映画「マイアミ・バイス」は、コリン・ファレル主演、マイケル・マン監督の2006年のアメリカ映画です。
この映画「マイアミ・バイス」のキャストやネタバレ、あらすじ、最後ラストの結末と見どころを紹介します。
麻薬コネクションに潜入する名コンビの活躍を描く「マイアミ・バイス」をお楽しみください。
大ヒットTVシリーズの映画化です。
映画 マイアミ・バイス キャスト・スタッフ
■ スタッフ
監督: マイケル・マン
制作: マイケル・マン他
製作総指揮: アンソニー・ヤーコヴィック
音楽: ジョン・マーフィ
脚本: マイケル・マン
撮影:ディオン・ビーブ■ 主要キャスト
ジェームズ・ソニー・クロケット:コリン・ファレル
リカルド・タブス:ジェイミー・フォックス
イザベラ:コン・リー
トゥルーディー・ジョプリン:ナオミ・ハリス
ジーナ・ナバーロ・カラブリーゼ:エリザベス・ロドリゲス
ホセ・イエロ:ジョン・オーティス
モントーヤ:ルイス・トサル
マーティン・カステロ:バリー・シャバカ・ヘンリー
アロンゾ:ジョン・ホークス
ニコラス:エディ・マーサン
ラリー・ジート:ジャスティン・セロー
映画「マイアミ・バイス」あらすじ
マイアミ警察で相棒として数々の事件に携わってきたソニー(コリン・ファレル)とリコ(ジェイミー・フォックス)。
ある日、二人が使っている情報屋の家族が殺され、その情報屋も自殺してしまいます。
彼はFBIの仕事を請け負った事で家族を殺され、自殺に追い込まれてしまったのです。
この事件により、大掛かりな密輸組織への潜入を試みた二人。
しかしそこでソニーが組織のボスの女・イザベラ(コン・リー)と恋に落ちてしまい・・・。
果たして彼らは組織を壊滅させる事が出来るのでしょうか―――?
映画「マイアミ・バイス」ネタバレ
売春捜査に潜入していたソニー(コリン・ファレル)に、怯えた声で電話してきた情報屋・アロンゾ(ジョン・ホークス)。
俺は姿を消す、そう言って電話を切った彼の様子に非常事態を感じたソニーはFBIマイアミに電話をかけます。
隣では異変を知ったリコ(ジェイミー・フォックス)がアロンゾの自宅に電話をかけますが、誰も出ることはなく留守電に・・・。
メッセージを吹き込むリコの声が流れる室内に、アロンゾの家族の姿はありません。
ただ、体中刺青だらけの大男が冷蔵庫を漁っています。
血に濡れた手袋を嵌めて・・・。
ソニーの電話にはFBIマイアミ副捜査官のフジマ(キアラン・ハインズ)が出てきました。
FBIの仕事により取引の顔合わせに使われたアロンゾ。
そう聞いたソニーは売春捜査を中止して、リコと共にアロンゾの車を追います。
かつて取り付けていた彼のGPSを頼りに見つけたアロンゾは、車を停車させた二人の前にヨロヨロと降りてくると、娘が誘拐された、と口にしました。
だから一刻も早く帰りたいんだ、と。
しかしリコらの手配で自宅に向かっていた警官隊からは非常な報告が届くのです。
沈痛な表情で、帰っても無駄だ、と話すソニー。
アロンゾは顔を強ばらせたまま首を振り、そしてそのまま車道にフラリと飛び出ると、トラックにはねられて死んでしまったのでした。
大事な友人でもあったアロンゾとその家族に死に、強い怒りを覚えるソニーとリコは、自分達を呼び出したフジマにその怒りをぶつけます。
しかし彼もまた部下を三人も亡くしていたのです。
どうも潜入捜査の詳細が相手側にバレている・・・そう話すフジマは、この捜査に加わっていないソニー達に潜入捜査を申込みます。
密売人イエロ(ジョン・オーティス)の運び屋となって、掴みきれない犯罪組織の正体を探って欲しいと言うのです。
そこで二人は、イエロに接触する前に彼の密輸荷物を奪う作戦に出ます。
運び屋の手法をフジマから聞くと、その積荷の荷下ろし場所を襲撃したのです。
