映画「バットマン ダークナイト」は、クリスチャン・ベール主演、クリストファー・ノーラン監督の2008年の映画です。
この映画「バットマン ダークナイト」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころを紹介します。
ジョーカーとバットマンの壮絶な闘いを描く「バットマン ダークナイト」をお楽しみください。
「バットマン ダークナイト」キャスト・スタッフ
■ スタッフ
監督: クリストファー・ノーラン
脚本: クリストファー・ノーラン 他
制作: クリストファー・ノーラン 他
音楽: ハンス・ジマー 他
撮影: ウォーリー・フィスター■ 主要キャスト
ブルース・ウェイン / バットマン: クリスチャン・ベール
ジョーカー: ヒース・レジャー
ハービー・デント / トゥーフェイス: アーロン・エッカート
レイチェル・ドーズ: マギー・ジレンホール
アルフレッド・ペニーワース: マイケル・ケイン
ジェームズ・“ジム”・ゴードン: ゲイリー・オールドマン
ルーシャス・フォックス: モーガン・フリーマン
バーバラ・ゴードン: メリンダ・マックグロウ
ジェームズ・“ジミー”・ゴードン・Jr: ネイサン・ギャンブル
アンソニー・ガルシア市長: ネスター・カーボネル
「バットマン ダークナイト」あらすじ
ブルース・ウェインことバットマン(クリスチャン・ベール)は、地方検事のハービー・デント(アーロン・エッカート)、ゴッサム市警のジム・ゴードン(ゲイリー・オールドマン)とゴッサムシティから組織犯罪を無くすため水面下で協力していました。
しかしそこへジョーカー(ヒース・レジャー)が現れ、マフィアと共闘し、バットマンの正体を暴くために無差別に市民を攻撃するという宣言をします。
次第に崩れていく3人の結束・・・
バットマンはジョーカーを倒すことができるのか?
「バットマン ダークナイト」ネタバレ
マフィアがはびこり腐敗した街だったゴッサム・シティは、バットマンの活躍により平和になりつつありました。
そんなある日、パーティ用のマスクをかぶった一団が銀行を襲いました。
役目を終えた仲間を次々と射殺してゆくほどの凶悪な強盗団で、足を討たれた支店長は「お前、ここが誰の銀行か分かってるのか?」とバックにいるマフィアの存在をほのめかします。
しかし、ただ一人残った男は全く動揺することなく、自らのマスクを取ると、不気味な白塗りピエロのメイクをした顔が現れました。
謎の犯罪請負人・ジョーカー(ヒース・レジャー)でした。
ジョーカーは支店長の口に手りゅう弾を突っ込んで、部下が奪ってきたバスに乗って立ち去ったのでした。
夜、マフィアが覆面を被った男と麻薬の取引をしていました。
すると、突然電気が消えバットマンの恰好をした男が現れました。
しかも一人ではなく次から次へと3人も出現し、ショットガンやマシンガンで攻撃を始めました。
しかし、ある者は用心のために連れてこられた犬をけしかけられて倒されたり、ある者は催涙スプレーをかけられて悶絶したりと、逆にやられそうでした。
そこへバットモービルが壁をぶち破って登場しました。
バットモービルはミサイルを発射し、爆発したところから黒ずくめの男が姿を現しました。
彼こそが本当のバットマン(クリスチャン・ベール)でした。
車で逃げようとした覆面男は一旦、バットマンを振り落として立体駐車場を抜け出そうとしますが、バットマンは数十メートル下まで男の車めがけて飛び降り、車を半壊させて覆面男を捕えたのでした。
助け出された偽バットマンの男達は「自分たちもバットマンを助けたかったんだ」と言い訳したが、バットマンは「助けなど要らない」と言い残して去っていったのでした。
一方、ゴッサム・シティの市警本部。
ジム・ゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)は部下のワーツ刑事とラミレス刑事とともにバットマンについて話しているところだった。
バットマンは市民からヒーローとされる一方で無法者と言う声もあり、逮捕を望む声が連日のようにニュースで報道されていたのでした。
ゴードンが地下の証拠の保管庫に降りていき、ふと彼が横を向くと、そこにはバットマンの姿がありました。
