映画「ズートピア」は、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオによる、2016年のアメリカアニメ映画です。
そんな、映画「ズートピア」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。
「ズートピア」は、全世界興行収入2位を記録した大ヒット作です。
日本での最終興行成績も76億円と大ヒットしました。
■ スタッフ
監督: リッチ・ムーア、バイロン・ハワード、ジャレド・ブッシュ(共同監督)
製作: クラーク・スペンサー
製作総指揮 : ジョン・ラセター
脚本: ジャレッド・ブッシュ、フィル・ジョンストン
音楽: マイケル・ジアッチーノ
「ズートピア」あらすじ
遠い昔、肉食動物と草食動物は捕食者とその餌、という構図を覆し、進化した動物たちは今、肉食・草食関係なく一緒に仲良く暮らしています。
これにより子供たちの夢も多種多様に・・・。
ウザギのジュディは世界をより良くするために警察官になりたい女の子。
うさぎのくせに警察官なんて―――周りからそう言われ続けながらも努力を続け、遂に警察官となったジュディ。
しかしやっとの思いで警察学校を卒業したけれど、配属された第一分署では交通違反の取り締まりしかさせて貰えない日々・・・。
そんな時、肉食動物ばかりが姿を消してしまう事件が発生して―――。
この物語はうさぎのジュディと詐欺師のキツネ・ニックのコンビが事件を解決するまでの奮闘ぶりを描きます。
「ズートピア」ネタバレ
張り切って出勤したジュディですが、警察官は基本的に大型動物ばかり・・・。
すぐに辞めるだろう、と仲間に紹介さえしてくれないボゴ署長は、ジュディに駐車違反の指示を出したのみ。
警察学校ではトップの成績を誇るジュディが14件も起きている誘拐事件捜査の仕事をさせて欲しいと頼み込んでも、彼はそれほど優秀なら一日100件の取締も簡単だろう、と取り合ってくれないのでした。
見返してやろうと昼までに200件の取り締まりを終えたジュディが見たのは、アイスクリーム屋に入っていくキツネ・ニックの姿でした。
実はウサギであるジュディ達にとってキツネは天敵。
彼女の両親もそれを心配してキツネ避けのスプレーなどを持たせたくらいです。
キツネと見るとロクなことをしないんじゃないか?との固定観念に囚われたジュディは彼を追って店に入ります。
しかしキツネはどの動物からも嫌われている様子。
店主の象は彼にアイスを売るつもりがないようなのです。
子供のために、とわざわざ買いにきたニックを、機転を効かせて助けたジュディ。
彼女は財布を忘れたという彼らの分のアイスを買ってプレゼントしてあげたのでした。
ところがそのすぐあとで見かけたニックは、屋根で溶かしたアイスを持って冬の街に行き、足跡に流し込んで小さなアイスキャンディーを作っていたのでした。
固まったそれを持ってネズミの大群に売りさばき、彼らが食べたアイスの棒は建築現場の資材として売ったのです。
そればかりか、ニックが連れていた子供は種類違いの大人の狐・・・。
すべてを見ていたジュディが咎めても、プロの詐欺師だと自負するニックはどこ吹く風。
彼の言葉には全く付け入る隙がないのでした。
疲れきって帰宅し、薄汚れた部屋にやかましい隣人にうんざりしながらも繰り返されるのは駐車違反取締りの日々。
少しずつ元気をなくしてしまっていたジュディですが、そんな彼女の前に泥棒被害を訴える店主が。
張り切って泥棒イタチを追って辿り着いたのは小動物の街です。
そこで好き放題暴れるイタチからトガリネズミを救ったジュディは、最後にイタチを捕まえるもその功績をボゴ署長は認めてくれません。
枯れた玉ねぎを盗んだイタチを捕まえたことより、持ち場を離れ支持に従わなかったことが問題のようでした。
ジュディが叱責されているその部屋へ、主人がいなくなって10日というカワウソの奥さんが飛び込んできました。
しかし人手が足りない、というボゴ署長。
そこへ割り込む形で捜査を認めてもらったジュディでしたが、タイムリミットは48時間と短い上に解決できなければ解雇という厳しい条件がついています。
証拠も捜査資料も薄っぺらなオッタートン誘拐事件。
しかしジュディは数少ない証拠を見つけます。
写真のオッタートンが持っていたアイスキャンディはニックのものだったのです。