あっという間にすべての積荷を奪い、準備を整えた彼らはいよいよイエロに会う為、小型ジェットを飛ばしてボルドープランスに乗り込みます。
ソニー達は同僚でありリコの恋人でもあるトゥルーディー(ナオミ・ハリス)が作ってくれた詐称経歴を掲げての潜入です。
銃を構えた部下たちに監視されながらボディーチェックを受け、たどり着いた薄暗い部屋にいたイエロ。
穏やかに始まったかに見えた面接も、イエロが彼らの運び屋としての経歴を聞いてきたことで一転、銃や手榴弾を持ち出す一触即発の雰囲気に。
その時部屋の隅から女性の声が聞こえてきました。
英語ではない言語で何事かを指示した彼女こそ、組織のNo.2とも言える立場にいるイザベラ(コン・リー)です。
彼女の一言で空気が変わり、銃を下げさせたイエロ。
イザベラの案内で二人は、組織のボス・モントーヤ(ルイス・サトル)にリムジンの中で会います。
高級時計を身に付けたモントーヤとの面会はほんの数分で終わってしまいますが、無事面会を済ませたソニー達は運び屋としての仕事を請け負う事が出来ました。
去っていくリムジン、モントーヤの隣に座っているイザベラをソニーは見つめています。
そして彼女もまた彼から視線を外す事なく去っていったのでした。
お試しとも言える最初の荷運びを終えた彼らに、イエロから電話がかかってきます。
無事仕事を完遂した事を褒める彼を、ソニーが呼び出しました。
先に盗んでおいたあの荷物を積み上げた家に、イエロを呼び出したのです。
これは二週間前に盗まれた自分の荷物だと驚く彼に、実は・・・とソニーが切り出した話。
それは、今回荷物を運んでいる途中で何者かに襲われ、返り討ちにしてみたら相手がこれらの荷物を隠しており、案内させて発見したという作り話でした。
しかしその作り話をもとに、もしかして内部から情報が漏れているんじゃないか?と聞くソニー。
その場は、調べてみる、と答えたイエロでしたが、彼は新参者にしてはあまりにも上手く仕事をこなすソニー達に不信感を持っているようです。
盗まれたとはいえ回収したのがソニー達である以上、金を払うことで取り戻すしかないと思っているイエロに、彼が金はいらない、と言い出した為さらに不信感が高まります。
しかしイザベラはソニー達に次の仕事を言い渡すのです。
運搬の日付だけを口にしてその場を立ち去る彼女・・・
そのあとをソニーが追います。
そしてなんと彼女を誘うのです。
心配するリコを置いて、ソニーはイザベラを乗せた船でキューバへと向かったのでした。
船で親しく言葉を交わした二人は、イザベラが誘った店で酒を飲み交わし、陽気な音楽に合わせて踊るうち、グッとその距離を近付けます。
モントーヤの妻ではなく、ただのビジネスウーマンだと自分の事を話す彼女にどんどん惹かれていくソニー。
それはイザベラも同じでした。
そのまま彼女の家で一夜を過ごした二人・・・。
離れがたい空気をまといつつ、しかし結ばれた二人が将来を夢見る事は出来ません。
ソニーは改めて仕事の話を持ち出し、18%の手数料をまとめ上げたのでした。
イザベラとの時間を過ごし、帰宅したソニーの様子がいつもと違う事を、リコは敏感に察知します。
イエロの後ろに隠れていたボスがモントーヤである事から、世界的な黒幕を挙げるために、しばらくは手出し無用とフジマに話した時から、その様子は普通ではありませんでした。
イライラと殺気立ち、捜査が変わることに難色を示すフジマにくってかかるその姿に冷静さはありません。
それでもリコはソニーに、信じていると伝え潜入捜査を続けるのでした。
その頃、モントーヤと同じベットで資料を広げ仕事の話をしていたイザベラ。
彼女はフロリダ行きの荷物をソニーらに任せることを進言します。
信用できるのか?と問われた彼女はソニーと寝た事を告げながら、仕事相手としては信用しても構わないと話しました。
しかしイエロの意見は違います。
