映画「メンフィス・ベル」はマシュー・モディーン主演、マイケル・ケイトン=ジョーンズ監督の1990年の映画です。
この映画「メンフィス・ベル」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころについて紹介します。
第2次世界大戦下、米軍爆撃機で出撃した若者たちの勇姿を描く「メンフィス・ベル」をご堪能ください。
「メンフィス・ベル」あらすじ
第二次世界大戦真っ只中の1943年5月、在英米軍基地。
ここまで、第8空軍は、4分の1の犠牲を出しました。
司令官として、任務を全うするクレイグ大佐(デヴィッド・ストラザーン)。
しかし心の内は、一機でも多く戦闘地から帰還するのを待っていました。
この日も、戦いを終えた爆撃機B-17が空から戻ると、地上で待つ兵士たちが迎えます。
歓喜するその中に、ブルース大佐(ジョン・リスゴー)が見つけたのは、“強運な10人”。
彼らが乗る、爆撃機B-17の愛称は“メンフィス・ベル”号。
これまで24回の出撃任務を遂行、帰還を果たしたその機体は多くの兵士の希望でした。
25回目の出撃後、基地へ帰還した兵士は英雄となり、それぞれの故郷に帰れるのです。
軍にとって、最高の広告塔になる10人。
まだ終わってもいないのに「25回目も大丈夫」と、宣伝班所属のブルース大佐はのんき。
帰還できる者、それが叶わずに命を落とす者。
感傷に浸る時間なんてない兵士たちは、自分が生きている実感を精一杯噛みしめます。
メンフィス・ベルの搭乗員は、10~20代の青年10人。
出生地も違うし性格もバラバラだから、喧嘩なんてしょっちゅう。
まだ、未経験のヴァージ二等軍曹(リード・エドワード・ダイアモンド)を、“ヴァージン”と呼んで笑うのは、自称:女たらしのラスカル二等軍曹(ショーン・アスティン)。
若いエネルギーをぶつけ合う2人と同じ10代の、ユージーン二等軍曹(コートニー・ゲインズ)は虚弱体質の心配性。
でも結局は負けず嫌いで、全員が威勢の良い似た者同士!
自信家で強気の発言が多い、ルーク中尉(テイト・ドノヴァン)。
ノリも軽く冗談ばかりで言っているけど、飼い犬を大事する優しい一面もあります。
時折、耳に煙草を挟ませるクレー二等軍曹(ハリー・コニック,Jr.)は、農家の息子でいざという時に頼りになる。
ラスカルに負けないくらい恋多き男!?その甘い歌声に、皆が酔いしれます。
早くも、“25回出撃成功”を称える記事の写真撮影に取り掛かる、宣伝班のブルース大佐。
医大卒の口ひげを生やしたヴァル中尉(ビリー・ゼイン)は、緊張からか表情が冴えません。
悲観主義のフィル中尉(D.B.スウィーニー)も「笑って」と言われても無理で嫌々撮影します。
メンフィス・ベルのリーダーは、デニス大尉(マシュー・モディーン)。
彼もまた、気を緩めるなんて出来ない生真面目な性格でお喋りも下手。
年下の奴らには“親父みたい”と煙たがられるけど、仲間思いで共に戦って来たメンフィス・ベルにも敬意を払う男です。
カメラを持って仲間の表情を撮り続ける、ダニー二等軍曹(エリック・ストルツ)。
初出撃を控えナーバスになる新人兵士に、彼は自分のお守り“四つ葉のクローバー”を手渡します。
ちょっと意地悪で、不良あがりの危なっかしいジャック三等軍曹(ニール・ジントリ)は、“やられたらやり返す”男。
ギャンブル好きで、カネの話もするけど「明日は、ドイツ攻撃らしい」と言うジャック。
それは、正しい情報でした。
一番熾烈な戦闘地ドイツに向かうと知った誰もが、気を紛らすように出撃前夜を過ごします・・・
「メンフィス・ベル」ネタバレ
──そして、迎えた朝。
相変わらず、カメラで仲間を撮っているダニー。
10人の中で一番マトモなはずの彼は、最後の任務に酒瓶を持ち込んで祝おうとしてる!?
