映画「プリンセス・トヨトミ」は堤真一主演、鈴木雅之監督の2011年の映画です。
この映画「プリンセス・トヨトミ」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころについて紹介します。
大阪が全停止!?そのとき何が…「プリンセス・トヨトミ」をご堪能ください。
「プリンセス トヨトミ」あらすじ
2011年7月8日金曜日午後4時 、大阪。
誰もいない静かな街、軒先にぶら下げられたひょうたん。
そこにひとりの女性が現れ、あたり見回します。
この日、大阪が全停止したのです。
1615年、大坂夏の陣。
命からがら逃げる国松(加賀瀬翔)と母伊茶(菊池桃子)。
伊茶は逃げる途中、ひょうたんを落としてしまいます。
伊茶は国松を逃がしますが、追手に切られてしまいました。
そして国松もみつかってしまいます。
月曜日。
携帯を忘れた会計検査院の松平元(堤真一)は、大阪へ出張行く前に職場へ取りに行きます。
その徹底した調査から鬼と評される松平元、時々奇跡を起こすミラクル鳥居こと鳥居忠子(綾瀬はるか)、日仏ハーフの新人旭ゲーンズブール(岡田将生)。
今回の大阪調査はこの3人で行われます。
忠子は松平と組むので緊張しているでしょう、と旭に声をかけます。
誰も松平が笑った顔を見た人はいないと言い、フォローすると張り切る忠子。
その頃、大阪府庁では会計検査院を迎える準備が進んでいます。
大阪に向かう新幹線。
きれいに富士が見えたらでかい物が見つかるというジンクスや、昔自分だけが新幹線から見た富士山の所にたくさんある十字架の話をする忠子。
そして・・・
「プリンセス トヨトミ」ネタバレ
大阪府庁、空堀中学校と検査を行う松平たち。
空堀中学で松平たちは、不審な人だかりを見かけます。
その人だかりの先にいたのは女子制服を着ていじめられる少年、真田大輔(森永悠希)でした。
教師の話によると、大輔は急に女の子の格好をするようになったそうです。
そしていざ監査を始めるというところでトイレに行った忠子。
旭は検査が10分おすと嫌な顔をしますが、トイレで忠子が偶然職員たちの検査に関する話を聞いたおかげで検査が10分早く終わります。
そして今度は財団法人大阪城跡整備機構OJOの調査へ向かいますが、インターフォンを押しても誰も出てきません。
あたりを見回すも、他に扉は在りません。
そしてやっと長曽我部(笹野高史)が出てきて、中に入れてもらいます。
古い建物のOJOで松平たちは書類の金額を確認したり、事務所を見て回ります。
そして検査を終えた3人は休憩のためOJO向かいのお好み焼き屋「太閤」へ。
そこで食事をしたいる際中、携帯を忘れたことに気付いた松平はもう一度OJOへ行きますが、またも誰も出てきません。
鍵が開いていたため松平は中に入りますが、誰もいません。
打ち合わせをした部屋で携帯を見つけた松平は、名刺に書かれたOJOの番号に電話をかけます。
しかし、事務所の電話はならずすぐに電話に出た長曽我部が「OJOです」と名乗ります。
さらに側にあった電話の受話器を持ち上げてもつながっておらず、引き出しは空っぽ。
不信に思いながら忠子たちと合流した松平。
その時、突然少女がそこにいた大輔をいじめていた蜂須賀勝(上村響)に強烈なキックを入れます。
火曜日。
もう一度OJOにやって来た松平ですが、特に異常はありません。
長曽我部は誰もいなかったのは皆で食事に出かけていたから、電話は転送がかかったと言います。
そして引き出しをあけると文房具が入っており、電話は回線の調子が悪かったと言い張ります。
さらに聞き込み捜査をし、大阪城の研究を行う漆原(江守徹)や他の関係者にあって調べるもやはり問題はありません。
ついにはボランティアに電話をかけて活動の実態を確認することに。
その頃、またもいじめられる大輔。
蜂須賀たちに捕まって髪を丸められてしまいます。
松平たちは再び太閤で食事を摂ります。
お好み焼き屋「太閤」はOJOの前にあり、入り口はひとつしかありません。
それなのに昨日の昼、誰も出てくるのを見かけなかったという松平。
松平はOJOを怪しみますが、忠子は「OJOが嘘をついているのなら、大阪中が嘘をついていることになる」と言います。
その時いじめられていた少年、大輔が帰ってきました。
大輔は太閤を営む真田夫婦の息子だったのです。
丸められた大輔の頭を見て驚く大輔の母、竹子(和久井映見)。
そしてそこに居合わせたのはあの蹴りを入れた女の子、橋場茶子(沢木ルカ)です。
女の子にとって髪は命だという茶子ですが、大輔はこれ以上話を大きくしたくないと言います。