ゴードンは驚きもせず、彼に証拠品である印付きの紙幣を見せます。
実はゴードンはバットマンと共に、マフィアのマネーロンダリングの捜査協力をしていたのでした。
ゴードンによると、この特別にあつらえた印付き紙幣が見つかったのは5行目だという。
つまり、5行もの銀行がマネーロンダリングに関与している事を示していました。
さらに、防犯ビデオにわざわざ顔を映し、こちらを見ているピエロの化粧をした男”ジョーカー”の映像を見せた後、新任の検事に働きかけてマネーロンダリングの捜査に協力させようと提案します。
その頃、ゴッサム・シティの地方検事局には、くだんの新任検事ハービー・デント(アーロン・エッカート)が着任していました。
若く、正義への気概にあふれた彼は、ゴッサム・シティの治安を回復するために全力を注いでいました。
現在、デントはマフィアの根絶に向けて精力的な捜査と立件・公判を重ねており、それを支えているのは地方検事補で、恋人でもあるレイチェル・ドーズ(マギー・ギレンホール)でした。
その日は、マフィアの幹部マローニの裁判がある日でした。
楽勝だと思われていましたが公判が始まってみると、検察側証人だったはずの男が、マフィアのボスに昇格したマローニを目の前にして見事にデント検事を裏切ってしまいます。
そればかりか、デントを射殺しようと拳銃を取り出したのです。
デントはそれをかわして男を取り押さえましたが、これで公判を維持してマローニに対する有罪判決を得ることはできなくなってしまいました。
デントが検事室に戻ると、ゴードンがやってきて、マフィアのマネーロンダリングについて話し出します。
デントはゴードンとバットマンとの協力関係を察し、バットマンに肯定的な態度を取って見せた上で銀行への捜査令状は出すし、マネーロンダリングの捜査には積極的に協力するとジム・ゴードンに約束しました。
その一方で、デントは警察内部の汚職を一掃するように努力すべきだとも要求しますが、ゴードンは口をにごしました。
ゴッサム・シティ中心地に自社ビルを構えるウェイン・エンタープライズ。
今日はラウ・ファンド社との合弁事業の是非を論じるべく、ラウ社長自らがウェイン・エンタープライズの幹部にプレゼンテーションをしていました。
プレゼンテーションが終わり、ルーシャス・フォックスはウェイン社社長としてラウ社長に礼を述べるが、ブルース会長は会議の末席で眠りこけており、フォックス社長は「会長は徹夜で寝ていないのでしょう」と慌てて言い訳するばかりでした。
リースにラウ社の財務内容の見直しを指示した後、フォックスはラウ社の年率8%の固定的な成長には裏があるはずだと報告する。
ウェイン会長はあっさり合弁事業計画の取消しを指示し、代わりにそしてフォックスにバットマン・スーツの図面を渡したのでした。
ブルース・ウエインこそバットマンその人であり、ルーシャス・フォックスはその理解者だったのです。
その夜、レイチェルは恋人のデントが予約した有名レストランでディナーを楽しんでいました。
そこに現れたのはブルースでした。
ボリショイ・バレエ団の美人のプリマを同伴し、2人のテーブルに近づき、声をかけてきます。
そして、席をあわせて4人で話をするうちにバットマンの話題になります。
プリマはバットマンを批判しますが、デントはバットマンの活躍について、悪がはびこるうちはバットマンが必要なんだ、と言い切ります。
ブルースはその議論を黙って聞いていました。
そしてデントに資金集めのパーティを開くことを約束します。
一方、何処かのレストランの厨房にマフィアの面々が顔をそろえていました。
彼らは銀行に預けていた組織の資金を強奪にあったうえ、マネーロンダリングの捜査の手が及んできており、資金繰りに窮していたのです。
その相談を中継で受けていたのはウェイン・エンタープライズに投資を持ちかけていたラウ社長でした。
テレビに映るラウ社長はマフィアに金を自分に預けるようにもちかけていました。
彼が投資をして増やしてやるというのです。
マフィア達とラウ社長が相談に集中していたとき、ジョーカーがやってきます。
ジョーカーは彼を止めようとしたひとりのマフィアを殴り殺し、中国人は必ず裏切るぞ、とマフィアを脅し、資金の半分と引換えにバットマンを殺してやると持ちかけますが、マフィアはその言葉を信じるはずがありません。
