の立場である事、と宣言し皇太子である彼に愛称で呼び掛けます。
その上愛煙家であるジョージ六世に禁煙を命じ、ヘッドホンをさせると大音量で音楽を流しながらシェイクスピアを朗読させるのでした。
初めこそ、何とかして自分の障碍を治そうと奔走してくれている妻の為にライオネルの指示に従っていたジョージ六世ですが、しかし王室の人間たる自分に対する敬意が足りない、と腹を立たせ、この治療法は自分には合わないと言ってその場を立ち去ってしまうのでした。
そして迎えたクリスマススピーチの日。
やはり彼は上手く喋ることが出来ませんでした。
つっかえつっかえ、どもりながらのスピーチに落ち込む彼の元に届けられたのは、ライオネルの行った治療法を録音したレコードです。
それを聞いて驚くジョージ六世。
そこにはとても滑らかに朗読している自分の声があったからです。
再びライオネルを訪ねたジョージ六世は、彼の行う変わった施術法に向き合うようになるのでした。
最初に言った通り対等の立場で接してくるライオネルに、ジョージ六世は徐々に心を開き始めます。
そうして、幼いころから抱えてきた兄へのコンプレックスなどを吐き出したジョージ六世は、ライオネルとの友情を育み始めるのでした。
そんなある日の事、父であるジョージ五世(マイケル・ガンボン)が亡くなってしまいます。
これにより次の国王が選ばれるのですが、ジョージ六世には兄がおり、自分は王位継承権に関係ない事を心密かに安堵していました。
ところが一度は王位についた兄のエドワード八世(ガイ・ピアーズ)ですが、運命の恋だと溺れる女性との結婚を認められなかったことで王の座から降りてしまうのです。
「英国王のスピーチ」最後のラスト結末は?
思ってもみなかった、王、と言う立場に引きずり出されてしまったジョージ六世。
全く気の進まぬままに王位についてしまった彼は、王位継承評議会でのスピーチを散々なものにしてしまいます。
彼の王としての資質を危ぶむ周囲の反応…
そういった雑音から目を背けることが出来るのは家族と過ごす時間だけです。
彼は家族で見ていた映写機に移されたドイツのヒトラーの演説を見ながら、何を言っているかは分からないが彼のスピーチは上手そうだ…と、幼き日のエリザベス二世に呟くのでした。
しかしそんな彼に大きな試練が訪れます。
グングンと戦火を広げているドイツが、遂にイギリスにも攻め込んでこようかと言う事態を迎えてしまったのです。
国中に広がる不安。
そんな状態の国民を落ち着かせ、心を一つにしてこの戦火を乗り越えなくてはいけないと組まれたジョージ六世のスピーチは、10分弱と言う短い時間のものでしたが、彼はこのプレッシャーに押しつぶされてしまいそうになります。
ただでさえスピーチが苦手な自分が、戦意高揚のための言葉を言わなくてはならない、と言うのは想像を絶するものでした。
緊張の面持ちで当日を迎えたジョージ六世。
その側にはいつものようにライオネル(ジェフリー・ラッシュ)がいます。
友人に話すように話しなさい、そうアドバイスを送るライオネルに見守られながら、ジョージ六世のスピーチは大成功を収めるのでした。
スピーチ放送の後、エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)や娘を伴って、宮殿に大勢集まった国民の前に姿を現し、その歓声に手を振って応えて、この物語は終わります。
THE END
「英国王のスピーチ」見所ポイント!
心にじんわり温かさが広がるような、そんなお話でした。
アカデミー受賞作というと作品の根幹が小難しかったり、社会的テーマが重たかったりしますが、これは割とフランクに観られました。
どうかすると軽快に感じられるほどコリン・ファースとジェフリー・ラッシュの関係性が可愛くて仕方なかったです。
この物語は、実話ではあるものの創作上の脚色部分が少なからずあるんだそうです。
歴史上の人物の物語、という事でその研究家の方々から突っ込みが入って部分もあるようなんですが、歴史物のドキュメントを見ているんだと勘違いしなければ何の問題もありません。
すこぶる演技の上手い役者同志のぶつかり合いと融合が楽しめる秀作です。
個人的にはヘレナ・ボナム=カーターが普通の役、それも良妻賢母の役を演じているのも面白かったですね。
いつもの、メイクや服装で表情も飛んでしまっている彼女じゃなくて、夫を愛し彼の支えになるべく控えめに努力を重ねる姿がとても素敵でした。
ハリポタやティム・バートン作品の彼女との違いを楽しむのも面白いと思いますよ。