映画「ディープ・インパクト」はイライジャ・ウッド主演、ミミ・レダー監督の1998年の映画です。
この映画「ディープ・インパクト」のネタバレやあらすじ、最後のラストの結末、見どころを紹介します。
彗星が地球に衝突する!人類滅亡を阻止できるのか?「ディープ・インパクト」をご堪能ください。
「ディープ・インパクト」あらすじ
アメリカ大統領トム・ベック(モーガン・フリーマン)。
この日、大勢の記者やTVを見ている国民に、彼が伝えたのは“ある彗星”の話。
「……僅かですが、地球に衝突する可能性を持っています」
過去に起きた、車ほどの大きさの隕石落下は比ではない。
世界最高峰のエベレストより大きいと例えられる彗星のサイズに、どよめく記者たち。
このままでは約一年後の8月、地球に衝突すると大統領は真剣です。
加えて伝えたのは、人類滅亡の危機を阻止する対策を既にとっている。
そう落ち着いた口調で、国民に呼び掛けました。
巨大彗星の名称は“ウルフ・ビーダーマン”。
この会見からおよそ一年前、未確認だった彗星を発見したのは、高校生リオ・ビーダーマン(イライジャ・ウッド)。
その情報をもとに彗星の軌道を計算した、天文学者ウルフ(チャールズ・マーティン・スミス)。
このままでは、地球に衝突する……
驚愕の事実にウルフは資料を持って車を走らせますが、不慮の事故で亡くなりました。
その後、事態を知ったアメリカ政府はロシアと共同で、宇宙船建造プロジェクトを水面下で進行。
そして、地球の軌道上に人類を救う宇宙船が完成、その名は“メサイア(救世主)”。
間もなくシャトルで地上を飛び立つ精鋭6人が、メサイアに搭乗し巨大彗星へ。
着陸後は、掘削作業に移り100メートル掘り進んだ先に核爆弾を設置。
6人を乗せたメサイアがそこを離れ、起爆スイッチを押し巨大彗星を爆破。
滅亡をもたらす巨大彗星は粉砕され、軌道から外れる事で被害を最小限にとどめる。
6人の中にはアポロ計画で月に降りた経験を持つ、ベテラン宇宙飛行士タナー(ロバート・デュヴァル)の姿もありました。
「あなたのような、経験者がいてくれて心強い」と、大統領。
会見を見た国民の中には顔が強張る者も居れば、彗星の発見にワクワクする者も。
彼らと同じように、この時はじめて事態を知り突然名前を呼ばれたリオは、嬉しさと戸惑いを感じます。
会見場には、本来ここに来る立場にないジェニー・ラーナー(ティア・レオーニ)の姿も。
TV局に勤め、いわゆる下っ端ジャーナリストの彼女がつい2日前、大統領と対面しました。
その経緯は“E.L.E.(エリ=人類の絶滅)”と“エリー(不倫相手)”の勘違い。
この数か月、ニュース番組のメインキャスターを狙い、特ダネ探しに奔走する彼女。
リッテンハウス財務長官(ジェームズ・クロムウェル)の突然の辞任は、エリーだと突き止めます。
財務長官を直撃した彼女は、“巨大彗星の暴露”を恐れるFBIに連行され大統領と対面。
(互いの)勘違いにより彼女には特別席が用意され、一番目の質問者になる事も可能に。
あまりに異様すぎる展開に、疑問が残る彼女は“E.L.E.”について調べました。
そして、会見を待たずに真実を知り恐怖に駆られます。
「……不安と恐怖を抱く事になる、しかし我々は生き残ります 我々は勝つ」
会見で国民に約束する、大統領(モーガン・フリーマン)。
この会見がキッカケとなり、キャスターに大抜擢されたジェニー(ティア・レオーニ)。
宇宙船メサイアに乗り込む、ベテラン宇宙飛行士タナー(ロバート・デュヴァル)。
そして、巨大彗星の第一発見者で、名前が付けられた高校生リオ(イライジャ・ウッド)。
地球に生きる彼らの、それぞれの物語が描かれます──
「ディープ・インパクト」ネタバレ
仕事に懸けるジェニー(ティア・レオーニ)は、未婚。
この日、母ロビン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)との話題は、父の再婚でした。
娘のジェニーと変らない年齢の相手との再婚を、面白おかしく話す母。
心の中では本当は寂しがっていると、ジェニーは分かっています。
その後、口外できない“人類滅亡”を知ることになるジェニー。
彼女が不倫を疑った財務長官は、残された時間を家族と過ごすと決め辞任したようです。