「けったいな格好で学校に行ったからだ」と言う竹子、父の幸一(中井貴一)はうまくフォローできず「どうせ父ちゃんは見て見ぬふりするだけ」と言われてしまいます。
水曜日、再び空堀中学校。
茶子を心配した大輔は蜂須賀に土下座で謝ります。
「なんでもする」と言った大輔に蜂須賀は、事務所の代紋を盗んできたら許してやると言います。
それを見かけた忠子は父に相談するよう言いますが、父親はあてにできないと意見が一致する松平と大輔。
そして松平は学校の庭に扉があるのを見つけ、どこかで見たことあると言います。
大輔によるとその先には大阪城につながった抜け穴があるそうで、大坂夏の陣で秀頼が逃げたと噂があるそうです。
そしてその扉のことを思い出した松平、またも漆原から話を聞きます。
漆原によるとその穴から逃げたのは秀頼の子、国松だったそうです。
大坂夏の陣で豊臣家は滅びましたが、実は国松はここから逃げていき延びていたのです。
この抜け穴は3本用意されていて、秘密の通路のひとつは空堀商店街にあるそうです。
いろいろとつながった松平。
やっぱりOJOは嘘をついてる、大阪中じゅうが口裏を合わせていると言う松平。
松平はOJOに扉を調べさせてほしいと頼みますが、長曽我部に断られてしまいます。
そこにお好み焼き屋の店主の真田がやってきました。
真田が案内するという事で長曽我部が真田に鍵を渡し、真田は扉の向こうへと松平を案内します。
重厚な絨毯が引かれた階段とその先に続く通路。
その先にあったのは国会議事堂を模した大阪国議事堂でした。
そして真田は松平に自分が大阪国の総理だと言います。
自分たちは守る存在でOJOは守るものそのもののことだと言う真田。
OJO、それは王女のことで大阪国は皆で豊臣家の子孫を守っているのです。
大坂夏の陣で逃げた国松とその子孫を大阪の人々が守って来た、そして大阪国の存在は父から子へとあの廊下を歩きながら知らされるという真田。
明治維新の時、破綻寸前の政府は大阪国の支援で旧幕府軍と戦いました。
その時に大阪国は日本政府から正式に独立を認められており、5億の補助金は大阪国のために使われているのです。
国松の子孫たちはそのことを知らず、また大阪国民も末裔が街にいるというだけで顔も名前も知らないそうです。
それでもいざというとき大阪の男は大所の為に立ち上がり、女は家で待たなければなりません。
OJOへの補助金を正当な支出と言う真田、判断するのは会計検査院だと言う松平。
串カツ屋。
松平は明日旭にはOJOの過去の報告書などを全て調べる事、忠子には太閤に1日中いるようにと言います。
木曜日。
1日中太閤に居座り、次々とメニューを頼む忠子。
松平は漆原に豊臣の血筋について尋ね、旭はOJOの記録に不審なところはないものの、昭和51年の記録がないことを突き止めます。
記録がないのは35年前の9月6日から10日に行われた検査です。
夕方、モダン焼きを頼む忠子ですがさすがに食が進みません。
そこに茶子がやってきました。
竹子は大輔を呼びに部屋へ行きますが、大輔は具合悪いと顔を出しません。
そのまま帰る茶子、追いかけた忠子は大輔と何かあったか尋ねます。
大輔から避けられているという茶子に忠子は、大輔が事務所に乗り込めと言われた事を伝えます。
その夜、真田と電話し明日府庁で会う約束をする松平。
金曜日。
松平と顔を合わせた旭。
忠子は出掛けていると言い、何しに来ているんだとあきれる旭。
OJOの職員と電話したという松平に旭は「真田さんは何て」と尋ねます。
松平は5時に府庁で会うからそれまで自由行動にすると言います。
大輔が学校から家に帰ると、太閤でスーツを着た真田が待っていました。
礼服か詰襟を着るよう言われて嫌だという大輔でしたが、大事な話があるから聞くようにと言われてふたりでOJOへ行きます。
その頃、墓参りをする松平とその様子をこっそりと伺う旭。
その側を茶子が自転車で通り抜けます。
あの廊下を歩き、真田とセーラー服のまま話す大輔。
真田は大阪国の事、そして真田家の男として王女を守ってほしいことを告げます。
そして真田は大輔にお前は彼女のことをよく知っていると言います。
「まさか…」
「そや、茶子ちゃんや」
豊臣家の子孫は大輔の幼馴染、茶子だったのです。
蜂須賀組事務所の前。
バットを持って事務所に乗り込もうとする茶子を忠子が止めます。
タクシーに無理やり茶子を乗せ、ホテルで見張る忠子。
タクシーが行った後には忠子の携帯とID が落ちていました。
入れ違いに大輔は蜂須賀の事務所を襲撃。
代紋を窓から投げ捨て、さらに窓から逃げて蜂須賀にぶつかってしまいます。
府庁から大阪城を見る旭。
旭と合流した松平に、真田から忠子が茶子を連れ去ったという連絡が入ります。