心配性なユージーンは信仰心の強い奴で、お守りにしてるネックレスが紛失して大騒ぎ。
フラフラと酔った姿で現れたフィルは、悲観し過ぎて酒でも飲まないとやってられない。
どの兵士たちも、ドコか落ち着かない様子です。
「…目標は、ブレーメンだ…戦局に大きな影響を……」
司令官・クレイグ大佐の言葉で、ドイツへの出撃に身を引き締める者、目を伏せる者。
この日、爆撃機B-17が狙うのは、ドイツ空軍190型戦闘機の主要生産工場。
ただし、その周辺にある、学校や病院などが密集する民間地域を巻き込んではいけない。
あくまで、軍事施設を壊滅させる事が、昼間に飛ぶメンフィス・ベルはじめ24機の爆撃機に課せられた任務。
整備士による点検が終わり、それぞれの爆撃機に乗り込む兵士たち。
メンフィス・ベルの10人も、持ち場の確認を行います。
機長は、リーダーのデニス(マシュー・モディーン)。
ルーク(テイト・ドノヴァン)が、副操縦士。
生真面目と軽い奴という、真逆の性格の2 人が隣同士で座ります。
無線士・ダニー(エリック・ストルツ)は、機内にもカメラを持ち込んで思い出を撮るつもり。
医大卒の口ひげ男・ヴァル(ビリー・ゼイン)は爆撃手。
そんな彼の前に座るのは、船空士・フィル(D.B.スウィーニー)。
これまでもスグに悲観的に考えるフィルを、ヴァルは激怒しながらフォローして来ました。
機体上部に位置する銃座には、ヴァージ(リード・エドワード・ダイアモンド)がスタンバイ。
同じく下部にはラスカル(ショーン・アスティン)が入り、旋回銃手となって敵機を狙います。
ラスカルは、気づいていません……昨夜、ヴァージに狙っていた女の子を取られたなんて。
右銃手・ユージーン(コートニー・ゲインズ)は、お守りのネックレスが見つかり一安心。
「左銃手 よし」と、ジャック(ニール・ジントリ)も、ポケットにハーモニカを入れ位置に着きます。
機体の後部から敵機を狙う銃座にスタンバイするのは、クレー(ハリー・コニック,Jr.)。
しかし、攻撃地 ブレーメンの上空は曇り、天候不良で出撃はストップ!
すると、農家で身に付けた技術で、クレーは故障したトラクターを直してやりました。
緊張の糸が切れた、メンフィス・ベルの兵士たち。
リーダーのデニス以外は、ブーブー文句を言っています。
特に、生真面目なデニスの隣に座る、副操縦士・ルークはストレスが溜まっているのか!?
操縦席を離れて、後部銃手になって攻撃をしてみたいと大声を上げていました。
思い思いに、待機時間を過ごす10人。
大学を優秀な成績で卒業したダニーはこの時、カメラは置いて詩を書いていました。
皆に茶化され照れるダニーですが、ジャックが吹くハーモニカの音色に乗せて朗読。
騒がしかった空気が一変、その詩は兵士たちの胸に届き静まります。
そこに「…5分で離陸準備を」と突然、出撃命令が下され、どの兵士も慌ただしく機体に乗り込みました。
大空へ飛び立った、24機の米軍爆撃機B-17。
視界を遮る雲を何とか無事に抜けたメンフィス・ベル、隣を飛行するのは初陣のマザー号。
昨夜、ダニーに“四つ葉のクローバー”を貰った、新人兵士も乗っています。
高度3000m、酸素マスクをつけるよう指示する副操縦士・ルーク。
船空士・フィルが、僚機の合流地点に接近した事を伝えると、緊張が高まる10人の兵士。
「皆、いよいよだぞ」と、声を掛けるリーダーのデニス機長。
編隊を組んで飛行する、爆撃機B-17。
銃手たちが試射を終えると、“これで最後”と悲しむフィルは形見分け。
ルーク副操縦士は、横を飛ぶ仲間の戦闘機を見て「1人で好き勝手飛べて、うらやましい」と、愚痴をこぼします。
互いを馬鹿にし合いながらも楽しそうに、帰ってからの夢を語る10人。
実家が家具屋のデニス機長の「皆、ウチに来いよ」という、笑えない冗談に誰もが無言。
この雑な扱いも、今日で最後。
好き勝手バラバラな10人、それでも任務を遂行して生きて帰る事を皆が願っています。
「5時の方向に敵機!」
