映画「最強のふたり」は、フランソワ・クリュゼ主演、エリック・トレダノ監督の2011年の映画です。
この映画「最強のふたり」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころを紹介します。
障害のある富豪と貧しい青年の絆を描いた感動の実話「最強のふたり」をお楽しみください。
これで「最強のふたり」のすべてがわかります。
「最強のふたり」あらすじ
不運な事故で頚椎を損傷し、日常生活のほとんどを介護に頼る大富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)
周囲の同情的な態度にうんざりしていたある日、新たな介護人募集の面接で青年・ドリス(オマール・シー)と出会います。
ドリスの投げやりで不真面目な態度に、フィリップは興味を抱き・・・
障害のある富豪と貧しい青年の絆を描いた感動の実話です。
「最強のふたり」ネタバレ
夜の街をハイスピードで走り抜ける高級車。
車を運転しているのは若い黒人男性。
助手席には体の不自由な白人男性が乗っています。
暴走するその車を追跡するパトカー。
二人はパトカーから逃げ切れるか賭けをします。
順調に逃げていたその高級車でしたが、道を知り尽くしている警察にはかないませんでした。
しかし、これで終わらないのがこの二人。
今度はこの窮地から抜け出せるか賭けをする始末。
警官に銃を向けられ車の外に出た黒人男性は刑事に「遊びで120キロも出していたわけじゃない。俺の雇い主が発作を起こしたから病院へ向かっている途中だった。見てみろ、このままじゃ病院に着く前に死んじまう。彼が死んだらあんたらが責任を取ってくれ。」そう訴えます。
刑事らは助手席で苦しそうにしている白人男性を見てその話を信じるのです。
パトカーで誘導までしてくれるという刑事らを見てほくそ笑む二人。
誘導されながら運転する車内ではお気に入りのBGMを掛けてちょっと変わったドライブを楽しむのでした。
不慮の事故で頸椎を損傷し首から下が不随になってしまったフィリップ(フランソワ・クリュゼ)。
彼は障害者としての生活を余儀なくされましたが大富豪なため生活に困る事はありません。
フィリップは介護人の面接を行います。
フィリップがちょっと変わり者ということもあって、彼の介護人は長く続かない為新たな人材を募集したのです。
緊張の面持ちで面接の順番を待つ人たちの中で一人だけ浮いている黒人男性ドリス(オマール・シー)。
ドリスは順番を待ちきれず横入りをして面接室へ向かいます。
面接を行うのはフィリップ本人とその秘書マガリー(オドレイ・フルーロ)。
皆が真面目に受け応えていましたが、ドリスは我を貫きマガリーに色目まで使うのです。
ドリスはフィリップの屋敷で働く気など毛頭なく、就職活動をした証明書欲しさにやって来たのでした。
不採用が3件になると失業手当がもらえるのでその証明書が今すぐに必要だったドリスは面接には相応しくない服装と言葉でフィリップとマガリーを驚かせます。
しかし、あけすけなく話すドリスを気に入ったフィリップは「明日までに書類にサインしておくからまた明日ここに来なさい。」とドリスに伝えるのです。
ドリスは久しぶりに家に帰ります。
家には何人もの妹や弟がいて賑やかでした。
夜遅く仕事から帰って来た母親に、フィリップの屋敷からこっそり盗んできた卵形の置物を渡すと、何の連絡もなく数カ月も家に帰らなかった事を咎められるドリス。
母親はドリスに愛想を尽かし家から出て行けと告げるのです。
翌日フィリップの家を訪ねたドリスは、フィリップの助手イヴォンヌ(アンヌ・ル・ニ)に屋敷の中を案内されます。
案内されたのはバストイレが付いた豪華な部屋でした。
訳が分からないままフィリップの元へ連れていかれたドリスは、フィリップから介護人として1ヶ月の試用期間を与えたいと提案されます。
翌日からフィリップの屋敷に住み込みで働くことになったドリス。
フィリップの世話をする介護士マルセル(クロティルド・モレ)からフィリップの介助の仕方の説明を受けます。
浮腫みを防止するためのストッキングを履かせなくてはいけないのにそれを拒むドリス。
絶対に自分には無理だと拒否していたドリスでしたが、結局履かせてあげるはめに。
しかし、排せつの介助だけは断固として拒否するドリスはどうにかマルセルに頼み込んでそれだけは勘弁してもらうのでした。
外出するためにフィリップを車に乗せようとしたドリスでしたが、介護用の車は「馬を乗せるみたいでこんなのは嫌だ。」と話します。
