映画「相棒 劇場版II 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」は水谷豊主演、和泉聖治監督の2010年の映画です。
この映画「相棒 劇場版II 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」のネタバレ、あらすじや犯人、最後のラスト結末、見どころについて紹介します。
大人気刑事ドラマ「相棒」の劇場版第2作目、相棒はミッチーこと及川光博さんの「相棒 劇場版II 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」をご堪能ください。
「相棒 劇場版II 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」あらすじ
暗い海に浮かんだ船。
そこで頭に袋をかぶせられたひとりの日本人。
やってきた刑事らしき男に助けられますが、入れ墨を船に乗った男が爆弾を起動させます。
そして助けに来た男は爆発に巻き込まれてしまいました。
警視庁。
受付でひとりの男が待っていると、黒いスーツの女性が現れました。
「暇か?」といつものように特命係を訪れた角田課長(山西惇)
特命係には杉下右京(水谷豊)しかいません。
神戸尊(及川光博)は大河内春樹(神保悟志)と剣道の稽古をしています。
先に二本取ったからと大河内からワインを貰ってご機嫌な神戸。
今日警視庁では御前会議、定例の部長会議があります。
そのメンバーは田丸警視総監(品川徹)、長谷川副総監(國村隼)、松下通信部長(名高達男)、鈴木地域部長(大森博史)、三宅生活安全部長(石倉三郎)などそうそうたる顔ぶれです。
エレベーターに乗ろうとした神戸は、エレベーターにいた一組の男女(小澤征悦、小西真奈美)に不穏な空気を感じます。
降りようとする男が拳銃を持っていることに気付いた神戸は、エレベーターから降りようとした女性の腕をつかんでそのままエレベーターに乗せて保護します。
神戸はその女性に刑事部に連絡するよう伝えると、次の階で降りて犯人を追いかけます。
そして神戸は電話で上司の杉下に拳銃を持った男がいると報告します。
煙が充満し警報が鳴り響くなか、御前会議中の会議室に拳銃を持った男がやってきました。
男はなんと警視庁幹部が集まった11階の会議室に立てこもり、警視総監に銃を向けます。
事件のことは隣の警察庁にも連絡が行きます。
警視総監は何が目的か尋ねますが、犯人は何も言いません。
煙は発煙筒が各階に置かれていたせいだとわかりました。
おえら方はみな会議室で人質となってしまい、中園参事官(小野了)が緊急対策本部を仕切ることになりました。
その重責に「万が一失敗しようものなら」とぼやく中園。
なんとか立てこもりの状況を確認したい杉下は、立てこもりが起きているよりも上の階に行き、なんと命綱を付けて窓から飛びおりて立てこもり中の会議室を外から覗き込みます。
「いい加減名乗り出たらどうだ?」と幹部らに叫ぶ犯人を写真に収める杉下。
当然、犯人にも見られてしまいました。
必死にロープ引っ張って杉下をあげる神戸達。
杉下はすぐにカメラを届けますが、中園参事は「カメラはゴミ箱に放り込んでおく、夢の島にでも探しに行け」と塩対応。
杉下の写真から犯人がすぐにわかりました。
実は犯人の八重樫哲也は元警官だったのです。
犯人の目的は一体?・・・
「相棒 劇場版II 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」ネタバレ
警視庁を退職した元警察官の犯行に怨恨かと思われますが八重樫は、俺が欲しいのは時間だ、このまま放っておくようにと言います。
一方、会議室の外では特殊捜査班SITや機動隊の強行突入の準備が行われます。
杉下と神戸は入庁者リストから八重樫を警視庁に入れたのは朝比奈圭子であることを確認しました。
朝比奈はあの神戸が保護した女性でした。
杉下は朝比奈に八重樫との関係を尋ねます。
朝比奈と八重樫は警察学校の同期でしたが、ここしばらく交流がなかったそうです。
それが今夜急に八重樫が会いに来て、銃で脅され一緒にエレベーターに乗せられたのです。
その時、外にヘリコプターが見えました。
慌てて会議室に向かう杉下、突入を止めようとします。
一方、会議室では停電が起こり、興奮気味の犯人。
そして人質が八重樫にとびかかり、銃声が響きます。
そこに遂に機動隊が突入しました。
人質となっていた幹部らともみあいになった八重樫、発砲された弾が当たってしまいそのまま亡くなってしまいました。
中園は幹部らに聴取を行い、だれが八重樫を撃ったのかの確認をします。
しかし拳銃を持った男を取り押さえたのだから誰が銃を触ってしまったのかわからない、という人質となった幹部たち。
誰が撃ったのかはわからないものの誰かが責任をとるしかないと、長谷川副総監や鈴木交通部長が撃ったのは自分だと言います。