掴みかからんばかりのマフィア達を前に、ジョーカーは上着の下にびっしりとぶら下がった手りゅう弾を見せびらかし「気が変わったら電話してくれ」と番号を書いた紙を残して部屋を出ていったのでした。
深夜。
とあるビルの屋上にデント検事とゴードン、そしてバットマンが集まっていました。
彼らはラウ社長が香港に逃亡してしまったことの対策を話し合っていました。
デントとゴードンは共に地方検事局か市警本部かどちらかから情報漏れがあったはずだと主張して対立していましたが、ラウ社長が香港に逃げた以上、中国政府は引き渡すはずがないという点では、意見が一致していました。
そこでバットマンはラウ社長を拉致してゴッサム・シティに連れ戻すことを引き受け、その場から消えたのでした。
翌日、フォックス社長は「合弁事業申し出の拒否をラウ社長に直接伝えに香港に行け」とブルース会長から言い渡されます。
その日の晩、デントとレイチェルがボリショイ・バレエ団の公演にやってくると、何と公演は中止になっており、『億万長者がボリショイ・バレエ団を引き連れてボートでバカンスに』との見出しの新聞が代わりに貼ってありました。
ブルースが執事のアルフレッド・ペニーワース(マイケル・ケイン)に用意させたアリバイはこれだったのです。
ブルースはクルーズを楽しみながら航行し、途中で水上に着水した飛行機で香港へ。
あらかじめルーシャス・フォックスはラウ・ファンド社に赴き、携帯電話をワザと置き忘れ、マイクロウエーブを使った装置でラウ・ファンド社の内部構造を探らせたのです。
そのデータを使って、バットマンはラウ・ファンド社に侵入。
ラウを拉致し、窓をぶち破って飛行機から延びるロープにつかまり、ラウ社長を抱えたまま脱出したのでした。
次の日の朝、ゴッサム・シティの市警本部前に”ゴードンまで配達”と書かれたメモを付けられてラウが放置されていたのでした。
ラウ社長を尋問している様子をみていたデントは、組織犯罪関連で立件し、RICO法の適用があれば、組織犯罪として芋づる式にマフィアを検挙できると考えます。
一方、ラウ社長逮捕のニュースはゴッサム・シティのマフィアたちを慄然とさせました。
もはや、バットマンをこれ以上のさばらせておくわけにはいかないとマフィアの中枢部はジョーカーを雇うことを決めます。
しかし、その前にゴードンによって全員逮捕されてしまいます。
そしてデントは逮捕したマフィア549人を一気に裁判にかけたのでした。
市長は「乱暴すぎる」とデントに注意するが、デントは「549人を一気に裁けば、18か月は平和になります。ボスは大金を積んで保釈されるだろうが、幹部クラスはカネがないから司法取引に応じて口を割るはずです」
と意に介しません。
その時、市長室の窓に突然上から死体がぶつかります。
死体はロープで吊るされ、ピエロの化粧をし、バットマンの服を着ていました。
同じ頃、ブルースはテレビからのジョーカーのメッセージを凝視していました。
画面の中には、バットマンのかっこうをした男が縛り付けられていました。
“ブライアン”とジョーカーに呼ばれているその男はどうやら、バットマンの真似をしていた一般市民のようで「お前なんかに屈するものか!」と叫ぶ様子が映し出されていました。
そしてジョーカーは「バットマンがマスクを取って正体を見せるまで毎日市民一人を殺してやる」、と宣言し、男を殺したのでした。
デントとレイチェルはブルースが主催するデントの資金集めパーティにやってきてきました。
ブルースの姿が見えないとデントが思ったそのとき、ものすごいルーター音とともに、ガラスの向こうにヘリが見えブルースが両脇に美女を従えパーティ会場に姿を見せました。
そして、彼はレイチェルが自分の幼なじみの女性であると紹介した後、デントを「ゴッサム・シティの希望の星」である新任地方検事として招待客に紹介したのです。
その少しあと、テラスにいるブルースのもとにレイチェルがやってきます。
ブルースはレイチェルに「デントはマスクをつけずに一網打尽にできる。素顔のヒーローだ」と言い、バットマンであることを辞めてレイチェルと暮らしたいと言いますが、レイチェルははっきりと返事はしませんでした。
その頃、ゴードンの元にジョーカーが死体に残したカードから3人のDNAが検出されたと報告が入ります。