父ジェイソン(マクシミリアン・シェル)と、再婚相手クローイ(リヤ・キールステッド)との会食。
「ジェニーも幸せに……人生は続くわ」
何も知らない2人に、複雑な感情が込み上げるジェニーは涙を浮かべ去ります。
そして2日後、巨大彗星の会見で大統領(モーガン・フリーマン)に質問する、娘の姿がTVに映りました。
この会見で一躍有名になった、高校生のリオ(イライジャ・ウッド)。
特に父ドン(リチャード・シフ)は、集まる近所の人々に向かって自慢気に声を掛けます。
リオの活躍に、ガールフレンドのサラ(リーリー・ソビエスキー)も嬉しそうでした。
宇宙船メサイアに向かって、シャトルが打ち上げられる日が迫ります。
ベテラン宇宙飛行士タナー(ロバート・デュヴァル)は、他の5人のクルーは優秀だと安心。
しかし一方では、宇宙飛行に恐怖心がない若者を懸念します。
親子ほど年が離れるタナーの、月に着陸した華々しいキャリアを何とも思わない5人。
今回の彼の搭乗は宣伝のためと笑う5人は、過酷な訓練を耐えた自信に溢れていました。
そんな5人にタナーは「…これはゲームじゃないぞ」と、笑い返します。
“メサイア計画”の指揮官は、オーレン(ロン・エルダード)。
操縦士アンドレア(メアリー・マコーマック)、医療担当ガス(ジョン・ファヴロー)。
ロシアからは、核専門家のミカエル大佐(アレクサンダー・バルエフ)。
ナビゲーターのマーク(ブレア・アンダーウッド)。
そして、巨大彗星への着陸船操縦士タナー。
カウントダウンがはじまり、6人を乗せたシャトルは白煙を上げNASAから宇宙へ。
アメリカのみならず、世界中の人々が彼らの成功を祈って空を見上げました。
「…メサイアが積んでいるのは、彗星を爆破する8個の核爆弾です」
各ニュースで計画が伝えられ、キャスターに抜擢されたジェニー(ティア・レオーニ)も奮闘。
しかし、これまでキャスターを務めて来た、同僚ベス(ローラ・イネス)と気まずくなります。
宇宙船メサイアに搭乗したタナー(ロバート・デュヴァル)は、巨大彗星に思わず感嘆。
船内では、爆破に向けて着々と準備が進められ、若いクルーたちにも緊張感が漂います。
地上では、TVを見ている国民に「メサイアは、最終段階に入ります」と、伝えるジェニー。
専門家は6人の脅威になるのは太陽光や噴出するガスで、例えれば彼らは“地雷原”に居ると。
船内の様子が地上にも届けられますが、受信は途絶える事のほうが多くジェニーも対応。
操縦桿を握るタナー、TVを見ているリオ(イライジャ・ウッド)たちも緊張に包まれます。
メサイアは、無事に巨大彗星に着陸。
指揮官オーレンら4人が船外へ出て掘削作業、核爆弾の設置へ。
しかし、思うように作業は進まず時間だけが無情に過ぎて行きました。
穴の深さは未だ23メートル、それでは彗星の表面を吹き飛ばすだけ。
現状を打開しようと、オーレンが穴の中へ入り核爆弾を設置──太陽が昇るまであと30秒。
辺りは眩しくなり、彗星のいたる所からガス噴出。
仲間に引き上げられるオーレンは、焼けるような太陽光に悲鳴を上げます。
そして、ガス噴出でクルーの1 人、医療担当ガスが宇宙の彼方へ飛んで行きました。
命からがら船内に戻ったオーレンら3人のクルー、メサイアも彗星から離陸します。
負傷したオーレン、仲間を宇宙に置き去りにした若いクルーは恐怖を知りました。
その悲劇はTVに釘付けになる国民も知る事となり、起爆準備中も伝えられます。
指揮官だったオーレンに代わって、指揮を執るタナー。
起爆スイッチを押し巨大彗星が大爆発を起こすと、その衝撃に襲われたメサイア。
NASAに爆発の様子は送られますが、直後から船内カメラの回路は切断され通信も途絶えてしまいました。
国民に“メサイア計画の失敗”を伝える、大統領(モーガン・フリーマン)。
「彗星は破壊されず大小2つに割れました…地球に向かっています」
不安げにTVを見る国民に大統領はメサイア計画同様、進めて来た二つの計画を伝えました。
核ミサイルによる迎撃で、巨大彗星の軌道を逸らす“タイタン作戦”。
そして、彗星が地球に衝突した場合を想定し、新世界の構築が出来るよう巨大な地下都市“ノアの方舟”を建設。
大気が浄化されチリが収まるまでの二年間、地下都市で100万人が共同生活を送る。
既に20万人は科学者や医師、芸術家といった人材が決定。
