映画「ワイルド・ストーム」は、トビー・ケベル主演、ロブ・コーエン監督の2018年の映画です。
そんな映画「ワイルド・ストーム」のネタバレやあらすじ、最後ラストの結末、見どころについて紹介します。
「ワイルド・ストーム」の迫る超巨大ハリケーンと大金強奪阻止のスリリングなアクションをお楽しみください。
「ワイルド・ストーム」あらすじ
アメリカ西海岸にカテゴリー5の巨大ハリケーンが迫り、住民たちは避難します。
そんな混乱に乗じて武装集団が財務省の紙幣処理施設から6億ドルを強奪しようとしていました。
施設のセキュリティを担当するケーシー(マギー・グレイス)は、気象学者・ウィル(トビー・ケベル)の手を借りることに。
彼らは巨大ハリケーンに加え、武装集団とも戦うことになるのですが・・・
「ワイルド・ストーム」ネタバレ
1992年、兄 ブリーズ・ラトレッジと弟 ウイル・ラトレッジは父親と共に最大級のハリケーン“アンドリュー”から車で逃げていました。
時速130キロで突っ走っていますが、アンドリューはすぐ後ろに迫っていました。
「ブリーズがいけないんだ。いつまでも凧で遊んでるから」
ウイルは文句を言いますが父親にたしなめられます。
そのとき、道端の木が倒れてきて、車はそれをよけようとして道を逸れ、くぼみに引っかかって動かなくなってしまいます。
兄弟は近くの家に逃げ込みますが、外で車をくぼみから出そうとしていた父親は風邪で飛ばされてきた倉庫に潰されて亡くなってしまいます。
兄弟が隠れていた家も風でドンドン崩れてゆき、倒れ始めます。
剥がれた壁から見えるハリケーンの雲は一瞬どくろの様になり、兄弟は死ぬかもしれない恐怖を味わいます。
25年が経ち、ウイル(トビー・ケベル)は気象学者になっていました。
今世紀最大と言われるハリケーン“タミー”が迫っており、彼は観測のため、ハリケーン観測用に様々な機能を積んだ特殊車両“ドミネーター”に乗って、久しぶりに故郷のアラバマ州ガルフポートに向かいます。
その頃、タミーの接近に伴い、町の保安官 ジミー・ディクソン(ベン・クロス)は部下達を集め、住民を避難させていました。
「アンドリューの時の様にはさせない。死者は一人も出すな!」
全住民の避難が終わったら、町は彼らによって封鎖される予定です。
同じ頃、狭い道で交通事故が起き、大型トラックが何台も立ち往生していました。
先頭のトラックに乗っているのは財務省の職員ケイシー(マギー・グレイス)が同僚のコナー(ラルフ・アイネソン)。
彼らは古くなって回収された紙幣を運んでいました。
集められた紙幣は、これから財務局の施設に持ち込まれ、シュレッダーで裁断されるのです。
ハリケーンが迫る中、時間が無くなってきましたが通行は出来ないままです。
業を煮やしたケイシーはコナーと運転を交代し、無線で後続車に「ついてきて!」と連絡すると、ハンドルを切って路肩を進み始めました。
隣であきれ顔のコナーをよそに、そのまま畑のなかを突っ切って目的地に向かったのでした。
ケイシーの大胆な行動のおかげで、トラックはハリケーンが来る前に財務局に到着できました。
しかし、古紙幣を裁断するシュレッダーは故障しており、大量の紙幣は保管庫に入れられることになりました。
保管庫の暗証番号を管理するのもケイシーの役目です。タブレットで確実にロックを掛けました。
その頃、シュレッダー修理の為に外部の業者 フレアーズ(エド・パーチ)とキャシー(メリッサ・ボローナ)が呼ばれていました。
二人はラップトップを立ち上げ、すぐに作業に入りました。
そして、発電機も故障していました。
故障した場合の連絡先は「ラトレッジ修理店」。
電話をしますが繋がりませんでした。
仕方なく、ケイシーが車で修理してくれる人間を迎えに行く事にします。
念の為、出発前に保管庫の暗証番号をリセットし直し、ケイシーは修理店に向かいます。
町に戻って来たウイルも「ラトレッジ修理店」にやって来ました。
経営者は兄 ブリーズ(ライアン・クワンテン)だからです。