1人はサリロ判事、もう1人はのローブ、残る1人はデント検事でした。
「これはジョーカーの殺害予告に違いない」。
すぐさまゴードンは3人の保護命令を出します。
対象の一人、サリロ判事は自宅にいました。
避難先の住所が書いてあるという封筒を手渡され、中を開けると”UP!”とだけ書かれた紙が入っており、途端に爆発、車は炎上してしまいます。
さらに、ゴードンは自らローブのもとに出向き、避難を要請しますが、気持ち落ち着けようと飲んだ酒に毒が入っており、ゴードンの目の前で毒殺されてしまいました。
標的のうち、残る一人はデントのみ。
ゴードンの連絡を受けたブルースはデントをチョークスリーパーで気絶させ、レイチェルと共にペントハウスの奥にある安全な部屋に避難させます。
その間に、パーティ会場にジョーカーが乗り込んできます。
招待客が怯えて遠巻きに見守る中、客に銃を突き付けてデントの居場所を聞き出そうとし始めます。
その内ジョーカーは、反抗的な態度をとった白髪の男性にナイフを突きつけ 父親に似ていると言いながら切り裂こうとします。
その時、レイチェルが飛び出してジョーカーの前に立ちました。
彼女がデントの恋人であることに気がついたジョーカーはレイチェルの顔を掴み、ナイフを押しあてながら引きまわしていると、バットマンが現われ、ジョーカーと一騎打ちとなります。
やがて劣勢となったジョーカーはガラス張りの壁を銃撃して破り、レイチェルを外に放り投げて時間稼ぎをし、その間に逃げてしまいました。
その頃、アパート一室での2人の男が死んでいるのが発見されます。
ジョーカーの仕業でした。
ゴードンが机の酒瓶を取り上げると、その下にある新聞記事の写真が目に飛び込んできました。
それはゴッサム・シティの市長で、白く塗られ、ジョーカーの化粧を書き加えられていました。
ジョーカーの次の標的は市長だというメッセージでした。
今日はローブの葬式の日。
そして、式典では弔辞をゴッサム・シティ市長が読むことになっていました。
ブルースは市長を狙撃可能な位置を割り出し、もっとも確率の高いアパートの一室にブルースがバイクで急行すると、中には下着姿にされた男たちが柱に縛り付けられていました。
彼らは式典に参加する儀仗兵でしたが、制服も拳銃も奪われていました。
葬儀は順調に進行し、市長がステージに立って弔辞を読み終えると、儀仗兵に号令がかかり、儀仗兵が1度目の弔砲を撃ち、2度目の弔砲が撃たれようとしたそのとき、儀仗兵の全ての筒先が壇上の市長に向けられ、発砲されました。
儀仗兵はジョーカーとその仲間が成り代わっていたのです。
一瞬早くゴードンが市長をかばって押し倒し、市長は無事でしたがゴードンは倒れたままでした。
その夜、ダンスクラブで女と遊ぶマフィアのボス・マローニのところにバットマンが現れます。
バットマンはマロ―二を非常階段に連れ出し、2階から地上へと突き落として拷問しますが「ジョーカーのことを売る奴など誰もいないし、ジョーカーのことは何もしゃべらない」と口を割ろうとしましません。
一方、ゴードンが殺されたいま、レイチェルも危ないと考えたデントが電話をすると「一番安全な所に避難する」とレイチェルは答え、ブルースのペントハウスに向かいました。
その頃、デントは警官が監禁されていた部屋の住人メルヴィン・ホワイトを椅子に縛り付けて尋問していました。
へらへら笑うだけのホワイトに業を煮やしコインの裏表で撃つかどうか決めてやるとデントが言い、危うく撃つかと思われたとき、バットマンが現われて「君にはゴッサム・シティの”希望”でいてほしい」と制止します。
そして、バットマンは、明日記者会見を開くようにデントに頼み「ゴッサム・シティは君に託す」とデントに告げるのでした。
その日、ペントハウスに戻ったブルースは避難していたレイチェルに「バットマンのマスクを脱いだら僕と結婚すると言っていたけれど、本気だった?」とたずねるブルースに、レイチェルは「そうよ」と応えますが「正体を明かせば結婚なんて夢よ」と複雑な表情を浮かべます。
しかし、ブルースは決意を変えませんでした。
翌朝の記者会見で、デントは集まったたくさんの記者と市民を前にバットマンの正体を明かすことを宣言します。
会見場の端にはブルースも立っていました。
デントは躊躇していました。
「本当にバットマンの正体を明かすべきか、もう一度考えるべきだ」