残りの80万人は一般から無作為に選出されると伝えられ、救済されない事実に呆然とする国民も居ました。
「私は信じている…」と、国民に寄り添う大統領の言葉を胸に、キャスターの仕事を全うするジェニー。
「一般の50歳以上の人は、対象とはなりません…」
そう伝える娘の姿を、母ロビン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は静かに見つめます。
宇宙船メサイアの5人は、生き延びていました。
若いクルーたちは地球への帰還を選択し、タナー(ロバート・デュヴァル)も微笑みます。
太陽光で失明してしまったオーレン(ロン・エルダード)と、ゆっくり話をするタナー。
古い仲間たちに“フィッシュ”と呼ばれる事や、2人の息子と亡くなった妻の事。
“常にベストを尽くす、諦めない”と、実は似た者同士だったこの2人。
まるで子供に聞かせるように、タナーはオーレンに『白鯨』を読んでやります。
地下都市の抽選に、“巨大彗星の第一発見者”リオ(イライジャ・ウッド)たち家族は当選。
しかし、ガールフレンドのサラ(リーリー・ソビエスキー)たち家族には、通知が届きません。
リオは悲観するサラに「結婚しよう」と、指輪を贈ります。
夫婦なら一緒に地下都市へ行けると言い、サラの家族も行けるように“特権”を使うと。
そして、2人は互いの家族に見守られ結婚します。
数日後、地下都市へ向かうバスがリオの家にやって来ました。
両親と妹、そして妻サラをバスに乗せるリオは、サラの家族が名簿に載っておらず困惑。
「私も残る…」家族を選んだサラはバスには乗らず、夫リオと離れ離れになります。
キャスターのジェニー(ティア・レオーニ)も、地下都市への抽選に選ばれました。
「あなたが助かれば幸せよ」と、背中を押し気丈に振る舞う母はその後、自死。
その連絡を受けたジェニーは、母を捨てた父ジェイソン(マクシミリアン・シェル)に、やり場のない悲しみをぶつけます。
彗星の衝突まで5日──
地下都市の入り口前には、抽選から漏れた大勢の国民が押し寄せていました。
バスを降りいよいよ中へ入ろうと言う時、リオ(イライジャ・ウッド)は立ち止まります。
「…サラのところに戻る」
妹と母は別れに泣きますが、父ドン(リチャード・シフ)は一人前の男になった息子を行かせます。
TV局で働くジェニーの元に、写真を持った父ジェイソンがやって来ました。
そこに写るのは、思い出が詰まった海辺の家と5歳のジェニーと父。
「カメラマンが、母さんだ……3人が一緒で本当に素晴らしい日だった」と、微笑みます。
この日、TVを見る国民に大統領(モーガン・フリーマン)が伝えたのは、タイタン作戦の失敗と2つの彗星の衝突地点。
先に小彗星が大西洋に落下、その衝撃で大津波が押し寄せ甚大な被害をもたらす。
そして大彗星の衝突は、まさに人類滅亡レベルで、カナダ西部に落下するとみられる。
居た堪れない気持ちの大統領は「…人類に幸運を」という言葉で結びます。
彗星の衝突まで10時間37分──
宇宙船メサイアではタナー(ロバート・デュヴァル)が、大彗星に深さ3キロの穴が開いている事に気づきました。
若き4人のクルーに「積まれた核爆弾の残りは?」と質問、その答えは「4つです」
最後まで望みを捨てないタナーは、大彗星を爆破するチャンスがあると考えていました。
たとえ少数だとしても助かる人は居る……しかし、今のメサイアには無謀すぎる挑戦。
オーレン(ロン・エルダード)たちは、タナーが何をしようとしているのか気づきます。
それは、メサイアごと大彗星に突っ込み、大爆発を起こして地球を守る──
通信が回復したメサイアから、NASAにクルー5人の想いが伝えられます。
TV局では、定員7人のヘリコプターの搭乗者を決める、クジ引きが行われていました。
大津波から逃れるため山へ向かう最後の望みに、誰もが当たりクジを引きたがっています。
地下都市へ行くジェニー(ティア・レオーニ)は搭乗決定で、残り6人。
同僚ベス(ローラ・イネス)の幼い娘ケートリンは「見てハズレだよ」と、無邪気に笑っています。
娘を連れて部屋を出るベスに胸を締め付けられるジェニーは、ヘリの搭乗を放棄。
強引にベスとケートリンをヘリに乗せ、独りで居る父の元へ急ぎます。
「ディープ・インパクト」最後ラストの結末は?