隣にあった高級車を見て目を輝かせたドリスは、自分が乗るには適していない車だというフィリップの言葉を無視してその高級車にドフィリップを乗せて出発するのでした。
フィリップがドリスを雇った事を心配したフィリップの親戚はドリスのことを調べます。
ドリスには宝石強盗で捕まり半年間服役した過去があったのです。
ドリスの事を「注意した方がいい。奴らは情け容赦ない。」と言う親戚に「そういうところがいいんだ。私に情けなど必要ない。私に同情していないのがいい。若くて健康で、手足が長くて脳みそも使える。あいつがどこから来て過去に何をしていようが私にはどうでもいいことだ。」とフィリップは答えるのでした。
ある夜、ドリスはフィリップの部屋と繋いであるスピーカーからフィリップの苦しそうな声を聞いて部屋に駆けつけます。
冷たいタオルを当てやさしく声を掛けるドリス。
フィリップも少しずつおちついていきます。
朝方、またうなされ空気を吸いたいと言うフィリップを外に連れ出すことに。
静かなパリを散歩するドリスとフィリップ。
フィリップは、先ほどの発作は幻想痛と言って薬も効かないとドリスに説明します。
ドリスはまた幻想痛に苦しむフィリップにマリファナを吸わせるのでした。
それからカフェに入り、フィリップは自分の過去をドリスに話します。
亡くなった妻のこと、5回の流産を経て養子を迎えた事、パラグライダーの事故で今の体になってしまった事を話したフィリップは、ドリスに「君の勝ちだ。試用期間は今日で終わりだ。」そう言ってドリスを正式に採用すると決めるのです。
そしてドリスに「君を信用してもいいか?ファベルジェの卵を返してくれないか?妻が25年間毎年ひとつずつプレゼントしてくれた大切な物だから。」そう伝えます。
ドリスは「そんなものは知らない。」とシラを切りますが、すぐに妹のもとへ行き卵の置物の行方を確かめるのです。
しかし、その置物は見つからなかったと言われてしまいます。
フィリップは文通しているエレノアに宛てる手紙をマガリーに代筆してもらいます。
横でその手紙の内容を聞いていたドリスは、半年も手紙をやり取りして顔や声すらも聞いたことが無いと言うフィリップに、エレノアと電話した方がいいと言って手紙に添えられていたエレノアの携帯番号に勝手に電話してしまうのです。
ドリスに怒っていたフィリップでしたが、いざエレノアの声を聞いたフィリップはそれか度々電話でエレノアと交流する様になるのでした。
フィリップは、エレノアから写真が欲しいと言われ、ドリスと見栄えの良い写真を選ぶことに。
ドリスは、障害者だと分かるけどフィリップが魅力的に見える写真を選びます。
フィリップもそれに同意しその写真を送るはずでしたが、フィリップはイヴォンヌに頼んでその写真を事故前の写真にすり替えて送るのでした。
ドリスは勝手に部屋に入って来て横柄な態度を取るフィリップの娘エレザ(アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ)に腹を立てます。
フィリップに強く抗議し、娘の躾をきちんとするよう訴えるのでした。
イヴォンヌもドリスの意見に同意するのです。
気難しかったフィリップは、何事にも物おじせず本音でぶつかってくるドリスと過ごすことで少しずつ心を開いていきます。
ドリスの指導の元、今まで甘やかしてきたエレザにも躾をするフィリップ
ドリスと過ごす日々は笑顔で溢れていました。
ドリスにも変化が訪れていました。
昔は悪い友達とつるんで自暴自棄に暮らしていましたが、フィリップとの生活で思わぬ才能を開花させていたのです。
以前、フィリップと訪れた美術館に置いてあった絵が、落書きのようなものだったのにかなりの高値がついていたのに感化され自分でも絵を描き始めます。
その絵は以外にも芸術的だったのです。
フィリップの誕生日。
イヴォンヌが計画した誕生日パーティーにはフィリップの親戚も沢山訪れます。
特別に招待された楽団が演奏する音色に耳を傾けるフィリップたち。
その演奏が終わったあと、フィリップは親戚の男性にドリスが描いた絵を見せます。
無名の画家が描いたと嘘を付いたフィリップはその絵が1万1000ユーロだと告げると、その親戚は「独特のスタイルがあるな。でも無名の画家に払うには高い買い物だ…」と言って少し戸惑を見せるのです。
演奏が終わったロビーでは楽団員たちが楽器を片付け始めていましたが、フィリップがドリスに気に入ってもらえるだろう曲を何曲かリクエストします。
どの曲も楽団員たちによって素敵に演奏されますが、クラシックに興味のないドリスにはあまり響く曲がありませんでした。