「犯罪が減る保証はないし、テロリストの気まぐれに付き合う理由もない」と主張しますがマスコミや市警察は納得しません。
仕方なく、デントは説得をあきらめ、バットマンの正体を明らかにする事にします。
「バットマンは私だ。」
たちまちデントは警官たちに手錠をはめられ、連行されたのでした。
アルフレッドのもとを訪れたレイチェルはブルースが、デントが逮捕されたときに黙ってそれを見ていたことを非難し、白い封筒に入った一通の手紙をアルフレッドに渡して「そのときがきたらブルースに渡して」と言いました。
アルフレッドが”そのとき”とはいつのことなのか尋ねますが「内容を見ればわかるわ」と答えるだけでした。
バットマンとして逮捕されたデントは刑務所に護送されることになります。
レイチェルは彼を止めようとしますが、デントは聞き入れません。
デントを乗せた護送車が車列を組んでメインストリートを走行していると、前方に赤々と燃えている消防車が道をふさいでいました。
これを避けるには地下道に入るしかなく、止むを得ずに、車列は地下へ入ります。
するとすぐに大型トレーラーが突っ込んできます。言わずと知れたジョーカーの仕業でした。
ジョーカーはトレーラーの荷台から護送車や護衛するパトカーを次々に襲撃し始めます。
バズーカで護送詩を吹き飛ばそうとした時、バットモービルが現われ、バズーカを身代わりで受けて護送車を守りました。
バットマンはバットポッド(バットモービルの左前後二輪と車体の一部を利用したバイク)で脱出しました。
護送車は地上道路に戻り、ヘリの支援を受けようとしますが、ジョーカーはロープを張ってヘリを引っかけ、墜落させてしまいます。
万事休すと思った時、バットポッドで疾走しながらジョーカーを追っていたバットマンが追い付き、車の下にワイヤーを張り巡らせてトレーラーを転覆させることに成功します。
中から降りてきたジョーカーはその場に仁王立ちになります。
バットポッドに乗り、エンジンをふかせて対峙するバットマン。
一直線の道路で2人はにらみ合います。
そして一瞬の間を置いたのち、バットポッドが疾走。
ジョーカー目指して突っ込んでいきます。
バットポッドはすんでのところでジョーカーをそれ、後ろに回りこんで転倒しました。
バットポッドから落ち、気絶したかのように見えたバットマン。
ジョーカーの仲間が駆け寄るが、ジョーカーはそれを跳ね飛ばしてバットマンに馬乗りになり、ナイフをかざします。
そのとき、ジョーカーの後頭部が突きつけられます。
それはゴードンその人でした。
ゴードンは生きており殺されたふりをして、ジョーカーを追っていたのです。
ジョーカーを見事、逮捕したゴードンはその手柄によって、市警本部長に昇格します。
ジョーカーを市警本部の留置場に放り込み、彼は家族に安否を報告するため、一時帰宅します。
家族に無事を知らせるゴードン。
息子に「バッドマンは命の恩人?」と聞かれ、「逆だよ、僕が助けたんだ」とゴードンは答えるのでした。
そこに緊急事態を知らせる電話が鳴ります。
ジョーカーを捕まえて帰ったはずのデントと、彼に会うはずだったレイチェルが帰宅していないというのです。
ゴードンはさっそく、ジョーカーを取調べますが喋ろうとしません。
やむなくゴードンはバットマンに尋問を交代します。
バットマンはジョーカーを殴り、デントの居場所を吐かせようとしますが、逆にジョーカーはレイチェルの名前を出してバットマンを挑発します。
バットマンはドアを椅子でふさぎ、マジックミラーの向こう側で見ているゴードンたちが入ってこられないようにした後、激しい暴行をジョーカーに加えます。
そしてついに、デントとレイチェルを誘拐したことを認め、彼らを別々の場所に監禁したと白状し、それぞれの監禁場所の住所を教えます。
バットマンはレイチェル、ゴードンはデントを救出に向かいますが、ジョーカーは「デントかレイチェルかどちらかしか救えない。どちらかを選べ」とうそぶきます。
デントとレイチェルが監禁された部屋にはそれぞれ電話が置いてあり、2人はそれで話すことができました。
デントはレイチェルに「大丈夫だ、助かるよ」といいますが、レイチェルは「生き残るのはどちらかで、それを選ぶのはお友達だ」と言われたことをデントに伝えます。