リオ(イライジャ・ウッド)が、妻サラ(リーリー・ソビエスキー)の自宅に到着した時には、家族は車で避難したあと。
道路は大渋滞が発生し、先を急ぎたい者たちの怒号が飛び交っていました。
そして、バイクに乗ってサラたち家族を捜すリオは、とうとう再会を果たします。
サラの両親は、若い2人に希望を託し高台へ逃げろと背中を押しました。
「幸せになって 愛しているよ」
リオは両親との別れに泣きじゃくるサラを乗せ、バイクを走らせます。
ジェイソン(マクシミリアン・シェル)が海を眺めていると、娘ジェニー(ティア・レオーニ)がやって来ました。
素直に向き合う親子は、最後の時を一緒に過ごします。
そして、見上げる空に小彗星が現れると、誰もが目を奪われました。
しかし、その数分後には大津波が発生、逃げ惑う人々の悲鳴が響き親子は波に飲まれます。
大津波から逃れるため、懸命に高台へと駆け上がるリオとサラ。
同じ頃、メサイアの5人は宇宙から地球を眺めていました。
大彗星へと進む英雄たちに、NASAに駆け付けた家族との最後の時間が訪れます。
「……あと25秒」起爆へのカウントダウンがはじまりました。
長年、宇宙飛行士を続けて来たタナー(ロバート・デュヴァル)。
最高の仲間と最高の任務を遂行し、その生涯を閉じます。
大彗星に衝突、大爆発を起こした宇宙船メサイアによって、粉砕した彗星の欠片は大気圏で燃え尽きました。
赤くなる空を見つめる、リオ(イライジャ・ウッド)とサラ(リーリー・ソビエスキー)。
小彗星による大津波で壊滅的な被害を受けましたが、人類滅亡の危機は乗り越えました。
大統領(モーガン・フリーマン)は、国民に想いを伝えます。
尊い犠牲のもと、生き残った我々は新たな一歩を踏み出すと──
THE END
「ディープ・インパクト」見どころ
地球消滅!人類滅亡!それを阻止すべく命を懸けた者たちの物語。
ハリウッド映画ではド定番!この手の作品の中では個人的にも大好きな映画です。
何と言っても描かれる群像劇が魅力的で、何度も観て展開を知ってるのに泣いちゃう!
キャスターのジェニー・ラーナー(ティア・レオーニ)。
高校生リオ・ビーダーマン(イライジャ・ウッド)。
ベテラン宇宙飛行士スパージョン・タナー(ロバート・デュヴァル)。
直接的に3人が顔を合わせることは無くて、共通点は地球に生きる人類というだけ。
目の前に迫る滅亡の危機に、それぞれの心がどう動くのか。
彼らの決意は、その心に居る大切な人たちへの愛に溢れているんです。
そして、モーガン・フリーマンが演じたアメリカ大統領トム・ベック。
彼もまた、穏やかな口調ながら熱い想いを胸に秘めています。
国民へ伝える言葉はとても現実的で、そこには偽りがありません。
メサイア計画やタイタン作戦の失敗を心から嘆き、人類を救った英雄を称える。
最後に大統領が伝える言葉に生きる希望を持ち、勇気を奮い起こした方もいるのではないでしょうか。
SFパニックらしく映像はド迫力満点!(※大津波など、ご配慮が必要な方はいるかもしれません)
それでも、個人的に本作はヒューマンドラマだと思っています。
どうぞ、彼らを含めその家族にも、想いを馳せてみて下さい。
本作が大好きな私としては、全シーンおすすめですが長くなりそうなので…
宇宙船メサイアに乗り込んだ、英雄たちの事をお伝えします。
男気溢れるタナーは残念ながら妻を亡くしていますが、2人の息子は彼と同じ海軍兵学校に進みました。
だけど、独立した息子たちは任務中とあって、親子の最後の別れは叶いません。
そんなタナーは、妻と子供たちの写真を操縦席に飾っています。
妻への、一途な想いを口にするタナー。
名優ロバート・デュヴァルの、カッコ良さにシビレる~。
他のクルーが愛する家族と交わす別れの言葉も、王道ですがやっぱり胸に沁みます。
涙もろい私はここに来るまで十分に泣かされていますが、オーレン(ロン・エルダード)のシーンは完全にやられます!
ニュースでは“失明”ではなく、負傷としか伝えていません。
(個人的には、家族はその事実を知らないと思っています)
仲間のマーク(ブレア・アンダーウッド)が見せる、心配りに胸熱!
唯一の女性クルー、アンドレア(メアリー・マコーマック)もカッコイイ!!
大彗星に向かって行く宇宙船メサイア、衝突寸前にそれぞれのクルーが見せる表情も印象的。
個人的には、ロシア人飛行士ミカエル(アレクサンダー・バルエフ)の顔にグッと来ます。
あくまで勝手な想像ですが、彼の仕事柄というか宇宙への想いがそうさせていると…。
もしも私が…そして、あなたがクルーの1人なら、その時をどう迎えるでしょう?
公開時期が近く、よく対比される『アルマゲドン』より派手さは無いと思います。
それでも、丁寧な描写が心に響く名作『ディープ・インパクト』どうぞご堪能下さい。
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