「新聞記者」ネタバレ!あらすじやラスト最後の結末と見どころ!

映画「新聞記者」ネタバレ あらすじ
ミステリー/サスペンス

映画「新聞記者」は、シム・ウンギョン、松坂桃李主演、藤井道人監督の2019年の日本映画です。

この映画「新聞記者」のネタバレ、あらすじやラスト最後の結末、見どころ、ラストのセリフを紹介します。

官邸とメディアの深い闇をリアルに描いた「新聞記者」をお楽しみください。

 

「新聞記者」キャスト・スタッフ

■ スタッフ
監督: 藤井道人
制作: 高石明彦
製作総指揮: 河村光庸他
音楽: 岩代太郎
脚本: 詩森ろば他
撮影:今村圭佑

■ 主要キャスト
吉岡エリカ:シム・ウンギョン
杉原拓海:松坂桃李
杉原奈津美:本田翼
倉持大輔:岡山天音
関戸保:郭智博
河合真人:長田成哉
神崎千佳:宮野陽名
都築亮一:高橋努
神崎伸子:西田尚美
神崎俊尚:高橋和也
陣野和正:北村有起哉
多田智也:田中哲司

 

「新聞記者」あらすじ

若手女性記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)は、医療系大学新設計画に関する調査を始めます。

そして、内閣府の神崎(高橋和也)という人物が浮上してきますが、その神崎は自殺してしまいます。

神崎は、内閣情報調査室の官僚・杉原(松坂桃李)の元上司でした。

真実に迫ろうともがく吉岡と、政権の暗部に気づき選択を迫られる杉原。

立場の違いを超えて調査を進める2人の前に、ある事実が明らかになります・・・

 

「新聞記者」ネタバレ

ある日、東都新聞あてに匿名FAXが送られてきます。

それは医療系大学施設建設に関する極秘書類で、その中の一枚には目を黒く塗りつぶした奇妙な羊が描かれていました。

編集長・陣野(北村有起哉)から資料の調査を命じられた記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)はその施設の認可が厚生省や文部省ではなく内閣府である事に疑問をもちます。

 
一方、内閣情報調査室の若手エリート官僚・杉原拓海(松坂桃李)は、自分の仕事に疑問と罪悪感を持ち始めていました。

彼は上司の多田(田中哲司)の指示で、現政権に不都合な人間を社会的に抹殺するようSNSを使った情報操作を主に行っていました。

しかし、首相と懇意にしているジャーナリストが起こしたレイプ事件をもみ消す為に、勇気を出して顔や実名を出して記者会見まで行った女性被害者を対立政党の回し者で、ハニートラップを仕掛けたかのように仕立て上げるなど、罪の無い人間を陥れるような裏工作ばかりだったからです。

しかし、出産間近の妻との暮らしを守る為に仕事を辞めるわけにはいかない状況でした。

しかも、女性がハニートラップを仕掛けたとでっちあげる為のフローチャート図が何故か外部に流出して週刊誌に載ってしまい、多田から激しく叱責されます。

杉原は指示通りの人物に渡しただけで納得いかないものの、反論する術もなくモヤモヤした気持ちを抱えていました。

 
そんな時、外交官として北京大使館時代に駐在していた時の上司・神崎(高橋和也)から誘われ料亭で会食をします。

5年前、外務省内での書類偽造が発覚した時に庇ってくれた恩人で、尊敬し目標としていた上司との再会にすっかり上機嫌の杉原でしたが、神崎は何故か浮かない顔をしていました。

珍しく深酒をして酔いつぶれた神崎は、家まで送ってくれた杉原に対して「実は5年前は、一人で責任を被ったら面倒を見てやると言われたんだ」と言い、「俺のようにはなるなよ」と自嘲気味につぶやきました。

