映画「二ノ国」は、クレア・ホルト主演、百瀬義行監督の2019年の日本アニメです。
この映画「二ノ国」のネタバレ、あらすじやラスト最後の結末、声優や見どころを紹介します。
異世界で究極の選択を迫られる青春ファンタジー「二ノ国」をお楽しみください。
原作はゲームですがこの映画はオリジナルストーリーです。
「二ノ国」キャスト・スタッフ
■ スタッフ
監督: 百瀬義行
脚本: 日野晃博
制作: 小板橋司
製作総指揮: 日野晃博
音楽: 久石譲
撮影: 鯨井亮■ 主要キャスト
ユウ: 山﨑賢人
ハル: 新田真剣佑
コトナ / アーシャ: 永野芽郁
ヨキ: 宮野真守
サキ / ヴェルサ: 坂本真綾
ダンパ: 梶裕貴
ガバラス: 津田健次郎
バルトン: 山寺宏一
フランダー王: 伊武雅刀
お爺さん: ムロツヨシ
「二ノ国」あらすじ
秀才のユウ。
バスケ部のエースハル。
ハルの彼女コトナ。
ある日、魔法の世界「二ノ国」に迷い込んだユウとハル。
そこにはもう一人の自分がいるらしい・・・
その世界には、命を救うともうひとりの自分に代償がかかるというルールがありました。
ふたりの彼女、救えるのはひとりだけ・・・
現実の世界で重症を負っているコトナを救いたい二人はいったいどうするのか?
「二ノ国」ネタバレ
バスケ部の試合中、相手を振り切って華麗にシュートを決めるハル(声:新田真剣祐)。
それを体育館の2階席から、車いすに座ってタブレット端末片手に見守るユウ(声:山崎賢人)。
「ユウのアドバイスのおかげで今日も勝てた。」
と喜ぶハルでしたが、ユウは「本当に言うとおりにしていれば、あと5点はとれた」と冷静に言い返していました。
そこへハルの彼女、コトナがやってきます。
3人は試合やハルのファンに対する接し方で盛りあがりながら、コトナが行きたいと言っていたケーキ屋に向かいます。
しかし、そのケーキ屋は長い階段の上にありました。
戸惑うハルとコトナでしたが、ユウは「俺はお邪魔だろうからあとは2人でどうぞ」と帰ってしまいました。
家に辿り着いたユウは、サキ姉(声:坂本真綾)にも何も言わずに部屋に入ると、複雑な表情でベッドに寝転がりました。
目の裏に今日のハルとコトナの姿が映ります。
「まったく、イライラさせないでくれよ・・・」
ユウは自分がコトナに恋心を抱いている事に気付いていますが、何も出来ずにモヤモヤしていました。
そんな時、コトナから電話がかかってきます。
不審な男に付け回されていると聞き、ユウは急いでコトナの元に向かいます。
しかし、やっと見つけたコトナは既に不審な男に捕まっており、ユウの目の前で腹部を短剣で刺されてしまいました。
ユウは救急車を呼びますが、駆けつけたハルはあまりの事に動揺して、救急車を待たずに自分で運ぼうとコトナを抱き上げて走り出し、道路に飛び出してしまいます。
ハルと、後を追ってきたユウは突っ込んできたトラックに轢かれそうになります。
気が付くとユウとハルは見たことの無い世界の広場にいました。
周りには見た事もない動物に引かれた馬車が行き交い、人間のような外観をしたものもいれば、動物のような人間もいました。
そして、この世界ではユウは足が治り、普通に歩く事が出来ました。
二人はコトナもこの世界にいる筈だと思い、探し始めます。
そして、たまたま入った酒場で壁に張られたコトナそっくりの女性の絵を見つけます。
それは、二人がいるエスタバニア王国の王女・アーシャ姫でした。
二人はアーシャ姫がコトナかどうか確かめる為、王宮に向かいます。
しかし、城では何か異変が起こっているらしく警戒が厳重になっており、二人はすぐに兵士に追い返されてしまいました。
それでも諦めきれない二人は、城の中に入る魔術師の馬車に潜り込んで王宮に忍び込みました。
王宮内の一室には、アーシャ姫が寝かされていました。
体には呪いと思われる醜い跡が浮き出ており、魔法宰相・ヨキ(声:宮野真守)でさえも取り除くことは出来ずにいました。
ハルとユウが潜り込んだ馬車に乗っていた魔術師達も呪いを解こうとして逆に消されてしまう有様でした。