酔って寝ていたらしきブリーズを叩き起こし、ハリケーンが近づいているから一緒に逃げようと言います。
ブリーズは地元のアメフトチームでプレーしますが長くは続かず、軍隊に入って海外での任務を経験しても心の隙間は埋まりませんでした。
ウイルはこれまでも再三この街を出て行きあたりばったりの人生をやり直すよう提案していましたが、ブリーズは無視し続けていました。
今回も、最初は心配してやってきたウイルの申し出を断り町に残ると言いますが、ウイルも引き下がる事なく説得し、取り敢えず窓を塞ごうという事になります。
一方、町はずれのアンテナに何か細工をしている一団がいました。
ハッキングによりアンテナを勝手にコントロールできるようにしているようです。
そして、財務局の門の前に不審な車がやって来ました。
修理の業者だから中に入れて欲しいと頼みますが、特別警戒中だから許可できないと断られます。
すると、車内から武装した数人が飛び出してきて守衛たちを麻酔銃で眠らせて抵抗できなくします。
そして、中から門が開けられ、武装集団は施設内に入ってゆきました。
財務局内でも異変が起きていました。
コナーが施設の警備員たちに銃を向け、次々と眠らせて倉庫に閉じ込めて行ったのです。
実はシュレッダーを修理すると言ってやってきたフレアーズとキャシーはコナーの仲間の凄腕ハッカーで、施設のセキュリティは彼らにハッキングされて完全に乗っ取られていました。
そして、コナー達は施設の責任者であるランディ・モレノ(クリスチャン・コントレラス)を脅して保管庫を開けさせようとします。
しかし、事前に入手していた暗証番号は無効化され、新しい番号はケイシーしか知らない事が分かって慌てだします。
二人が窓を塞ぐ作業をしていると、ブリーズを呼びにケイシーがやって来ます。
急いでいるという事で、ブリーズは財務局へ向かい、ウイルは作業を続けることにしました。
何も知らずに財務局に戻って来たケイシーでしたが、襲撃の痕跡に気付いて警戒しながら施設に入って行きます。
しかし、すぐに銃を突きつけられて降伏するように言われます。
そこに車でブリーズが飛び込んできて、そのままケイシー乗せて逃げようとしまうが車止めに阻まれて車は大破してしまいます。
ケイシーは車から降りて逃げ出し、ブリーズは武装集団に捕まります。
ケイシーは町の広場に追い詰められて、そこで銃撃戦になります。
もう少しで捕まるというところで、ドミネーターにのったウイルが通りかかり、ケイシーを助け出します。
車内でケイシーからブリーズが捕まった事を聞き、助けを呼ぼうとしますが衛星通信は逃げるときの銃撃戦で壊されて使えませんでした。
仕方なく、町の保安官事務所に向かいます。
事情を聴いた後、ディクソン保安官は徐に銃を取り出し、ケイシーとウイルに突きつけます。
彼も武装集団の仲間だったのです。
ディクソンはコナーと連絡を取り「女か生かして連れてこい。仲間を迎えをやる。男は好きにして良い」言われます。
しかし、隙をついてケイシーに反撃され、コナーの仲間がやってくる寸前に逃げられてしまいます。
ドミネーターに乗り込んで逃げ出した二人を保安官とコナーの仲間が追いかけてきました。
そこでウイルは一計を案じます。
すぐにケイシーにシートベルトをさせ、自分も体を固定します。
そして、スピードを出して十分に相手を引き付け、いきなり止まってドミネーターのアンカーを作動させました。
視界不良の嵐の中、追っ手は止まり切れずにドミネーターに衝突します。
観測用で特別に装甲が厚いドミネーターにぶつかり、普通の乗用車に乗っていた追っ手はひとたまりもなく大破してしまいました。
ケイシーは負傷して動けない追っ手から無線を奪って逃げだしました。
これで相手の動きが分かるようになりました。
ここでケイシーは、財務局の電話が不通になっていたのに保安官達は普通に電話で来ていた事を不審に思います。
それを聞いて、ウイルは「連中は自分達ように衛星の専用回線を用意しているんだろう」と予測を立てます。
ならば町の通信タワーに細工をしている筈です。
