映画「戦場にかける橋」はウィリアム・ホールデン主演、デヴィッド・リーン監督の1957年公開の作品です。
この映画「戦場にかける橋」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころについて紹介します。
第二次世界大戦中の捕虜収容所を舞台にそれぞれの正義や思想が行きかう「戦場にかける橋」をお楽しみください。
「戦場にかける橋」あらすじ
1943年、第二次世界大戦中の日本軍の捕虜収容施設に大勢のイギリス兵が収容されるところから物語が始まります。
収容所はタイとビルマの国境近くにあり、劣悪な環境でした。
イギリス兵が来る前からアメリカ軍兵が収容されており、シアーズ中佐(ウィリアム・ホールデン)もそのひとりでした。
今回収容されるイギリス兵たちの指揮官はニコルソン大佐(アレック・ギネス)
軍人としてのプライドが高く、軍律を厳しく徹底する将校でした。
この収容所の所長が斎藤大佐(早川雪洲)
典型的な日本軍人です。
斎藤大佐はイギリス兵捕虜は、国境に鉄道をひくための橋の工事に従事させると言います。
そして、将校だろうが軍曹だろうが階級に関係なく労働させると宣言します。
これにニコルソン大佐は大きく反発します。
将校を従事させることはジュネーブ条約に違反することだと・・・
しかし斎藤所長はそれを受け入れません。
収容所内では険悪な雰囲気になっていきました。
収容所内で会ったシアーズ中佐(ウィリアム・ホールデン)とニコルソン大佐(アレック・ギネス)
シアーズ中佐はニコルソン大佐に脱走を持ち掛けます。
しかしニコルソン大佐は「降伏したのは軍の命令だったからだ。脱走することが軍律に背くことになる」として拒否したのでした。
しびれを切らした斎藤所長は、3つ数えるうちに作業場へ移動しないと撃つと脅します。
頑なに動かないニコルソン大佐・・・
銃が撃たれる寸前で軍医のクリプトン(ジェームズ・ドナルド)が飛びして抗議し、なんとかその場を収めたのでした。
そして・・・
「戦場にかける橋」ネタバレ
まっく言うことを聞かないニコルソン大佐に対し、斎藤所長は思い切った行動に出ます。
ニコルソン大佐を灼熱の独房へ入れたのです。
講義するイギリス兵たちでしたが、捕虜のみでなすすべがありませんでした。
その夜、こっそりシアーズ中佐(ウィリアム・ホールデン)は脱走します。
途中、撃たれはしましたが何とか脱走に成功したのでした。
一方、ニコルソン大佐(アレック・ギネス)への拷問は続きます。
しかし彼は折れませんでした。
何があっても軍律を遵守するニコルソン大佐。
そして橋の工事がまったく進まない状況にいらだつ斎藤所長。
彼もまた軍人であり、完成が間に合わなければ自分の身も危ういのです。
そしてついにニコルソン大佐は工事の指揮権を勝ち取ります。
斎藤所長が認めたのです。
歓喜する収容所内!