そこへバットマンがやってきます。
ジョーカーは逆の場所を教えていたのでした。
デントが助かったと分かり「これで良いのよ」と言いながら、レイチェルはゴードンの目の前で爆死しました。
デントは、助かったものの爆発の時に顔のついていたガソリンに火が付き大やけどを負ってしまいます。
一方ジョーカーは警備に着いた刑事を挑発し、刑事が襲ってきたところを逆に人質に取ってしまいます。
そして、電話をさせろと要求します。
要求通り電話を掛けさせると、留置場にいたジョーカーの部下の腹に埋め込まれた爆弾が爆発し、その混乱に乗じてジョーカーはラウ社長を連れて市警本部から逃げだしてしまいました。
翌朝、アルフレッドがブルースにレイチェルから預かった手紙を見てみると綴られていたのは
“デントを愛している”
“彼と結婚することを決めた”
そして”ブルースがバットマンを捨てる日が来ることが考えられない”
“仮に、ブルースがバットマンをやめるときがきたなら、そのときはあなたのそばに親しい友として一緒にいることを約束する”
と書かれていました。
アルフレッドはその手紙をブルースに渡そうとしますが、ブルースがレイチェルは自分を選んだと思っていると知り、とっさに手紙を懐にしまいます。
ブルースは「狂気や死が蔓延したのは自分のせいではないか」と嘆きます。
アルフレッドは、「悪党の顔につばを吐いたのだから当然のことです。混乱の後に平和は来るものです」とブルースを諭して退室します。
ゴードンは病院に入院しているデントのところに見舞いにやってきます。
デントの顔の左半分が焼けただれた状態になり、汚職警官を排除しなかったゴードンを責めます。
ゴードンは「後悔している」と言いますが、デントは「いや、まだ足りない、これからだ」と言い放ちます。
意気消沈したゴードンが病室の外に出ると、そこにはマフィアのボス・マローニが待っており、ジョーカーの行方を話しました。
ゴードンは戦術部隊を派遣し、「ジョーカーは殺してもかまわないが、ラウ社長は生け捕りにしろ」と指示を下しました。
ジョーカーは倉庫に高く積み上げられたドル紙幣の山にラウを縛り付けマフィア達を待っていました。
そしてガソリンをまき、マフィア達の前で燃やしたうえで「金など要らないお前たちはカネの亡者だ」といってこき下ろします。
その頃、ウェイン社の会計士リースがテレビに出演し、ウェイン社とバットマンの関わりを暴露しようしていました。
しかし、突然ジョーカーが電場をジャックし「会計士のリースを殺せ。60分以内に殺さないと市内の病院のいずれかを爆破する」といいました。
たちまちテレビ局の前は大混乱になりました。
実際に、リースは市民に銃撃され、命からがら、テレビ局を車で脱出します。
ブルースもランボルギーニに乗って市内を疾走し、リースの車に体当たりしてきた市民の車を自分の車を割り込ませて守りました。
一方、ジョーカーは看護師を装って、デントのところへ入り込み、病室で寝ている彼に話しかけます。
ジョーカーに怒り狂うデントに「悪いのは自分じゃない。こんな事になったのは汚職警官や、それを排除しなかったゴードン、バットマンのせいだ」と諭し銃を取り出すと、自分の額にあて、デントの手を引き金にかけさせますが、デントは引き金を引きませんでした。
デントの病室から出てきたジョーカーは病院を丸ごと爆破し、避難する患者たちが乗ったバスに乗り込み逃走しました。
そして、デントも行方不明となりました。
数時間後、ふたたび、テレビにジョーカーの声明が発表されます。
ジョーカーは、「市民にゲームに参加しろ」、「それが嫌ならゴッサム・シティから出て行け」と呼びかけ、街は避難しようとする人々で大混乱になり、ゴッサム・シティから出て行くフェリーは満杯になりました。
市警本部でも、囚人を護送することを決定し、およそ3万人の市民を乗せた船”リバティー号”と同規模の囚人を乗せた”スピリット号”がゴッサム・シティから出航しました。
そのころ、フォックスが会社の地下に降りて行くと、そこにはバットマンの姿がありました。
壁一面の液晶パネルがありゴッサム・シティ市民の携帯電話および全ての通信機器の内容を傍受していました。
バットマンはこの装置をフォックスの手に委ね、これを使ってジョーカーの居場所を探ってほしいと頼みます。
フォックスは今回限りと言う条件で引き受けました。