ガルフポートの街にある通信タワーは3本だけ。
ドミネーターの通信機器を使って連中が利用しているタワーを割り出せました。
タワーを使えなくするため、ドミネーターのウィンチを巻き付けて引き倒す作戦に出ます。
ウイルがタワーに登って作業をしていると、保安官とコナーや仲間達が車を乗り変えてやって来ました。
銃撃戦になりながらもケイシーはウィンチを作動させ、タワーを倒す事に成功します。
財務局では二人のハッカーが暗証番号を解読しようとしていましたが、あと一歩のところで通信が遮断されPCはフリーズしてしまいます。
タワーを倒したウイルとケイシーは逃げようとしまうが、追っ手はまだやって来ます。
その時、ウイルは車の修理工場にある大量のホイールカバーに目を付けます。
カバーを次々に放り投げると、強風に乗って追っ手に手裏剣のように襲い掛かってゆきます。
堪らず追っ手は撤退し、その隙にウイルとケイシーはその場から逃げ出しました。
その頃、発電機を直して監視を油断させたブリーズは、倉庫に閉じ込められている警備員達を助けようとしますが、感づかれて阻止されてしまいます。
逃げる途中のウイルは暗証番号を渡せば事は終わると言いますが、金が手に入れば邪魔な人質は用済みで殺される、対抗した方が人質も安全だと主張します。
財務局内では、思いがけないウイルの反抗で負傷をし、コナーの事を信用できなくなったディクソン保安官が、主導権を握ろうとコナーに銃を突きつけます。
しかしあっさり返り討ちで殺され、保安官の部下達は一人あたり2000万ドルの分け前を貰うという条件でコナーに協力を約束します。
その時、ケイシーがコナーに無線で「モールにいる」と伝えて保管庫を開ける代わりに人質を解放してほしいと交渉を始めます。
まずモレノとブリーズを開放して、引き換えに保管庫が開ける。
そしたら全員を解放するという事で話がまとまりました。
無線に出たブリーズはウイルに
「自分の身を守れ。どうせ俺は殺される」と言いますが、ウイルは「いいから、任せとけ」と安心させます。
暫くして、コナーの部下がブリーズに銃を突きつけながらモール内に入ってきました。
彼らは「ケイシーを出せ」と叫び続けていました。
別の場所にいるのか、モレノの姿は見えませんでした。
「よし、今だ!」
それが作戦開始の合図でした。
ケイシーが物陰から飛び出してきて、天井のガラスを照明弾で打ち抜きました。
上空には今世紀最大規模に成長した低気圧“タミー”がいました。
撃ち抜いた瞬間に天井は吹き飛び、気圧差で建物内に竜巻が発生して人間達も次々に放り出されて行きました。
ブリーズは隙をついて逃げ出しました。
ケイシーとウイルはあらかじめハーネスで体を固定しており、吹き飛ばされはしたものの叩きつけられる事はありませんでした。
やがて竜巻が収まり、ケイシーとウイルはブリーズを探して修理店に戻ってきました。
ブリーズの姿はありませんでしたが、二人は人心地ついて次の作戦を考え始めました。
ウイルの予想では、もう暫くするとガルポートの町は台風の目に入る筈です。
コナー達はそのタイミングで町から逃げ出し、タミーと共に移動して姿をくらますのではないかと二人は読みました。
二人は先手を打って、彼らが逃げ出す道の途中に爆弾を仕掛けて妨害しようとします。
そして、爆弾の原料となるアンモニアと軽油と堆肥を調達しに園芸店に忍び込みました。
しかし、そこへコナーの部下達もやって来てしまいます。
銃で狙われて絶体絶命となった時、突然ケイシーが「逃げて!」と叫びました。
嵐の影響で津波が発生し、大量の海水が店に流れ込んできたのです。
二人も流されて離れ離れになり、ケイシーは様子を見にやって来たコナーに捕らわれてしまいました。
ウイルは流されて道端に打上げられていたドミネーターによじ登っていると、小型ボートに乗ったブリーズが助けに来てくれました。
一方、財務局に連れてこられたケイシーは保管庫を開けるよう強要されます。