彼はすぐさま工事のやり方を変え、効率的な橋の建設を始めます。
彼にはこの橋の建設こそがイギリス軍が日本軍に屈しなかった功績となるのだと工事に全力をかけるのでした。
一方、脱出に成功し軍の病院に収容されたシアーズ中佐(ウィリアム・ホールデン)でしたが、ウォーデン少佐(ジャック・ホーキンス)に現地の状況が知りたいとやってきます。
ウォーデン少佐は日本軍の侵攻を阻止すべく、橋の建設を妨害するのが目的でした。
戻りたくないシアーズ中佐でしたが、結局任務に就くことになってしまいます。
作戦を遂行するのはウォーデン少佐(ジャック・ホーキンス)、シアーズ中佐(ウィリアム・ホールデン)、志願兵のジョイス(ジェフリー・ホーン)の三人だけ・・・
秘密裏に飛び立つのでした。
橋の建設はニコルソン大佐(アレック・ギネス)の見事な指揮のもと、なんとか間に合いそうです。
収容所でのイギリス兵の士気も高まっていました。
イギリス軍の名誉にかけて橋を完成させると・・・
橋が完成した頃、密林を進みボロボロになりながらもウォーデン少佐(ジャック・ホーキンス)、シアーズ中佐(ウィリアム・ホールデン)、志願兵のジョイス(ジェフリー・ホーン)と協力者の現地人一行は橋の近くまでたどり着きました。
爆弾をしかけて、列車が橋に乗ったところで爆破を計画します。
起爆スイッチを押す役目はジョイスです。
ウォーデン少佐とシアーズ中佐は崖の上で見守ります。
「戦場にかける橋」ラスト最後の結末
その頃、完成した橋を満足げに歩くニコルソン大佐(アレック・ギネス)
列車はもうすぐやってきます。
しかし彼は川面に怪しいロープのようなものを見つけます。
それは起爆装置と爆弾を結ぶ線でした。
川の水が減り、線があらわになってしまっていたのです。
斎藤所長とともに川へ降りてくるニコルソン大佐。
すぐ近くに潜む起爆係のジョイス(ジェフリー・ホーン)はヒヤヒヤです。
しかしまだ列車は来ません。
とうとう爆弾に気づいてしまったニコルソン大佐と斎藤所長。
とっさにジョイスは斎藤所長をナイフで刺します。
しかし味方であるはずのニコルソン大佐は橋を守るために日本軍に知らせ援護を要請します。
銃撃戦になってしまった川。
ジョイスは撃たれてしまいます。
シアーズ中佐(ウィリアム・ホールデン)は爆破を遂行するために崖から下りて起爆装置へ向かいます。
ウォーデン少佐(ジャック・ホーキンス)は崖から援護射撃をしています。
同じ味方のジョイスが撃たれ錯乱するニコルソン大佐(アレック・ギネス)
ついにシアーズ中佐(ウィリアム・ホールデン)も撃たれてしまいます。
「私は何のために橋を・・・」と混乱するニコルソン大佐はそのまま起爆装置に倒れ込み、橋は爆破されるのでした。
唯一生き残ったウォーデン少佐は嘆きながら去っていきます。
その現場を目撃した軍医のクリプトン(ジェームズ・ドナルド)は「馬鹿げている」と放心状態になるのでした。
川には橋を建設したイギリス軍の功績をたたえる看板が流れていくのでした・・・
THE END
「戦場にかける橋」見どころ
この作品はアカデミー賞7部門を受賞した作品です。
橋の爆破シーンなんかは当時では相当な費用をかけて撮影したと思われます。
ストーリー中盤まではニコルソン大佐(アレック・ギネス)と斎藤大佐(早川雪洲)の対立が中心に描かれていて、アクション映画を期待していた人には少々物足りない展開が続きます。
しかし、ニコルソン大佐が開放されてから一気にストーリーが進みます。
特筆すべき見どころのひとつは、登場人物の信念のぶつかり合いです。
ニコルソン、斎藤、シアーズ、ジョイス、クリプトン・・・
そして目的は同じはずだったのに、敵対する関係になってしまう。
ラストの「私は何のために橋を・・・」のセリフがすべてを物語っていますね。
メインキャストで生き残ったのはウォーデン少佐(ジャック・ホーキンス)だけ。
そしてサブキャラ的な存在だった軍医のクリプトン(ジェームズ・ドナルド)がこのストーリーの残酷さをあらわしています。
それぞれの正義が食い違って悲しい結末を生んでしまうというバッドエンドの映画でした。
このあたりは大島渚監督の名作「戦場のメリークリスマス」にとても似ています。
余談ですが、ニコルソン大佐役のアレック・ギネスはのちのスター・ウオーズのオビワンだと後で気づきました。
若いからわからなかった・・・
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