彼に会いに行き証言を得ようとするもまるで協力する気のないニック。
12の年から今まで一人で稼いで生きてきたというニックから警察への協力など得られそうにありません。
しかしジュディは気付いていたのです。
悪知恵を働かせて荒稼ぎするニックが一度も税金を収めたことがないことを・・・。
彼の話を人参ペンに録音していた彼女はそれを取引材料にして協力を無理やり取り付けたのでした。
ニックが案内してくれたのはオッタートンがよく来ていたというお店。
そこで得た情報によると、オッタートンは白い車に乗って行ったこと、その車のナンバーまで聞き出した彼女たちは、免許センターへ向かいます。
そこでナンバーから車の特定を、と目論んだジュディですが、職員はナマケモノばかり。
動きがとてもスローな彼らの仕事により、車が分かったころにはすっかり日が暮れてしまいました。
それでも調べ上げた車のある場所、ツンドラタウンへ向かったジュディ達。
そこで見つけた車は車内が爪痕で傷だらけです。
この車の持ち主はツンドラタウンの裏のボス・ミスタービッグ。
手下のホッキョクグマたちに連れて行かれた屋敷で、あわや氷漬けの目に合うかと思われたその時、彼女たちを救ってくれたのはジュディがイタチの狼藉から救ったトガリネズミでした。
彼女はビッグの娘だったのです。
娘の訴えもあり、命拾いしたジュディたちは、オッタートンから相談があるといって迎えに行ったにもかかわらず、急に車内で暴れだした彼が運転手・マンチャスを傷つけて逃げていったと言う情報を得ました。
そこでジャガーのマンチャスを訪ねたジュディとニック。
そこでオッタートンは夜の遠吠えと叫びながら逃げ出していった、と話すマンチャスでしたが、突然そう話していた彼までもが急に暴れだし襲いかかってきたのです。
まるで野生の本能むき出しで襲い来るマンチャスから逃げながら警察署に連絡を入れるジュディ。
なんとかマンチャスに手錠をかけたことで逃げ出したジュディでしたが、連絡を受けて駆けつけたボゴ所長に彼を会わせることができませんでした。
彼はいつの間にか姿を消していたのです。
憤り、ジュディの解雇を命じる署長ですが、それを救ってくれたのはニックでした。
48時間までまだ時間が残ってるという彼に促されて所長の前を後にします。
かつては一生懸命な少年だったニックは、幼い頃の思い出を話し始めました。
ボーイスカウトに入りたくて、母親が工面してくれた制服を着られた日、しかし肉食動物がほかにいなかったこと、そして自分がキツネであることから仲間として迎え入れて貰えなかったこと・・・そうして彼が得た教訓は、何があっても傷つかないこと、そして世界がキツネを敵視するなら何をしても無駄だ、というもの。
そんな悲しい思い出を聞いたジュディは話してくれてありがとう、と呟くのでした。
その時、交通カメラの存在に気付いたニック。
それを使えばマンチャスの行き先が分かるはず・・・そう閃いた二人は副市長の羊・ベルウェザーに協力を要請します。
小さな草食動物であるジュディが警察官になったことを喜んでくれていた彼女なら協力してくれると踏んだのです。
交通カメラを見たことで、マンチャスがオオカミに連れ去られてことを掴んだジュディ達は、車が辿り着いた街の外れへと向かいます。
遠吠えをするオオカミ達を見て、マンチャスが恐れていた夜の遠吠えの正体が狼だと掴んだ二人が忍び込んだのは、元病院を改装した施設のようでした。
忍び込んだ先には捕らえられた動物たち。
どの動物も野生に戻ったように牙を向き、マンチャスだけでなくオッタートンも見つけますが、しかし彼らに言葉は通じません。
行方不明事件の動物たちが全部ここに居ることに気付いたジュディですが、そこへ現れたのは市長のライオンハートです。
急いで隠れたジュディたちは、彼らを攫ってきた張本人がライオンハートだということを知りました。
本能を取り戻したのが肉食動物ばかりだということに危機感を募らせた彼にとって、市民から危険だと認知されることが自身の立場を危うくすると思っているようなのです。
署長への連絡によりライオンハートを逮捕、誘拐事件の被害者たちの奪還に成功したジュディは、功労者として記者会見の場に立つ事になりました。
一緒に解決したんだから共に壇上に、というも自分は警察官じゃない、というニック。
そんな彼に、自分の相棒になって欲しい、とジュディは警察官への応募用紙を手渡します。