最初は拒否していましたが「言う事を聞かなければ、モレノをシュレッダーで裁断する」と脅されて渋々保管庫を開きます。
しかし、ここまで散々引っ掻き回された腹いせに「これは報いだ」と、コナーはモレノをためらいもなく撃ち殺してしまいます。
そして、ショックに打ちひしがれるケイシーを連れて札束を積み込んだトラックに乗り込みます。
その頃、修理店に戻ったブリーズとウイルは、ブリーズが隠し持っていた武器を持ち出してケイシー救出に向かいます。
やがて、町が台風の目に入り嵐が収まりました。
ウイルの読み通り財務局から出てくるコナー達の姿を確認し、地の利を生かして先回りをします。
その道中、ウイルは父親が死んだときにブリーズを非難した事を謝り、ブリーズもいい兄貴として接しなかった事を謝って25年ぶりに和解します。
「ワイルド・ストーム」最後ラストの結末
その頃、コナー達はメキシコに向けてタミーと同じ速度で進んでいました。
ブリーズとウイルは後ろから近づいて飛び移り、フレアーズとキャシーのハッカーカップルが運転する最後尾のトラックを乗っ取りました。
また、ケイシーが乗ったトラック内では、幾ら脅しても屈しないケイシーの態度に腹を立てて男が襲い掛かってきました。
組み伏せられそうになりますが、寸での所で銃を奪って男を射殺し、トラックを制圧しました。
残るはコナーと現金を積んだトラックです。
ウイルとブリーズはそれぞれコナーのトラックの脇に行き、ウイルの「レッド・ドックオマハ 22!」と声を上げます。
それは兄弟2人にだけ通じる合言葉で、二人はコナーのトラックに左右から張り付いて体当たりを何度も食らわせました。
その内、コナーのトラックのコンテナが吹っ飛び、異変に気付きます。
コナーは気づかない内に進路を変えられ、気が付くと台風の目が終わる暴風域「アイ・ウオール」に突っ込まされていたのです。
せっかく奪った金は風で散り散りになり「チクショー!」と悔しがっている所へ、風で飛ばされてきた車が上から降って来て、コナーはトラックごと潰されてしまいました。
コナーの強奪計画は阻止したもののブリーズもアイ・ウールに吸い込まれそうになっていました。
近づいてきたウイルのトラックに、まずブリーズが飛び移りました。
次にハッカーカップルのフレアーズとキャシーが飛び移ろうとしますが、間に合わずにトラックごと竜巻に飲み込まれてしまいました。
生き残ったブリーズ、ウイル、ケイシーはアクセル全開で車を走らせ、何とか竜巻に捕まらずに逃げ切りました。
そのままワシントンに向かおうとしますが、ケイシーが「後ろには2億ドルがあるんだし、3人で引き返してメキシコに逃げない?」と言いだします。
ウイルが返答に詰まっていると「冗談よ」と笑顔になり、やっと安堵した3人は心の底から笑ったのでした。
THE END
「ワイルド・ストーム」見どころ
嵐が近づく小さな町・ガルポートを舞台に、現金強奪計画に巻き込まれて完全武装の集団と渡り合う兄弟と女性連邦職員の活躍を描いたパニック・アクションです。
迫りくる巨大台風「タミー」も恐ろしいですが、本来なら犯罪者から守るはずの警備員や保安官達が大金に目がくらんでそれを強奪しようともくろむ心の闇の方が恐ろしく思えました。
最初は怪我人や死人が出ないように配慮していましたが、ケイシーやウイルのせいで計画が狂ってくると殺人や仲間割れも辞さなくなってきます。
対して、仲間と職務を大事に思うケイシーの心意気と、気象学者らしく悪天候を利用して武装団を翻弄するウイルの機転や武装団に捕えられた兄 ブリーズの心配をいつもしている心の優しさが素晴らしかったです。
巨大台風は、時には力強い味方になる事もあれば、ウイルやケイシーたちに襲い掛かる事もありました。
自然の驚異のダイナミックさをリアルに作り出した特殊効果の凄さも見どころの一つでした。
迫りくる台風と武装集団の現金強奪計画、先の見えないストーリー展開でドキドキさせてくれるアクション映画でした。
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