 
次の日、杉原は神崎が飛び降り自殺をしたと知って愕然とします。

慌てて駆け付けた葬儀が一段落したとき、杉原は妻から何度も連絡があったことに気が付き、あわてて病院に駆けつけました。

妻が家で破水し、病院に運ばれましたが、今は母子ともに命に別状はないということでした。

杉原はほっとすると同時に、悔恨の念にとらわれました。

そして東都新聞の吉岡エリカも神崎の死に衝撃を受けていました。

吉岡は送られてきたFAXを取材を基に重ね、大学新設計画に関する極秘情報を送ってきたのは神埼だったのではないかという結論に達していたのです。

 
神崎の死をきっかけとして吉岡と知り合った杉原も、神崎の死の裏にまだ明らかになっていない何かがあると感じ、神崎の周囲を探り始めます。

そして、5年前の事件後に神崎が外務省から内閣府に異動となり、新潟に作られるはずだった医療系大学院とその施設の建設認可に携わっていた事を知ります。

神崎はその施設の認可を認めませんでした。

しかし、神崎が死んだのと同時に計画が設置場所を変えて再び進行中である事も分かりました。

 
一方、吉岡は、編集長から大学新設問題を報道する事に圧力がかかっていると聞かされます。

しかし吉岡は「だからやめろと言うんですか?」と反発し、逆に真相を追及する意思をより一層強くしたのでした。

そこには、かつて優秀なジャーナリストとして名を馳せながら、スクープ記事で誤報を出してしまった事が原因で自殺した父への想いがありました。

尊敬する父と同じ道を選んだ以上、権力に屈するような仕事はできないと吉岡は思っていたのです。

 
吉岡は再び杉原に接触します。

神崎の死は、大学新設を止めたかったことと関係しているのではないか、そして新しく立ち上がったという新設大学に関する別の資料を持っているのではないかと二人は考えます。

その資料を探すため、二人は神崎の家に向かいます。

出迎えてくれた神崎の夫人(西田直美)に事情を説明した後、吉岡が以前にFaxで送られてきた羊の絵を見せました。

妻はそれを見て、一冊のスケッチブックを出してきました。

子供のお絵かき帳ですが、その中にFaxそっくりの羊が描かれていました。

「それは主人が描いたものです」と夫人はいいました。

そして、夫人は2人を神崎の書斎に案内してくれました。

 
引き出しの鍵をあけると、「DUGWAY SHEEP INCIDENTS」という本が入っていました。

ダグウェイとはアメリカのユタ州にある生物兵器の実験場のことで1968年に細菌が流出して近隣の羊が大量死するという事件が起き、大問題となったことで知られています。

「神崎さんは、日本でも同じ事態が起こると考えていたのではないか?」

吉岡と杉原、編集長・陣野の3人は、内閣府が日本国内に「大学の研究設備」と言う形で生物兵器の研究や開発が可能な施設を作ろうとしているという結論に達します。

しかし、記事にするには軍事目的という明確な証拠が必要です。

吉岡は杉原に協力を仰ぎました。

 
朝早く、杉原は神埼の後任の都築(高橋努)の元を訪れます。

約束をしているので、部屋で待たせてくださいと部屋に入り込むと、資料を探し始めました。

一方、吉岡は出勤の途中の都築を取材と称して足止めし時間稼ぎをします。

その間に目的の大学建設に関わる資料を探し出した杉原は一枚、一枚、スマホで撮影をしてゆき、間一髪で都築がやってくる前に部屋から抜け出す事が出来ました。

 
資料も証拠も揃い、後は記事を書くだけです。しかし陣野は「誤報と言われたら跳ね返せる手段がない」とまだ不安を隠せないようすでした。

そんな陣野に杉原は言い切りました。

「そのときは僕の実名を出してください」

 
実は暫く前、証拠の画像を吉岡たちに渡して一段落した杉原は、退院する妻と娘に付き添ってマンションに帰ってきました。

杉原は、暫く見ていなかった郵便受けの中に神埼からの手紙があったことに気が付きます。

それは、杉原に宛てた遺書でした。

そこには軍事目的の設備が施された大学の認可に自分の判子が押されていることに対する苦しみが書かれていたのです。

 
神崎の無念を知った杉原の表情には固い決意が刻まれていました。

そんな杉原の意志を受け、ついに吉岡の書いた記事が新聞の一面を飾りました。

 