そのころ、市民を乗せた”リバティー号”と囚人を乗せた”スピリット号”は突然動かなくなっていました。
乗組員が船底に降りて調べたところ、100個の樽に入れられた大量の爆薬と起爆装置が発見されて大騒ぎになります。
そこに船内スピーカーからジョーカーの声が流れてきます。
それによると、”スピリット号”で見つかった起爆装置は”リバティー号”の起爆装置で、反対に”リバティー号”には”スピリット号”の起爆装置が積んであると言いました。
そして「午前12時までにどちらかの起爆装置が押されない限り、2隻とも爆破される事、起爆装置を押せば、片方は爆破されるが、起爆装置を押した船は助かる。早い者勝ちだ」と告げました。
”スピリット号”では囚人と起爆装置を持つ刑務所長とのにらみ合いが始まり 一方、一般市民の乗る”リバティー号”では議論の末、投票が行われることになりました。
結果は賛成396対反対140でした。
一方バットマンフォックスから連絡を受け、ジョーカーがプルイット・ビルにいることを突き止めます。
ゴードンに連絡し、SWATをビル周辺に配置し、中を調べるとピエロのマスクを被った人影が何人も見えました。
バットマンは「早く解決しないと船が爆破されてしまう」と言って、即時の突入を主張して譲らないゴードンを制し、単独でビルに侵入します。
ビルのガラス壁面に立っていたピエロを押し倒し、マスクを剥ぐと、ジョーカーの仲間ではなく、病院からバスごと誘拐された患者の1人でした。
バットマンはすぐにゴードンに連絡し、ピエロは人質であること、白衣を着て医者のかっこうをしている者がジョーカーの仲間であることを告げます。
再び、バットマンはフォックスのサポートを受けながら、ジョーカーの居場所を突き止め、格闘になります。
ジョーカーは犬を放って襲わせ、バットマンをもう少しで突き落とせるところまで追い詰めます。
そこで、ジョーカーは手を緩め、時計を気にしだします。
もう少しで12時でした。どちらの船が先に火柱を上げるか確かめる気でした。
“リバティー号”。
投票では圧倒的にボタンを押すことに賛成する者が多かったが、誰も実際に起爆装置を起動させようとはしないまま時間が過ぎてしまいました。
一方の”スピリット号”でも緊張が頂点に達していました。
2m近くはあろうかという黒人の大男が刑務所長に歩み寄り、「起爆装置を渡せ」と所長から起爆装置を受け取り、窓の外に投げ捨てました。
いつ、爆発が起きるか、と船の様子を眺めていたジョーカーはがっかりして、自らの手で爆発させようとしますが、そのすきにバットマンが反撃しジョーカーを突き落とします。
ジョーカーは笑いながら地上へ落ちて行きますが、途中でバットマンがロープで捕え、引き揚げます。
そんなバットマンをジョーカーはあざ笑い「俺にはまだ切り札がある。デントだ。ゴッサムの”希望の星”を悪党に落としてやったのさ!」と告げます。
「バットマン ダークナイト」ラスト最後の結末
デントはあのジョーカーとの病室での対面の後、病院を抜け出していました。
デントの目的は一つ。
レイチェルの死に関係がある者に復讐することでした。
まずは自分を誘拐したワーツ刑事のもとに行き、銃を突きつけてレイチェルを誘拐した刑事を聞き出したそうとしますが、ワーツは知らず、コイントスをしてワーツを射殺します。
次にデントが向かったのはマローニのところでした。
マローニの車に乗り込み、裏切り者の刑事の名を聞き出すと、再びコインを投げます。
マロ―二は表でしたがドライバーは裏でした。
ドライバーはすかさず射殺され、車はクラッシュします。
次はマローニから聞き出した裏切り者、レイチェルを誘拐した刑事、ラミレスのところでした。
彼女を脅迫して、ジム・ゴードンの家族に連絡させ、妻と子供を家の外へ呼び出させます。
そして、デントはゴードンの家族を廃墟となったビルへ連れ出します。
その2階でデントはゴードンの家族を人質に立てこもっていました。
ゴードンはデントを説得しようと試みますが、デントは「お前の最愛の1人だけ殺してやる」と告げ、ゴードンの息子に銃を突きつけます。
そこにバットマンが駆けつけ「ジョーカーは君のような男でも悪に染まると証明したかったのだ」とデントを説得しようとしますが、もう誰の言葉も届きません。