その後も、左右、上下と次々現れる敵機と空戦を繰り広げる、米軍爆撃機B-17。
新人兵士が乗る、マザー号も敵機を撃墜。
しかし、この出撃で指揮を執る、僚機ウィンディー・シティー号が敵機にやられ大破。
黒煙と仲間の血を浴びる、メンフィス・ベル。
悲観主義の船空士・フィルは、息苦しくなります。
ドイツ軍の奇襲攻撃が終わり、Cカップという愛称の爆撃機が指揮を執る事になりました。
機体下部に居る旋回銃手・ラスカルは、笑わせるのが好きだった死んだ仲間から聞いた話を始めます。
実話なのかブラックジョークなのか、ある兵士の身に起きたその出来事……。
弔うように笑い、悲しみに暮れるメンフィス・ベルの兵士たち。
僚機を失った爆撃機B-17ですが、間もなく眼下にはドイツ軍需工場が。
爆撃の目的地が近付き、空の戦いは激化して行きます。
その頃、第8空軍司令官・クレイグ大佐(デヴィッド・ストラザーン)は、兵士全員が無事帰還する事を願っていました。
そんな彼とは真逆、宣伝班のブルース大佐(ジョン・リスゴー)は、メンフィス・ベル号の帰還パーティーの準備中。
強運な10人だけしか、頭にないブルース大佐。
クレイグ大佐は「……すべての兵士が、私には特別なんだ」と、これまでの戦いで、命を落とした兵士の遺族から届いた手紙を見せます──。
「敵機 5時の方向!……5時下」
僚機と敵機の戦闘機が縦横無尽に飛び交い、乱れ飛ぶ機関銃の弾丸。
メンフィス・ベルすべての機銃も、敵機を撃墜すべく激しく動き回ります。
機体下部の旋回銃手・ラスカルに「気を付けろ!」と、声を掛ける右銃手・ユージーン。
米軍爆撃機の指揮を執るCカップが、攻撃を受け破損し編隊を離脱。
指揮権は、メンフィス・ベルに委ねられました。
落下傘を装着していない、僚機の仲間が墜ちて行く姿。
デニス機長は装着を命令しますが機体下部は狭く、162cmと小柄なラスカルも「無理」。
しかし「締めろ!」と、厳しい声の機長に従い、座席にある安全ベルトの金具を留めます。
敵機の攻撃を退け、再びメンフィス・ベルを中心に編隊を組む爆撃機B-17。
「高射砲だ!方位12時」
次々に打ち上がり、空中爆発して飛んで来る破片に、初陣マザー号は高度を上げたいとメンフィス・ベルに無線連絡を入れます。
無線士・ダニーは、目標を見失うから我慢しろと言いますが、高射砲はメンフィス・ベルの機体にも穴を開けました。
目標地点となる、ドイツ軍需工場まであと2分ほど。
燃料漏れのトラブルもどうにか対処したものの、困難は続きます。
爆撃手・ヴァルは観測機で目標を捉えようとしますが、煙幕や厚い雲に覆われ目視は不可能でした。
飛行を続けるメンフィス・ベル、その眼下にはきっとドイツ軍需工場があるはずですが失敗は許されません。
止まらない高射砲、破損する機体。
目標が見えるまで旋回という選択をするデニス機長に、ルーク副操縦士は無謀だと反論。
投下ボタンを押せば任務が終わって帰還できると、取り乱す悲観主義の船空士・フィル。
しかし、デニス機長の言葉を聞き、兵士全員が旋回し5分待つ事に同意します。
そんな中でも敵機の攻撃は続き、後部銃手・クレーは弾切れ。
ルーク副操縦士が、補充しに席を離れました。
メンフィス・ベルの操縦はリーダーのデニス機長に全権があり、他の兵士は機関銃を構え敵機と戦っている。
自分だけ何もしていないと、ルーク副操縦士は複雑な心境を抱えていました。
後部銃手・クレーに代わり、機関銃を撃つルークは一機を見事撃墜。
ところが、その敵機が僚機のマザー号に直撃します。
「マザー号 応答せよ!」無線士・ダニーの呼び掛けに、助けを求める新人兵士たちの声。
墜ちて行くマザー号に、ルーク副操縦士は自分の愚かさを痛感するのでした。
再び爆撃手・ヴァルに状況を聞いても、目標を捉える事は出来ず変化なし。
平静を装うデニス機長も、限界を感じていました。
すると「あれだ 見えた!」ドイツ軍需工場を捉えた米軍爆撃機B-17は、爆弾投下。
しかし、任務を終えた彼らは、すぐさま敵機に追撃されます。
「メンフィス・ベル」最後ラストの結末は?