「新聞記者」ラスト最後の結末

数日後、吉岡は陣野からホテルの一室に呼び出され、悪い知らせと良い知らせがあると聞かされます。

悪い方は、政府がマスメディアを使い、死んだ上司のために杉原が暴走した事にして間違った内容を記事にさせたと情報操作をしようとしている事、良い方は、大手新聞各社が東都新聞のスクープのあとを追い続々と記事を載せている事でした。

「続報として杉原さんの名前を出します」と吉岡は言い、彼のもとへ向かいました。

 
その途中、電話がかかってきます。

電話の主は「あなたがあの記事を書いた吉岡さんですね」と語りかけてきました。

「よく書けている。お父さんにそっくりだ。知っていますよ、貴方のお父さんの記事は誤報じゃなかった。でも死んでしまった。残念ですね」

電話の主は多田(田中哲司)でした。

吉岡は激しく動揺するものの、何とか礼を言って電話を切りました。

 
「これ、お前じゃないよな、お前なワケない」

受話器を置いた多田は目の前に立っている杉原に問いかけます。

顔面蒼白で無言の杉原に向かい、表情を変えない多田は更にささやきました。

「外務省に戻りたいか? しばらく外国に駐在しろ。そのうち、世間は忘れる。そのかわり、今持っている情報はすべて忘れろ」

黙って出ていこうとする杉原の背中に向かって多田は更に言葉をぶつけます。

「杉原、撤回することは恥ずかしいことじゃないぞ」

 
吉岡は杉原に電話し続けながら、歩き続けていました。

一方、杉原の頭には先程の多田の言葉が渦巻いていました。

苦悩に満ち、頭を抱える杉原。

横断歩道の向こう側に杉原を見つけた吉岡は大きく手を振りました。

杉原の顔はげっそりとやつれ、唇が何かを伝えるように動き、吉岡は目を見開きました。

ここでTHE ENDです。

 

「新聞記者」見どころと最後のセリフ

この作品はフィクションですが、現実の事件・スキャンダルを思わせる話が随所に出てきてリアリティがあり、実際の事件経過を見ているような緊張感に満ちていました。

人を陥れたり秘密を守らせる為に、その人の将来や家族を盾にとって脅すやり方や、SNSを使った情報操作など、本当にこんな事が行われているかもしれないと思うと、空恐ろしくなってゾッとしました。

 
また、杉原の上司である多田や、彼の命令で淡々とPCに向かってSNSにコメントを書き込む内閣情報調査室の職員たちの無表情さは不気味そのものです。

対して、子供の誕生を待ち望む杉原夫婦の会話や、圧力をかけられればかけられる程に逆に奮起して真相を追求しようとする吉岡の表情は生気に満ちて、血が通ったものを感じました。

自分の過ちに耐え切れなくなりながらも、それを正すにはどうしたらいいかを真剣に考え、人として真っ当な道を歩もうとする神崎や杉原の姿からは仕事に対する誇りが感じられ背筋を正される思いがしました。

 
中でも吉岡を演じたシム・ウンギョンさんの演技は秀逸で、人生を賭けて政府の陰謀を暴こうとする気迫は真に迫っていて見事でした。

エンターテインメントとしての映画が多い中、見る者の心をまっすぐに貫く、骨太の社会派作品でした。

 
ラストシーン、杉原(松坂桃李)何と言ったのか?

ここ、意見がわかれそうですが・・・

きっと「ごめん」です。

杉原はすべてを理解したうえで(納得はしていないけど)上司に従うのでしょう・・・

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