代わりにフィリップがお気に入りのアース・ウィンド・アンド・ファイヤーの曲を掛け踊り始めるのです。
そこにイヴォンヌたちも加わり、皆が楽しくしている様子を見てフィリップは優しく微笑むのでした。
その夜、ドリスはフィリップにプレゼントだと言ってエレノアから届いた手紙をフィリップに渡します。
そこにはエレノアの写真も同封されていて、パリに行く用事があるからその時に少し会えないかと書かれていました。
イヴォンヌを同伴してエレノアとの待ち合わせのカフェに向かったフィリップでしたが、エレノアと会うことに神経質になりすぎたフィリップはエレノアを待ちきれずドリスを呼び出してその場を後にしてしまいます。
エレノアはフィリップとすれ違いで見せにやって来たため二人は会うことが出来ませんでした。
フィリップは気分転換にと、ドリスとともにプライベートジェットで夜の空を堪能します。
他の客がいない事に驚くドリスでしたが、驚くことがもう一つ。
ドリスの描いた絵が売れたのです。
フィリップはその絵が売れたお金1万1000ユーロをドリスに渡します。
ドリスはそのことに喜び、絵の才能があるのかもと興奮するのでした。
後日、フィリップとパラグライダーに乗ったドリス。
最初は絶対に乗らないと駄々をこねていましたが、いざ乗ってみたら意外と空の旅を楽しんでいたのでした。
楽しい気分のまま帰宅すると、そこにドリスの弟が訪ねてきていました。
フィリップはドリスから、弟とは血が繋がっていないと聞かされます。
ドリスの育ての親は叔父と叔母で、子供が中々できなかった叔父夫婦がドリスの親である兄夫婦の子供を養子にもらったのです。
家庭は複雑でも、弟から頼りにされているドリスを気遣ったフィリップは「弟は君を頼って来たんだろ?ドリス、もう終わりにしよう。一生車いすを押して生活するわけじゃないだろう?これだけ働けば失業手当ももらえるよ。」そう言ってドリスとの契約を解除するのです。
翌日、荷物を纏めたドリスはすっかり打ち解けたイヴォンヌに別れを告げ屋敷を後にします。
弟と一緒に仕事帰りの母親を駅まで迎えに行くドリス。
三人並んで家へとゆっくり歩きだすのでした。
「最強のふたり」ラスト最後の結末
一方フィリップは新しい介護人を雇いましたが、また神経質なフィリップに戻ってしまいました。
その介護人も数日と持たず、また新しい介護人を雇うフィリップ。
新しい介護人もフィリップとはそりが合わず、幻想痛の発作を起こしたフィリップをどうすることも出来ず結局ドリスが呼び出されます。
ドリスと別れた頃とは違い、髭も伸び放題になっているフィリップ。
ドリスはそんなフィリップを外へと連れ出します。
そして夜の街を高級車で駆け抜けるのです。
冒頭のシーンに繋がった後、二人は海を見に向かいます。
海辺のホテルのバルコニーから海を眺めるフィリップの目には少し涙が。
その後、ホテルの浴室でフィリップの髭を剃ってあげることにしたドリス。
伸び放題のフィリップの髭で散々遊ぶドリスと過ごす時間はやはりフィリップを笑顔にさせるのです。
海辺のレストランを予約したドリスは、そこで卵の置物をフィリップに返します。
そして「もうすぐデートの相手がくるよ。楽しんで」そう言ってその場を去るのです。
訳がわからないフィリップでしたが、そこへエレノアが現れます。
ドリスの計らいで再会することが出来た二人。
そんなフィリップの姿を店の外から眺めるドリスは笑顔でフィリップに手を振るのでした。
その後、フィリップは再婚して二人の娘の父親となり、ドリスのモデルとなったアブデルも三人の娘の父親となり会社の社長をしています。
そしてフィリップとアブデルの絆は今も続いているのです。
THE END
「最強のふたり」見どころ
全く性格の違う二人が心を通わせていく過程がとても丁寧に描かれていて、あっという間に2時間が経っていました!
この作品はもう一度見たくなるような心温まる素敵な作品です!
フィリップを演じるフランソワ・クリュゼの繊細な演技と、ドリスを演じるオマール・シーの大胆な演技が、本当に正反対の性格を表していてどんどん惹きこまれます。
特に、フィリップの笑っているような泣いているような何とも言えない表情にグッと来てしまいました。
涙は流していないのに泣いているようなあの表情は本当に素晴らしかったです!
実際にあった話を元に作られているので、最後に二人の今の映像なども見れて、更にこの作品にハマってしまいました。
心温まるヒューマンドラマなので家族での視聴もおすすめです。
こちらのオマール・シーの主演作品も素晴らしいですよ!