ここまで激戦をくぐり抜けた、メンフィス・ベル。
襲い掛かる敵機に応戦しますが、機体下部に故障が発生し動けないラスカルは銃撃の的に。
機体上部から駆け下りたヴァージは、安全ベルトで辛うじて機体と繋がるラスカルを救出。
今度は、無線士・ダニーが居る機体中央部に、砲弾を撃ち込まれダニーが負傷します。
誰もが医大卒の爆撃手、口ひげ男・ヴァルに処置を任せようとしますが、彼は拒みました。
「…嘘だったんだ 学校には2週間しか行ってない」
それを聞いた悲観主義の船空士・フィルは、背を向けるヴァルを引っ張り出します。
「いいから行け!」と、力強い声で。
操縦席では、エンジンをやられたデニス機長とルーク副操縦士がある決断を。
出火したエンジン、消火するために機体は急降下を始めます。
機体がもつギリギリまでスピードを上げ、何とか消火出来たメンフィス・ベル。
幾多の難局を全員で乗り越えますが、やはり負傷したダニーの容体は深刻でした。
米軍基地までは、まだ2時間以上かかるため「落下傘を装着してダニーを落とす」と、口ひげ男・ヴァルは決断。
デニス機長や他の兵士も、受け入れるしかありません。
これ以上は処置出来ず、失血死するよりも敵陣で治療してもらえる可能性を……。
ドイツ人に望みを託すという選択に、悲観主義だったフィルがまた強気な事を言います。
「助ける度胸が無いのか!……君なら助けてやれる」
機体から投げ出そうとダニーの体を動かす兵士たちに、悔しさが滲んでいました──。
「帰って来た!」
米軍基地で待つ者たちは、空から帰還した仲間に歓喜しますが、メンフィス・ベルの姿はまだです。
海上を飛行するメンフィス・ベルは、4基あったエンジンが2基となっていました。
機内にある、もう使用しない重い機銃を急いで捨てる兵士たち。
基地へ帰還するのは、もちろん10人全員です。
一方、地上では戻らないメンフィス・ベルに、誰もが落胆していました。
そこに、メンフィス・ベル!
しかし着陸しようにも左の車輪しか出ません。
更に、残ったエンジンも不具合が発生。
手動でもう片方の車輪を下ろす兵士たちは、精一杯力を合わせます。
メンフィス・ベルの緊急事態に気づき、固唾を呑んで見守るクレイグ大佐たち。
そして、滑走路に降り立つ寸前、両方の車輪が下りメンフィス・ベルは無事着陸しました。
生真面目だったデニス機長は、これまで抱えていた責任や緊張から解放されたのか!?
メンフィス・ベルを降りると、大声を上げ突然シャンパンファイト!