ソニーの事が気に入らない彼は、モントーヤに、仕事が終わったら彼らを殺すべきだと話していたのです。
どっちがいい?真っ直ぐな目で聞いてくるモントーヤ。
そんな彼にイザベラは、使えるビジネスマンを殺すのは馬鹿らしいが鉛を打ち込みたければ好きにどうぞ、と答えます。
緊張感のあるミーティング。
しばらくは荷物を運ばせてやろう、そう言ったモントーヤは彼女を引き寄せたのでした。
コロンビアのバランキーヤにあるイエロの店に同伴してやってきたソニーとイザベラ。
そこにはリコもトゥルーディーを連れて来ています。
奥に誘導され始まった商談。
イエロは、マレーシアからパナマに届く8トンの荷物からマイアミに運ぶ4000キロを引き渡せと話始めました。
これを絶好の機会と捉えたソニー達は動き出します。
商談を終えたリコはフジマに電話をすると、来週マイアミ沖に荷物をもって入る事を伝えたのです。
そしてリコは、月曜は税関、火曜はFBI本部と、月曜から金曜まで各組織それぞれに警報を鳴らすよう指示を出します。
これは彼の作戦でもありました。
大捕物を前に、ソニーはイザベラにそれとなく、組織から足を洗う事は出来ないか?と話します。
本気で愛してしまったからこその言葉でしたが、彼女は悲しそうに首を振るのです。
17歳からこの世界で生きるしかなかったイザベラにとって、組織での暮らしはビジネスそのものであり、抜けた自分の事など想像できないと言うのでした。
リコの作戦が当たります。
イエロから来たメールに、警報が出た事が記されていたのです。
それは火曜日・・・つまり裏切り者はFBI本部にいるということ。
情報の漏洩場所が炙り出せた事でリコ達は、積荷を警察艇に移動させ始めました。
密輸荷物を押収して、それからイエロらの逮捕に向けて舵を切ったのです。
ところがそこに一本の電話がかかってきます。
名乗る事なく話し始めた男に続き聞こえてきたのは、トゥルーディーの声・・・。
彼女はイエロの策略により拉致されていたのです。
彼女を助けたければ、積荷と交換だと言って、一番街ブリッジを指定して切れた電話。
リコとソニーは小型ボートに乗り込み陸を目指します。
トゥルーディーの命を救う為、二人の同僚たちも一斉に動き始めました。
彼女が電話口で言っていたとレーターハウスをヒントに監禁場所を推測し、犯人が使っていた通信装置のアンテナを探す事で特定を急ぐのです。
それは陸だけでなく空のヘリとも組んだ総力戦。
相手が求める荷物を渡してしまえば、トゥルーディーの命はありません。
なんとしても彼女の監禁場所を割り出し、救出せねばならないのです。
引渡し時間まで二分半・・・
監禁場所を特定した彼らは、班全員で現場に向かいます。
武装して銃を構え、目的のトレーラーハウスをぐるりと囲んだソニー達。
音もなく見張り役の敵に忍び寄ると、声も出させずあっという間に倒していきます。
忍ばせたスコープで、ハウスの中には犯人が四人、銃は二丁だと知ると、ピザ屋に扮したリコがその玄関ドアをノックしました。
何も知らない犯人が明けたのが運の尽き。
あっという間に制圧され、犯人たちは全員命を落としたのでした。
しかし計画の失敗を知らされたイエロは更なる仕掛けを組んでいたのです。
遠隔装置でハウスを爆発させたイエロ。
ハウス周辺であたりを探っていたリコたちも吹き飛ばされましたが、助かった安堵にぐったりしながら今まさにハウスから出ようとしていたトゥルーディーはその衝撃をモロに受けてしまいます。
そのまま病院に担ぎ込まれるも、生死の境をさまようトゥルーディー。
手術を終えても意識は戻らず予断を許さない状況です。
その頃イエロはモントーヤの前で、積荷を失った事の申し開きをしています。
必ず取り返す、それよりもこれを見てください。
そう言って彼が出してきたのはダンスホールで密着して踊るソニーとイザベラの姿でした。
病院を出たソニーにイエロが電話をかけてきます。