姫の父親である国王・フランダー(声:伊武雅刀)、兵士長・バルトン(声:山寺宏一)、従者のダンパ(声:梶裕貴)騎士隊長でサキ姉にそっくりなヴェルサも落胆で肩を落とす事しか出来ませんでした。
皆が部屋を出てゆくと、ハルとユウはベッドに寝かされているアーシャに近づきました。
その顔はやはりコトナにそっくりでした。
その時、アーシャの腹部に短剣が浮かび上がります。
それはコトナが刺された短剣とそっくりでした。
ハルは思わずそれに触ろうとしますが、黒い霧のようなものに阻まれて手を引っ込めてしまいます。
そして異変を察知したヴェルサが部屋に飛び込んできてハルを取り押さえてしまいます。
しかし、ユウはそれに構わず短剣を握りしめ、引き抜いて消し去ってしまいました。
その直後、ユウも捕えられてしまいます。
王の前に連れ出された二人は、ヨキから尋問を受けます。
最初は疑われますが、短剣を引き抜くところを見たヴェルサとアーシャの口添えにより、姫を救った礼に沢山の褒美をもらいます。
しかし、アーシャは二人には初めて会ったような様子でした。
英雄として街に戻った二人は皆に歓迎されます。
ハルは「これはきっと夢だ。寝て起きたら元の世界に戻っているさ」と楽観的ですが、ユウはどうしてもアーシャの事が気になりこっそり王宮に戻ります。
物陰からアーシャとダンパの会話を聞いていたユウは、アーシャの好物がコトナと同じ酸っぱいオレンジだと知り、アーシャとコトナに繋がりあると感じます。
その直後、ユウはアーシャに見つかっていまいますが、咎められることはなく、一緒に清めの湖に行かないかと誘われます。
空を飛ぶ船にのって森の奥深くまでやって来たアーシャとユウはそこで色々と話をします。
その話の中で、この世界が「二ノ国」と呼ばれ、命が繋がった人々が暮らす「イチノ国」と呼ばれる異世界があるという言い伝えを聞きます。
また、アーシャに心を許せる友達がおらず孤独を感じている事も知ります。
次の日、目が覚めてもハルとユウは元の世界には戻っていませんでした。
そして王宮から剣の競技会へ招待したいと使者がやってきます。
しかし、二人が連れていかれたのは競技会場の真ん中でした。
二人が呪いを見破り、あっさりと短剣を抜いてしまった事を不審に思い、エスタバニア王国侵略を目論む黒旗軍のスパイではないかと疑うヨキの差し金でした。
二人は襲い掛かって来る剣士達を何とか倒しますが、その事が余計に疑惑を深めてしまい、スパイと決めつけられてしまいます。
あわや処刑と言うところで、二人は兵士の手を振り切って競技場の外へ飛び出します。
そして気が付くと二人は元の世界に戻っていました。
コトナは無事で、刺された事件すらなかったことになっていました。
その代わり、同じ頃に大きな交通事故が起き、呪いを解くことに失敗して消えてしまった魔術師にそっくりの人物が亡くなっていました。
その事を聞いたユウは、子供の頃に入院していた病院にいた老人(声:ムロツヨシ)から聞いた「二ノ国」の話を思い出します。
そして、自分たちがこれまで暮らしてきた世界が「イチノ国」、アーシャたちのいる世界が「二ノ国」ではないかと推察します。
しかしハルは
「今ここにコトナが元気でいてくれる事が重要なんだ」と、二ノ国の事はもうどうでもいい様子でした。
しかし数日後、急にコトナが入院してしまいます。
検査で悪性腫瘍が見つかり、余命3ヶ月と言われてしまったのです。
ショックを受けたハルは
「お前がアーシャを助けたせいで、命が繋がったコトナが死ぬんじゃないのか?!」とユウに詰め寄ります。
そして、二人は再び「二ノ国」に飛ばされてしまいます。
そのハルの前にエスタバニア侵略を狙う黒旗軍の最高指導者・ガバラス(声:津田健次郎)が現れ、「死ぬ筈の命を助けた為に二つの世界のバランスがくるってしまった。運命を元に戻すため、アーシャ姫を討たないか?」と持ち掛けられます。
ハルはコトナを助ける為、その申し出に応じて戦う事を決意します。
一方、同じように「二ノ国」に戻っていたユウは、エスタバニアに攻め込んできた黒旗軍の中にハルがいると知らされ動揺します。
