「おみおくりの作法」ネタバレ!あらすじやラスト最後の結末と見どころ!

映画「おみおくりの作法」ネタバレ あらすじ
ヒューマン

映画「おみおくりの作法」は、エディ・マーサン主演、ウベルト・パゾリーニ監督の2013年のイギリス・イタリア合作映画です。

この映画「おみおくりの作法」のネタバレ、あらすじやラスト最後の結末、見どころを紹介します。

真面目で孤独な民生委員が死と向き合う中で人生を見つめ直すヒューマンドラマ「おみおくりの作法」をお楽しみください。

これで「おみおくりの作法」のすべてがわかります。

 

「おみおくりの作法」キャスト・スタッフ

■ スタッフ
監督: ウベルト・パゾリーニ
脚本: ウベルト・パゾリーニ
制作: フェリックス・ヴォッセン 他
製作総指揮: バーナビー・サウスクーム
音楽: レイチェル・ポートマン
撮影: ステファーノ・ファリヴェーネ

■ 主要キャスト
ジョン・メイ: エディ・マーサン
ケリー・ストーク: ジョアンヌ・フロガット
メアリー: カレン・ドルーリー
プラチェット: アンドリュー・バカン
ジャンボ: キアラン・マッキンタイア
シャクティ: ニール・ディスーザ
ホームレスの男: ポール・アンダーソン
ホームレスの男: ティム・ポッター

 

「おみおくりの作法」あらすじ

ロンドンの民生係44歳独身のジョン・メイ(エディ・マーサン)の仕事は、孤独死した人の葬儀を行うことでした。

几帳面な性格のジョンは誠意をもって1人1人を丁寧に「おみおくり」しています。

しかし解雇を告げられ、向かいに住んでいたビリー・ストークが最後の案件になってしまいます。

その人生を知るべくイギリス中を巡る旅に出たジョンは、さまざまな出会いを重ね、新たな人生に踏み出すのでした・・・

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「おみおくりの作法」ネタバレ

イギリス・ロンドンの南部にあるケニントン地区の民生係・ジョン・メイ(エディ・マーサン)。

メイは非常に几帳面な人間で、それは日常の些細な仕草だけではなく、仕事ぶりにも顕著に表れていました。

彼の主な仕事は、孤独死した人物の葬儀です。

彼は孤独死した人の部屋を訪問して私物を整理し、アパートやマンションの家主には荷物の処分をしてくれる業者の連絡先を渡し、時にはアルバムなどを持ち帰り、家族や友人がいないかつぶさに調査します。

そして死者が好きだった曲を選んでは葬儀に流し、葬儀で読み上げられる弔辞まで書きます。

一方、メイ自身は44歳独身の男性で、親族はおろか、友人すらいません。

毎日同じ時間帯に出勤し、仕事が終わるとまっすぐ帰宅し、食事も家でランチョンマットを敷いて綺麗に食器を並べて食べます。

毎日丁寧な「おみおくり」の仕事をしていましたが、自己を主張することの無いメイの理解してくれる人はいませんでした。

ただ自分用に死者の写真を集めては丁寧にアルバムに貼りつけて満足していました。

 
ある日、メイの元に孤独死した老人が発見されたという連絡が入ります。

いつものように遺体が発見されたアパートに行きました。

そしてメイは気が付きます。

そこはなんと、メイの向かいのアパートだったのです。

寂しい死にざまが自身の孤独な境遇と重なり、メイは少なからずショックを受けました。

 
その日の業務の終わり、メイは上司のプラチェット(アンドリュー・バカン)に呼び出されます。

そして役所の無駄を省いて経費削減を推し進める為にケニントン地区の民生係はダリッチ地区と合併となり、業務はダリッチ地区の担当者の女性・ピルジャーへ移る事が決まったと告げられます。

そして勤続22年にしてメイは解雇。
次の就職先を探せと言われます。

あまりのことに、メイはとっさには言葉が出てきませんでしたが、かろうじて最後の案件だけは自分で完結させたいと申し出ます。

メイの仕事に対してあまり良い評価をしていなかったプランチェットは渋々ながら「3日で終えてくれ」と条件付きで了承します。

 
さて、孤独死していた老人の名前は部屋にあった身分証明書から、ウィリアム・ビリー・ストークという男性ではないかと推測できました。

メイが遺体の部屋のアルバムをチェックすると少女の写真がありましたが、少女時代のものだけで終わっており、名前も分かりませんでした。

さらに若い頃の写真を見たメイは、ビリーのかぶっている帽子から「オーカム製パン」に勤めていた過去も突き止めます。

故人がどんな人だったかを調べる為、メイは仕事を始めてからはじめて外出をし、オーカム製パンに赴きます。

昔の同僚の話ではビリーは短気な人で、パン工場ももめ事を起こして辞めていました。

そしてビリーは女性にはよくもて、パン工場を辞めた後はフィッシュ・アンド・チップス店の女性とウィットビーへ行ったと話してくれました。

同僚だった男性に葬儀の話をしますが、彼は「いまさらそんな…ビリーが生きていたら飲みに行きたかったけど」と言葉を濁しました。

 
翌日、メイはプラチェットに欠勤の電話をいれ、ビリーの消息を追ってウィットビーへ向かいました。

港町・ウィットビーへ行ったメイは、フィッシュ・アンド・チップスの店を1軒1軒訪ねて歩き、やっとお目当ての女性・メアリーに辿り着きます。

メイはそこで、故人・ビリーとメアリーの思い出を、店を手伝わされながら聞かされました。

確かにメアリーはパン工場を辞めた後のビリーとそこで一緒に暮らしていました。

子供もいましたが、アルバムの少女とは違いました。

短気なビリーはメアリーと一緒に港町・ウィットビーに越した後、しばらくは船で仕事をしていましたが、政策のせいで廃業していました。

その後はフィッシュ・アンド・チップスの〝メアリーの店〟を手伝っていましたが、ある時メアリーを口説く男性と揉めて、ナイフを持った相手の男の手を業務用の油に突っ込むトラブルを起こしました。