結局鈴木交通部長が撃ったということになりました。
そして事件は鈴木交通部長の正当防衛とマスコミに発表されます。
独自で事件について調べる杉下と神戸。
ノンキャリアの星、三宅に話を聞きに行きますが八重樫は訳の分からないことを言っていたと言うだけで大した情報はありません。
一方、家宅捜査された八重樫の部屋から入れ墨をした男の写真が発見されます。
また6年前に警視庁を辞めた八重樫が、その1年前までは組織犯罪対策課の刑事だったことが分かります。
杉下は八重樫が左遷された原因は7年前の中国系反米テロ事件だと予想します。
テロ事件は明らかに公安の管轄の事件という神戸、そこで杉下は朝比奈が公安にいたことと指摘します。
このテロ事件では3人のテロリストと1人の公安部捜査員が亡くなっていました。
朝比奈に話を聞く特命係。
亡くなった公安捜査員は朝比奈の婚約者、磯村栄吾(葛山信吾)でした。
繁華街を根城にした中国マフィアに扮した反米イスラム系テロリストたちの内偵を行っていた朝比奈と磯村。
テロリストによるアメリカの官房長官暗殺計画を防ぐためのミスが許されない状況でした。
そして朝比奈達が見張っていた船に、麻薬取引で逃亡していた中国マフィアを追っていた八重樫がやってきたのです。
捕らわれた八重樫。
磯村は暗殺を回避しるため、船に突入し八重樫を保護しました。
しかしその後船で起きた爆発に巻き込まれて磯村は亡くなってしまいました。
籠城事件の夜、八重樫は謝りたいと言って朝比奈に会いにきました。
しかし朝比奈は、あなたのせいで磯村が死んだと言います。
7年前の事件に関わった中国マフィアが潜伏していたという中華街にやってきた特命係のふたり。
あの刺青の男の写真を見せて歩き回り、ある店で知っているかもしれないから奥に入れと招かれます。
しかしそこでたくさんの武器を持った男に囲まれ、なぜ曹良明(本宮泰風)の写真を持っているのかと詰め寄られます。
実は刺青の男、曹良明は仲間を裏切り死に追いやったとしてマフィアから追われていたのです。
そこにやってきた李華来(江波杏子)に杉下たちは助けられ、お互いに情報を教え合うことに。
八重樫も以前ここに曹を探しに来たそうです。
曹の仲間だと思われ半殺しにあった八重樫を助けたのも李華来でした。
米沢が発見した、八重樫がアジトにしていた染色工場。
やって来た杉下と神戸、米沢はそこでドライアイスで冷やされた曹の遺体を発見します。
米沢は遺体から曹が長いこと寝たきりの末病死したことを突き止めました。
曹は籠城事件よりも前に亡くなっていたのです。
側にあったカルテのコピーから曹がいた場所を突き止めた杉下達は、その施設に向かいます。
しかし杉下と神戸がいなくなった隙に米沢が襲われ、遺体が奪われてしまいました。
八重樫は施設に身元不明でいた曹良明を引き取ったそうです。
7年前の事件のことを曹に証言させたい八重樫は曹を施設から連れ出したのです。
そして杉下は曹がテロリストではない可能性を指摘します。
八重樫の過去を調べる杉下たちを呼び出した幹部たち。
そこで杉下は八重樫の立てこもりの動機が曹の協力者を見つける事であり、曹は公安の協力者だったと明かします。
曹は公安に存在する影の管理官によって送り込まれた協力者でした。
しかし情報を知りすぎたとして曹は警察病院で監視されていたのです。
八重樫は汚名を着せられた7年前の真相を聞き出すために曹を連れだしました。
八重樫が立てこもりの時に言った「誰が」と言うのは協力者のことだったのです。
そこに朝比奈が書いた上申書を持った大河内がやってきました。
上申書には朝比奈が八重樫に交際を申し込まれたこと、それを拒否したら八重樫が立てこもり事件を起こしたと書かれていました。
神戸はおかしいと言いますが、警視総監がその内容で納得しその場はお開きとなります。
大河内に強く抗議する神戸。
籠城事件の時に発煙筒が置かれた位置、八重樫が死んだ後に冷えたドライアイスが曹の遺体のそばにあった事から朝比奈が八重樫の協力者と気付いた杉下と神戸。
杉下たちは朝比奈に会いに行きますが、姿は見えず朝比奈が所持する拳銃も消えています。
朝比奈は上申書と引き換えに大河内から影の管理官の正体を聞き出していたのです。
そして朝比奈は歩いてくる幹部に向かって銃を向けます。
しかしその朝比奈を杉下が止めます。
会議室、杉下と神戸に船の爆破事件の真相を語る朝比奈。
あの時磯村に八重樫を助けるように言ったのは朝比奈でした。
磯村は爆弾に気付いていましたが他のメンバーを逃がすために自分が犠牲になり、朝比奈は自分のせいで磯村が死んだと苦しんでいました。
そして事件から3年後、朝比奈は八重樫と再会します。
磯村の死は朝比奈も自分も関係ないという八重樫、そして船には磯村と死んだ3人ともうひとり男が乗っていたと言います。
それが曹でした。