我々は立ち上がる、と言って電話を切る真田。
大阪城が赤く染まります。
それを見た居酒屋の女将は慌ててひょうたんを吊るし、それを見た客たちも慌ててひょうたんを持って店を出ます。
ひょうたんに慌てる男達は、次々と府庁前に集まってきます。
襲撃の件で警察に捕まった大輔、しかし警察もひょうたんが置かれ騒ぎになっています。
大輔がいる取調室にもひょうたんが持ってこられ、それを見るなり飛び出す刑事。
やがて大阪の街は空っぽになりました。
大阪府庁、うすら笑いで窓の外を見下ろす旭。
松平は朝のOJOからの電話が誰だと思うか尋ねます。
OJOの職員で知っているのは長曽我部だけのはず。
それなのに旭は真田と言いました。
真田とOJOのつながりを知っていた旭、赤い大阪城が見たかったと言います。
実は旭も大阪国の人間だったのです。
旭は松平に気付かせるためOJOを検査対象にし、松平の携帯をOJOに置いてきました。
旭は真田に国を任せられない、独立させたいと言い、会計検査院にOJOを指摘させ大阪国を日本中に知らせようとしていたのです。
しかし、旭も王女が誰かを知りません。
誰もいない警察を抜け出した大輔。
その頃、ホテルでは茶子が忠子に大輔が昔から女の子になりたかった事を話します。
大輔のことが好きなんだという忠子に男とか女とか関係ないという茶子。
ふと外を見た茶子、大阪城の異変に気付きます。
会計検査院として大阪国を認められないという松平、府庁前に集まった男たちからのブーイングが響きます。
そして35年前にも同じことがあったという松平、長曽我部は記録がないのにと驚きます。
記録が無くても松平は記憶していました。
松平の亡くなった父親も大阪出身で、松平は35年前に赤くなった大阪城を見ていたのです。
5億円を不適切な出費として公表するという松平。
真田は正式に許可を受けていると言いますが、会計監査院には関係ないと言います。
そもそもなぜたった一度あの道を歩いただけでこんなにも大阪国の存在が信じられるのかわからないという松平。
真田は自分達が守っているのは豊臣家の末裔だけじゃないと言います。
大阪国民になれるのは元服を迎えた14歳以上、そして父親が死んでいるという条件があります。
大阪国のことを知らされるのは父親が死ぬ間際であり、死期を悟った父が子供をあの秘密の通路を通りながら真実を伝えるのです。
だから信じられるという真田。
人混みに大輔がやってきました。
状況をよくわかっていない忠子と茶子も到着します。
出て行けという大輔の声を皮切りに、男たちは大阪国を認めない松平に向かって物を投げだします。
そしてついに松平に銃を向ける男が・・・
「プリンセス トヨトミ」最後ラストの結末は?
撃たれ意識朦朧とした松平。
意識が薄れゆく意識の中、松平は死ぬ前に父から来た電話を思い出しました。
しかし、仕事が忙しい松平は死期を感じた父からの電話を冷たくあしらいました。
病院から電話をかけた父でしたが、ふたりが話すことなく亡くなったのでした。
松平の意識回復を待つ大輔と茶子。
これからを不安がる大輔に真田は覚悟があるならお前はお前の道を行け、だが王女のことは守れと言います。
無事、病室で目を覚ました松平。
松平に怪我をさせたことを詫びる真田、今後のことを話す真田にOJOの検査に何の問題もなかったという松平。
土曜日。
松平は長曽我部から鍵を借り、議事堂へ向かう扉を開けます。
その向こうに亡き父の姿を見た松平、父の幻影と共に議事堂へ向かいます。
松平に謝る旭、辞めるという旭に松平はその必要はないと言います。
帰りの新幹線、松平は富士山に不思議な十字架を見ます。
行きの忠子の話を思い出した松平はふたりに声をかけますが、忠子も旭も寝ていました。
完。
「プリンセス トヨトミ」見どころ
大阪は実は独立した国だった、と言いう奇想天外なストーリー。
主演は堤真一さんですが、綾瀬はるかさん演じるミラクル鳥居こと忠子や大阪国首相である真田を演じた中井貴一さんの演技も素晴らしい作品です。
常識では考えられない「大阪国」の存在。
そんな奇想天外な事実を信じられるのも父の最後の言葉だから。
2011年の作品という事でジェンダーに関する問題は今以上にデリケートですが、性別にとらわれずその道を応援する父親の姿はステキです。
原作は万城目学さん。
日常と非日常をミックスさせた作品が多い作家です。
同じく万城目さん原作の映画「偉大なる、しゅらるぼん」には旭・ゲーンズブールを演じた岡田将生さんが登場します。
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