そしてアーシャを守ってハルを止める為に戦う事を決意します。
黒旗軍は大軍で攻め込み、街を破壊して城の近くまでやって来ました。
身に着け鎧の力によりハルは力が何倍にも増し、城を守る兵士を次々と倒してゆきました。
そして城門の前でハルとユウは相対しました。
「コトナを助ける為に、俺はアーシャを討つ!」と言うハルと「アーシャが死んだらコトナも死んでしまう。絶対に守ってみせる!」と言うユウは心ならずも剣を交え、相撃ちになりかけた所で再び元の世界に戻ってきます。
元の世界はコトナの容体が急変し緊急手術をする事態にまでなっていました。
更にコトナを襲った男がサキ姉とユウの家にもやって来ました。
間一髪でやって来たハルとユウがサキ姉を助け出し、3人は車に飛び乗り逃げ出しました。
しかし、男は雲に変身して追いかけてきました。
何とか振り切ったものの、3人は車ごと水路に落ちてしまいました。
「二ノ国」ラスト最後の結末
そしてユウはまたも「二ノ国」に戻ってきました。
黒旗軍の侵攻により、城は風前の灯火でした。
アーシャだけでなくフランだー王もヨキも困惑するばかりでした。
そこへユウが現れ、
「襲ってきた奴はサキ姉の事を知っていた。城にいた人間しか知らない筈なのに!」と、ヨキが裏切り者だと指摘します。
ヨキは最初は否定しますが、そこにハルも現れ「アーシャを刺していた短剣と同じ匂いだ!」と言うと、ヨキも観念しました。
ハルとユウの予想通り、ヨキと黒旗軍の指導者・ガバラスは同一人物でした。
その上、その正体は他国に人質として送られたフランダー王の実の兄で、先代のエスタバニア王に攻められて国と家族を失った恨みで魔物となって蘇っていたのでした。
黒騎士の鎧を着たハルを操ってアーシャを殺そうとしますが、ユウによって阻まれます。
諦めきれないヨキは恐ろしい魔物の姿になり、アーシャを連れて外に出ます。
ユウも追いかけてアーシャを助け出そうとしますが歯が立たず、反撃を受けて胸を刺されてしまいます。
瀕死のユウの前に、二ノ国の事を教えてくれた老人が現れます。
そして「お前に伝説の剣・グラディオンを授ける」と言い残して去ってゆきました。
グラディオンの力により傷が治ったユウは再びヨキに立ち向かいます。
それでも怒りと恨みに凝り固まったヨキは強く、ユウはグラディオンを跳ね飛ばされてしまいます。
しかし、すかさずそれを拾ったハルによって遂にヨキは倒されました。
そして、倒されたヨキの体から解放された魔力が元の世界に帰るゲートを形作っていました。
この機を逃せば、もう帰れなくなるかもしれません。
ユウは名残惜しい気持ちを押し殺し、ハルと共に帰ろうとしまうが、途中で思い直して「二ノ国」に戻ってしまいました。
元の世界に戻ったハルは、周囲の人々からユウの記憶が無くなっている事に気付きます。
元通り、コトナとの学校生活を送るうち、ハルは段々と気が付いてゆきます。
「ユウは元々は二ノ国の住人で、俺とは命がつながった者同士だったんだ・・・」
その頃、二ノ国ではアーシャの夫となったユウが次期王の座を受け継ぐ式典の真っ最中でした。
ユウとアーシャは互い力を合わせてエスタバニアを収める事を強く誓うのでした。
完。
「二ノ国」見どころ
向こう見ずなところもある自信家で、直感で動くタイプのハル。
思慮深く慎重だが、実は心の奥に誰にも負けない勇気を秘めているユウ。
大事な人の為に他の誰かを殺す選択を迫られ、互いに争う事もありながら困難に立ち向かってゆく姿は「この先どうなるんだろう?」と手に汗握りました。
本当はコトナの事が好きなのに言い出せなかったり、動かない足の為に悔しい思いをしたりするユウの複雑な表情や、愚直なまでにコトナの事を思い感情のままに行動するハルのストレートさは作品に深みを与えてくれました。
また天真爛漫そのものの明るさで周りまでも元気づけるコトナや、清楚さの中に子供っぽさを残すアーシャ姫もそれぞれに魅力的でした。
夏らしい、ファンタジー物、ジュブナイル物の王道を行く作品で素直にワクワクできます。