「生きて帰る」と誓った兵士たちは、喜びに包まれます。
THE END
「メンフィス・ベル」見どころ
実在した、爆撃機B-17“メンフィス・ベル”を基に描かれた本作。
第二次世界大戦ヨーロッパ戦線。
死と隣り合わせの空から戻り機体を降りれば、大地を無邪気に駆け回る。
寝食を共にする兵士たちの笑顔は、どれも10~20代の普通の青年です。
しかも結構な悪ガキ揃いで、10人が一丸となる姿を、最初は想像できないかもしれません。
でも、10人の若き兵士が爆撃機に身を置き目にする惨劇。
そして、決断を迫られた状況で1人1人に強く芽生える心情。
本作は戦争映画ではありますが、その過程と共に青年たちが成長する姿を、存分に堪能できるでしょう。
1990年の作品だから、出演俳優たちの初々しい顔も見どころですよ。
基地や出撃前夜パーティーでワチャワチャする彼らは、可愛さもありますがほぼ不良です!(笑)
同じ服装でパッと見は全員似ているので、最初は名前と顔が一致しないかもしれません。
それでも、出撃前の兵士の気持ちに触れれば、十分作品に入り込む事は出来るでしょう。
次第に個々の特徴、ダメな所や良さも分かって来ますよ。
不良のジャック(ニール・ジントリ)は、新人兵士をビビらせる意地悪な奴!
おまけに、飛行中のメンフィス・ベルで、隣に居る右銃手ユージーン(コートニー・ゲインズ)のお守りネックレスを空中にポイ!
そもそも、先にイタズラを仕掛けたのはユージーンだから自業自得なんです。
お守りを捨てられて激怒するユージーンなんて、全く怖くない不良のジャック。
でも本編開始から約67分後、ジャックに危機が訪れる場面から“喧嘩するほど仲が良い”が証明されます。
本当に口が悪くてイタズラっ子ばっかりだけど、憎めない連中なんです。
自称:女たらしの、機体下部旋回銃手・ラスカル(ショーン・アスティン)。
身長が低い彼は口も態度もデカく、なかなかの悪ガキっぷりを発揮してくれます。
名作『グーニーズ』(1985年)の主人公・マイキーから少し成長していますが、可愛さは健在ですよ。
出撃前夜パーティーで、後部銃手・クレー(ハリー・コニック,Jr.)が歌う『ダニーボーイ』に合わせて無線士・ダニー(エリック・ストルツ)と踊るのもカワイイ。
兵士たちがパーティーで盛り上がる中、悲観主義のフィル(D.B.スウィーニー)は1人で外へ。
厳しい訓練に耐える強い心を持った兵士、それでも彼の叫びが本心のようにも思えます。
あなたには、どう聞こえるでしょうか?
そんな弱気だった彼が“負傷した仲間を助けられるのはヴァル(ビリー・ゼイン)だ!”と、逞しく描かれる場面も印象的です。
これまで、悲観するフィルを怒って来たのに、逆に背中を押されたヴァル。
命懸けだからこそ本気でぶつかり合う友情が、ここにも生まれていたんですね。
本作は、高速で飛び回る派手な空中戦ではありません。
でも、高射砲の攻撃をまともに受ける機体。
衝撃で機体は大きく揺れますが、逃げると言う選択肢が無いことに様々な恐怖を感じます。
メンフィス・ベルの任務は爆撃。
兵士としての役割をいま一度、皆に問い掛けるリーダーのデニス(マシュー・モディーン)。
自分たち、そして多くの人々の生死を懸けた決断。
(デニスの思いをどう受け取るかは、観る者によってきっと違うでしょう)
私は彼の言葉に、自分自身も被害者、加害者ともなる二面性を持つ、ただ残酷でしかない戦争は起こしてはならないと思いました。
25回目の任務遂行、責務を果たしたリーダー・デニスの最後の解放感たるや!
極限状態で選択し9人をまとめた彼だからこそ、湧き上がる弾けっぷりはエンディングにピッタリです。
全てを伝えきれませんが、メンフィス・ベルの搭乗員それぞれにドラマがあります。
そして、地上で待つクレイグ大佐(デヴィッド・ストラザーン)と、ブルース大佐(ジョン・リスゴー)にも。
目を覆いたくなるような戦争の描写が苦手な方でも、比較的観やすい作品だと思います。
ただ、デニス(マシュー・モディーン)が機内に持ち込むスープ絡みのシーンが、ビビリの私は一番驚いたかも。
突然起こる、その衝撃展開も是非お見逃しなく!
爆撃機、そこに搭乗する若者が精一杯命を燃やす物語を、どうぞご堪能ください。
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