デントはコインを投げ上げ、”裏”が出たとバットマンを躊躇なく撃ちました。
次はゴードンの息子の番です。
デントはコインを投げる前に、「息子に「大丈夫だ」とウソをつけ」、とゴードンに命令します。
ゴードンが言われた通りに息子に「大丈夫だ」というと、デントはゴードンの息子を射殺しようとします。
その時、バットマンは素早くデントを押し倒し、デントもろとも階下に落ちてゆきました。
バットマンは助かりましたが、デントは死にました。
息子が助かって安堵したものの、ゴードンはがっくりと肩を落とします。
デントは5人殺しており、そのうちの2人も警察官がいる以上、隠し通す事はできません。
「悔しいがジョーカーの勝ちだ。デントの行動を知れば悪党が再び野に放たれ、市民は失望する」そういうゴードンに、バットマンは告げます。
「自分がやった事にすればいい。俺はデントのようなヒーローじゃない。汚名を被っても、ゴッサムの平和のためなら構わない」そして、警官の包囲網を破ってその場から姿を消しました。
「どうしてバットマンを追いかけるの?何も悪いことしてないのに」
そうつぶやく息子にゴードンは語り掛けます。
「彼はこの街に必要な人だ。しかし、今はその“時”じゃない。彼はヒーローじゃない。沈黙の守護者。我々を見守る監視者。彼は暗黒の騎士(ダークナイト)だ」と・・・
THE END
「バットマン ダークナイト」見どころ
冒頭、何の前触れもなく銀行襲撃が始まります。
驚かされるのは、強盗団のメンバーが用済みとなった途端に次々と殺されてゆくところです。
そして、最後に残るのは不気味なピエロのメイクをしたジョーカー。
彼がどれだけイカれた性格をしているかがしっかりと印象付けられます。
ただ常軌を逸しているだけではなく、人の心の闇を引き出し利用する事に長けています。
ゴッサム市民までもがジョーカーの術中にはまり、恐怖心から本来の敵であるジョーカーではなく、味方であったはずのバットマンを攻撃し始めたほどです。
何かを手に入れたいのではなく、ただ人々を恐怖に陥れ混乱を楽しみ、死や苦痛も恐れない、底知れない凄みを持った強敵です。
闇に紛れて突然現れ次々と敵を倒してゆくバットマンの華麗なアクション、バットモービルをはじめとしたマシーンの数々、ド派手な爆発シーンだけでも十分に楽しめますが、何といっても登場人物の心理が細かく描かれているのが印象的です。
バットマンことブルース・ウェインはヒーローと言われる一方で街を混乱に陥れる自分勝手な無法者と糾弾もされます。
愛する人も離れていこうとします。
大切な人(レイチェル)を失って悲しんでいるのはデントだけではなかったのに、それを明かすこともできません。
ゴードンはマフィアとの戦いのためにデントの忠告を無視し大きな代償を払うこととなります。
大切な家族の命さえ危険にさらしてしまいます。
正義と理想に燃えたデントは、命をかけて悪と戦ったにも拘らず裏切られ、レイチェルをみすみす死なせてしまった事で希望を失い、最後は怒りと悪にまみれて死んでしまう事になります。
主要登場人物だけでなく、不本意ながらもジョーカーに手を貸してしまった汚職刑事、相手の船を爆破すれば助かるという選択を強いられた人々、自分自身や家族を守るためにバットマンを攻撃する人達など、正義を貫き通すための苦悩や、恐怖によって翻弄される人間達の葛藤も見ごたえがあります。
約150分の作品の中に見どころがたくさん詰まっており、バックの音楽も気持ちを盛り上げてくれます。見れば見るほど面白さが増してくる珠玉の名作です。
物語の終盤、デントが死んで、ゴードンが「これですべて終わりだ」と嘆いた時、ブルースは町の平和を守るためにデントの罪を引き受け、デントと警官を殺した極悪人として追われることを決めます。
ゴードンも息子を殺そうとしたデントを英雄として称え、真の恩人を犯罪者として追う道を選びます。
また、執事のアルフレッドはレイチェルの本心をブルースに知らせるべくではないと考え、手紙を燃やしてしまいます。
皆、何かの犠牲を払い、誰かの為あるいは町の平和を思っての行動でした。
しかし、それは「ウソ」の上に作られた、歪んだ平和でした。
その「ウソ」「歪み」は時を経て新たな混乱の火種となります。
それが本作の続編「バットマン ダークナイト・ライジング」につながるのです。