二人の間に温かな友情が流れた瞬間でした。
しかしその後の記者会見で、肉食動物のみが凶暴になったこと、DNAの関係により何千年も前の肉食動物は動物を襲っていたこと、など肉食動物は凶暴になるかもしれない、と言ってしまったジュディ。
悪気なく事実を述べたジュディでしたが、ニックは憤慨しています。
俺が怖いか?と聞くニック。
一瞬怯えたジュディは腰につけていたキツネ避けに手をかけようとしてしまします。
ニックは、肉食動物を相棒にするのはやめたほうがいい、とその場を立ち去ってしまいました。
その後のズートピアは大荒れです。
凶暴になる肉食獣や被害に遭う草食獣、一般動物の間にも諍いが絶えません。
一方ジュディは、新市長となったベルウェザーから警察の広告になって欲しいと打診されました。
しかし世界をより良くするために警察官になったのに、ズートピアを壊してしまったと後悔するジュディは結局田舎に帰ってしまったのでした。
人参作りに勤しむ両親は優しく迎えてくれました。
一緒に人参売りをしていたジュディでしたが、父親の一言で事件の真相をつかみます。
父親が虫除けのために植えていた植物、その名も夜の遠吠えは、それを食べて凶暴になったウサギがいたというのです。
肉食動物が凶暴になったのはこの花のせいだと掴んだジュディは晴れやかな顔をして大急ぎで車を走らせます。
そしてそのまま仲違いしたままのニックのもとへ・・・。
事件の真相を伝え、泣きながら謝罪するジュディ。
ここに名コンビ復活です。
「ズートピア」最後のラスト結末
二人はあの泥棒イタチの元を訪れました。
彼が盗んでいたのは枯れた玉ねぎではなく夜の遠吠えだったのです。
夜の遠吠えを高く買い取ってくれる羊がいるという彼からその秘密の場所を聞き出したジュディ達は、そこで見たのです。
買い占められた夜の遠吠えを絞り、銃弾を作っている羊の姿を・・・。
彼らはそれで肉食動物を撃つことによって被害者たちを凶暴化させていたのでした。
ジュディは証拠を持っていくために羊を突き飛ばし部屋から追い出すと、操作し始めました。
この秘密の場所は古びた電車だったのです。
動き出した電車を追って羊たちが襲いかかってきます。
なんとか振り切った彼らでしたが、スピードの出過ぎた電車は脱線、炎上して夜の遠吠えもろとも爆発してしまいました。
しかしニックが持ち出していたのです。
銃弾化された夜の遠吠えを。
博物館を抜けて警察署を目指すジュディたちですが、途中その中でメルウェザーに声をかけられました。
彼女が事件の真犯人だったのです。
いつも低く見られてきちんと評価されないことに不満を抱いていた彼女は、ズートピアを支配するために肉食動物を悪者にしたかったのでした。
必死で逃げるジュディとニックでしたが、ついには夜の遠吠えの入ったトランクを奪われてしまいます。
そして迷うことなくニックを撃ったメルウェザー。
命中したニックは豹変しジュディに襲い掛かります。
その間も事件の狙いを語り続けるメルウェザー。
いよいよ追い詰められたジュディ!危ない!と思った瞬間三文芝居を始めた彼ら。
ニックは夜の遠吠えをブルーベリーに差し替えていたのです。
そして独白を人参ペンに録音されていたメルウェザーは逮捕され、事件は無事解決。
夜の遠吠えによって凶暴になっていたオッタートンも治療法が見つかった事で正気を取り戻しました。
ジュディは今も警察官を続けています。
彼女の相棒はニック。
彼らは名コンビとして今日も仕事に勤しんでいるのです。
スピード違反ナマケモノの車を追って捕まえてみたり、ね。
THE END
「ズートピア」見所ポイント!
物語が細部までよく考えられているなぁと思います。
大きな動物から小さな動物、そしてそれぞれの特性をよく拾い上げ、それらが同じ都市で暮らすことを設定されたズートピアは究極のバリアフリー都市のようにも感じました。
しかし動物の平等を謳う街にさえ差別されるキツネがいたり・・・
こんなにもファンタジーな世界に、我々人間が抱える普遍的な問題がうまく組み込まれているのも素晴らしいと思います。
その細やかさに加えてところどころ【ミッション・インポッシブル】や【スピード】をパロッたようなシーンが見られたり、ディズニーキャラクターやミッキーがあちこちに隠れていたりと、何度でも見たくなる工夫が細部まで凝らされた作品でした。
謎解きもおもしろく年齢層なく楽しめる作品になっています。