以来、ビリーは人が変わったように乱暴になり、しばらくして家を出て行ったそうです。

行き先は知らないが、刑務所ではないかとメアリーは言い、手伝いのお礼にフィッシュ・アンド・チップスをくれました。

 
メイに代わって仕事をする女性・ピルジャーの雑な散骨を横目で見ながら、メイはビリーの葬儀の手配をしました。

上司のプラチェットに会いに行くと、メイは最後の案件にもう数日欲しいと言います。

プラチェットは「給料が出なくても良いなら」と許可してくれました。

そして刑務所に行ったメイは、ビリーが服役したことを知ります。

内務省で調べると、昔、ビリーはトゥルーロという場所で暮らしていたことが判明しました。

若かりし頃のビリーは、ビルの4階部分から歯だけで3分半もぶら下がり、賭けで得た金を慈善事業に回していた過去も分かります。

 
そしてついに、メイはビリーの写真にあった少女を突き止めました。

その少女-ケリー・ストーク(カレン・ドルーリー)は美しい女性に成長し、ドッグ・シェルターで働いていました。

ケリーに父親の死を告げると、葬儀はいつなのか聞いた後、ケリーは葬儀への参列は辞退します。

メイは「もし気持ちが変わったら言ってくれ」と言います。

ビリーはケリーが10歳の時に家を出ていました。

ずっと音信不通で、最後に会ったのも刑務所の出所直前の面会で、でした。

ケリーはその時に父が母と自分を捨てたことを責め、それ以来、会っていなかったそうです。

しかしメイが父の部屋にあったアルバムを渡すと、嬉しそうに受け取りました。

アルバムは、メイがきちんと新しいものに張り替えていたのです。

そしてその時の親友・ジャンボがビリーと会いたくて10年前にケリーに連絡を寄越しましたが、ケリーは父の居場所を知りませんでした。

 

「おみおくりの作法」ラスト最後の結末

施設にいるジャンボ(キアラン・マッキンタイア)という男性に会いに行ったメイは、ビリーはフォークランド紛争の際、パラシュート部隊として活躍したものの、除隊後のビリーはしばらくの間、バークレースクエアで路上生活していたと知りました。

戦争で人を殺した記憶のせいで一時、普通の暮らしができなかったのです。

バークレースクエアに行ったメイは、ビリーを知る路上生活者に聞いて回り、葬儀の話をしました。

さらにそこで、昔ビリーはレズリーという女性と恋仲だったと知りますが、レズリーは亡くなっていました。

 
ビリーの資料に〝調査終了〟と書き込んでいるメイに、ケリーから連絡が来ました。

ケリーは葬儀に参加したいと言います。

メイはビリーの葬儀にしたいことをケリーに会って話しました。

ケリーは葬儀の後にさらにおしゃべりしたいと言い、メイは恋の予感にわくわくします。

 
ケリーと会った後、ケリーへのプレゼントとして犬のイラストが描かれたマグカップを買いました。

しかし、車道に出たメイはバスに轢かれてしまいます。

 
数日後、ビリーの葬儀が営まれます。

メイの奔走の甲斐あって、ケリーはもちろんのこと、メアリーやその娘、パラシュート部隊の友人たち、路上生活者、パン工場時代の友人など、総勢20人ほどの人が集まって、ビリーは賑やかに送りだされます。

その横で、誰にも知られずに、ひっそりとメイの葬儀も行なわれていました。

44年の生涯でした。

生前に墓地の予約をしていたメイは、日当たりのよい一等地に葬られますが、参列者は誰もいません。

横で葬儀するケリーがふと目線を寄越しますが、それがメイの葬儀だとは気づきませんでした。

埋められたメイを訪れる者はいませんでしたが、代わりに今までメイが丁寧に扱った死者たちの霊たちが、次々に集まってメイの墓を取り囲みました…。

THE END

 

「おみおくりの作法」見どころ

口数は少ないけれど、誰より真面目にコツコツ仕事をこなしメイ。

演じているエディ・マーサンははまり役で、故人に対する思いやりがにじみ出ている優しい人を好演しています。

まさに名優です。

 
最後の仕事としてビリーの人生をたどってゆく姿は、独りぼっちのメイの人生を見つめ直す旅でもありました。

毎日同じものしか食べないのに貰った魚を焼こうとして失敗してしまったり、ケリーと話している内に仄かな恋心を抱き感情が顔に出るようになったりする姿は人間味が感じられて心がホッコリしてきます。

 
そしてビリーやメイの人生は見ている者の心にも深く刺さります。

傍から見れば孤独で寂しい、付き合いづらい人物に見えても、その人生には色々あって、付き合いづらい性格になるにも理由があって、楽しい事や美しい事ばかりではないけれど、かけがえのない価値があると思わせてくれます。

周りに理解されなくても、一生懸命にやって来たことは誰かが見てくれていて、最後にはきっと「お疲れ様」と言ってくれると思う事が出来る、心に温かさと元気をくれる作品です。

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