彼はソニーらが抑えている積荷を取り戻すために、再度の取引を持ち出したのです。
それは翌日の夜、直接対峙しての取引ということで話がまとまりました。
イエロ自身が取りに来るという絶好のチャンスを活かすため彼らは作戦を練ります。
そこには、意識の戻らない彼女を病院において参加しているリコの姿もあります。
彼は、ソニーを案じているのです。
明日はいよいよバッジを晒して本当の姿を現す日・・・
それがイザベラの前で出来るか?と問うリコに、出来るわけがない、彼女は裏切れないと返すソニー。
それほどまでに彼はイザベラに真剣になってしまっていたのです。
映画「マイアミ・バイス」ラスト最後の結末
それでも時間が待ってくれる事はありません。
取引の場所はボージン船置き場。
夜に紛れながら狙撃手を配し万全の構えです。
彼らの作戦は敵の狙撃手を見つけ次第射殺、それまで行動をこすな、という指示がソニー達には与えられています。
緊迫感漂う中、対峙した彼ら・・・
その時イエロが連れてきたのはイザベラでした。
彼女は、ソニーから仲間が誘拐されたとの電話を受け、イエロに抗議に出向いた時捉えられていたのです。
思っても見ない展開に驚くソニーに、下卑た笑みを浮かべながら、ボスにもらった、とあざ笑うイエロ。
彼は彼女を使って荷物の確認をさせようとしたのです。
その時でした。イヤホンに狙撃手を見つけた、今だ!との指令が入ります。
一気に銃撃戦へと突入した現場。
ヘリも登場し、警官隊の突入により形勢はソニー達に傾いています。
そんな最中、ソニーによって物陰に避難させられていたイザベラの目に信じられない物が飛び込んできました。
ソニーの胸元で光るバッジです。
彼が刑事だったと悟ったイザベラは怒りのままに彼に近づくとそのまま掴みかかります。
その頃にはイエロを始め敵は全て射殺され、現場は混乱状態にありました。
ソニーはその混乱に乗じてイザベラを側にあった車に押し込みます。
一瞬リコと目が合いますが、彼は悟ったように何も言いません。
そのままソニーはイザベラを乗せて走り出したのでした。
彼が向かったのは仕事で使っている家。
ソニーは船を調達しイザベラにハバナへ向かうように言ったのです。
自分の為に職務に背いてくれた彼の気持ちに、彼女は切ない表情を浮かべながらそっと寄り添います。
これが彼との別れに・・・。
二人は残り短い時間を惜しむようにして過ごした後、何も言わずに別れたのでした。
THE END
映画「マイアミ・バイス」見どころ
1980年代に放送されていたドラマの映画版です。
警官役のコリン・ファレル、といえば真っ先に【S・W・A・T】が浮かびますが、見た目も内容も全く違って楽しめる作品でした。
映像的にも、ラストの銃撃戦ではまるで戦場カメラマンのような撮影方法をとった事で臨場感があり見応えがあります。
コリン・ファレルとジェイミー・フォックスという上手い役者に、神秘的なイメージから謎めいた役がピッタリだったコン・リー、とても素敵なキャストを配しているだけに、途中に挟まれる官能シーンがやや長いな・・・と中だるみを感じさせますが、それはドラマ的な見せ方の名残かもしれませんね。
もう少し短くまとめてくれたらスピード感が出て更に緊迫した気がします。
こういったストーリーの場合、割とヒロインも犯罪者ではなかった的な展開が多いので、そう言った意味では裏切られるラストでもありました。
また最後になってもFBIの裏切り者は誰かわかりません・・・
そしてボスのモントーヤがどうなったのかも・・・
コリン・ファレルを見ていると、若き日のメル・ギブソンを彷彿とさせるような強さと優しさと兼ね備えた理想的な男性像がそのまま体現されているように感じます。
ドラマ版を見ていなくても話はわかりますが、同僚の活躍も垣間見られますので一緒に楽しむのも良いかもしれませんね。