事件の裏に何があるのか気になった朝比奈と八重樫は、真相を調べます。
八重樫は中華街で曹の写真を入手し、影の管理官の協力者だと突き止めました。
そしてアメリカ国防長の暗殺事件が、実は影の管理官がでっち上げた事件だと判明します。
影の管理官は上海系マフィアに曹を送り込み、暗殺事件を企てているように仕向けたのです。
そして朝比奈達にイスラム系テロリストだという情報を流して追わせました。
そうやって影の管理官はテロリストを一網打尽にしようとしていたのです。
しかし、唯一の計算外は曹が生き残っていたことでした。
朝比奈と八重樫は警察幹部全員に告発文を送りますがそれも握りつぶされます。
そして唯一の希望であった曹が死んで強硬手段に出た八重樫。
しかし八重樫の計画は失敗してしまい、影の管理官の正体を聞き出した朝比奈が影の管理官に銃を向けたのです。
「相棒 劇場版II 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」犯人
本当は朝比奈をこれ以上事件に巻き込みたくないと考えていた八重樫。
八重樫はわざと神戸に銃を見せ、自分ひとりの犯行に見せかけて朝比奈をかばったのです。
大河内は会議室の盗聴器から籠城中の音声を入手していました。
米沢はその盗聴器を発見します。
盗聴器を仕掛けたのは警察庁の小野田官房長官(岸部一徳)でした。
実は小野田は杉下が写真を撮る前から盗聴器で籠城事件の情報聞き出していたのです。
あの御前会議は警察庁に対抗するための決起集会で、あの7年前の事件も語られていました。
盗聴器で籠城事件やあの事件のことを聞いた小野田はこれを使って警視庁の上層部を脅し、人事刷新を行うつもりでした。
緊急招集が行われた警視庁と警察庁。
録音データを盾に警察庁は警視庁の幹部人事に口出しします。
そしてそこで手始めにクビを切られたのはノンキャリの星、三宅生活安全部長でした。
三宅が今までにやって来たことを不正とし、「自業自得」と言い切る小野田。
籠城の音声データを大河内から受け取った特命係。
そこには何かをたたく音が入っています。
あの音声を長谷川、松下、鈴木に突き付けた杉下。
場所は3人の共通の趣味である船の上です。
あの音声に入っていたのは床を小刻みに踏み鳴らす音で、それは実はモールス信号になっていたのです。
長谷川、松下、鈴木は東大セーリング部の出身でモールス信号がわかっています。
その内容は「始末しよう、松下が気を引け、鈴木飛び掛かれ」そして「俺が撃つ」でした。
メッセージを送って八重樫を撃ったのは長谷川でした。
「相棒 劇場版II 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」最後ラストの結末は?
縮小される公安部を守るためにテロを自演自作した影の管理官である長谷川は、事件を掘り返させないために八重樫を撃ったのです。
控えていた刑事達が長谷川を逮捕し、松下と鈴木も連れていきます。
小野田は部下に盗聴器を仕掛けた罪で自首させました。
そして盗聴器の録音データは証拠としての価値を失いました。
小野田は警察省を作ろうと動いていました。
そのために警視庁の人事の刷新をしようとしていたのです。
小野田と杉下、神戸と話しているところに三宅が現れました。
「俺の人生返せ」とナイフを突き立てた三宅。
小野田は「おかしいね…殺されるなら、お前にだと思ってたのに…」と杉下に言って亡くなります。
音声データは証拠として使えなくなり、さらに小野田が亡くなり警視庁は人事刷新の話をなかったことにし、事件に関わった3人を切り捨てて終わりとなりました。
敬礼され、走り去る小野田を乗せた霊柩車。
あの3人を検挙します、と言う杉下。
警察をクビとなった三宅から改めて話を聞き、長谷川達を検挙するという杉下の決意で物語は幕を閉じます。
完。
「相棒 劇場版II 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」見どころ
警視庁で警察官を人質に立てこもり事件を起こすという何とも大胆な事件。
被害者と思われた朝比奈、本当は事件を企てた犯人の仲間でした。
その裏にあったのは警視庁幹部による自作自演のテロ事件でした。
公安、協力者という聞きなれない言葉がキーワードです。
キャリアや学閥、警視庁と警察庁の関係といった警察の深層部に切り込んだ重厚な作品でした。
それにしても豪華顔ぶれの警視庁幹部でしたね。
名優岸部一徳さん演じる小野田が映画2作目で亡くなるとは意外に感じた方も多いでしょう。
警視庁を変えたいという小野田でしたが、それを強行した挙句殺されてしまいました。
それぞれの立場視点に立った正義があるものの、皆が正義を貫くことはできないのですね。
この「相棒 劇場版」のシリーズ作品はこちらです。
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