映画「暴走特急」はスティーヴン・セガール主演、ジョフ・マーフィ監督の1995年公開の映画です。
この映画「暴走特急」のネタバレやあらすじ、最後ラストの結末、見どころを紹介します。
列車をハイジャックしたテロ集団と元秘密戦闘員の戦いを描く「暴走特急」をお楽しみください。
「暴走特急」あらすじ
コロラド州デンバーで暮らす、ケイシー・ライバック(スティーヴン・セガール)。
レストランを経営している彼の経歴は、海軍特殊部隊の精鋭、しかも対テロ部隊指揮官。
アメリカ海軍戦艦ミズーリでコック長をしていた時に遭遇したのは、テロ集団によるシージャック事件。
仲間と共にテロリストを一掃したライバックは、ただのコックでは無く“最強のコック”なのです。
除隊した今は厄介な連中に遭うことは無いと思いきや、ライバックの行くところテロ集団あり!
たった一人の身内、姪サラ(キャサリン・ハイグル)と乗った列車が占拠されます。
首謀者はCIAの技術者だった、トラヴィス・デイン(エリック・ボゴシアン)。
一年前までは、地震研究に有益をもたらす人工衛星グレイザー1号を設計した逸材と、もてはやされたデイン。
しかし、搭載された地震を誘発する粒子ビームは、高性能兵器にもなり得るものでした。
“イカれた危険人物”と判断した、CIA高官トム(ニック・マンキューゾ)らはデインを解雇。
どうやら、戦艦ミズーリを占拠したストラニクス(トミー・リー・ジョーンズ)同様、デインもCIA上層部に恨みを持ったようです。
解雇されたデインは、のちに車ごと湖に沈んだと噂が広まりました。
狂気染みたデインが消えると、秘密情報本部はグレイザー1号を“気象衛星”と偽って軌道に乗せます。
指揮を執るクーパー将軍(カートウッド・スミス)も、もちろん兵器だと分かっていました。
グレイザー1号の制御権を握るとCIA高官トムも満足な顔をして、職員たちも拍手。
まさか、死んではいなかったデインに、復讐されるなんて思っていません。
そして・・・
「暴走特急」ネタバレ
週末、二階建ての豪華特急列車には、たくさんの人々が乗っていました。
デンバーを出発するとロッキー山脈を抜けて、西海岸ロサンゼルスまでの長旅。
乗車口で迎えたのは、ポーターとして荷物を運ぶ、青年ボビー(モリス・チェストナット)。
腕の立つライバックとサラに、強がってみせるお調子者で仲良くなりました。
サラのために、食堂車の厨房を借りてケーキ作りをするライバック。
実は、五年ぶりの叔父と姪の再会は、ぎこちないものでした。
それでも、亡くなったジェイムズ(ライバックの兄でありサラの父)のため、良い旅にしたいと思っています。
列車が動き始めて間もなく、運転士は線路で旗を振る男たちに気づき停車。
「トラブルか?」
「あぁ、射殺事件だ ここでな!」
運転士は始末され、潜伏していた傭兵が次々と列車内に突入!
容赦なくマシンガンをぶっ放す傭兵は、怯える乗客と従業員を人質にとります。
一方、食堂車にやって来た傭兵をライバックが撃退すると、食堂車は一斉乱射の標的に。
次々と湧き出てくる傭兵!
ライバックは冷凍庫に身を隠しました。
列車と合流したのは、空軍基地を襲撃して奪取したヘリコプター。
首謀者デインと、傭兵のリーダーで屈強なマーカス・ペン(エヴェレット・マッギル)が降り立ちます。
列車の二階に運び込まれる、コンピュータ機器。
あと必要なのは、グレイザー1号へのアクセスコード。
実は、アクセスコードを知る秘密情報本部の元同僚が、列車旅を満喫中でした。
「生きてたのか…」と、驚く元同僚を容赦なく追い詰めるデインは、制御権を奪取します。
銃声が止み、再び動き出す列車。
「テロか…こういうのなら得意だ」と、ライバックは戦闘モードに・・・
列車内のTV画面に映し出された、首謀者デイン。
「やぁ、人質の皆さん!……緊急の場合は皆さんを撃つ事も」
ソレを見たライバックが車内を見まわると、至るところに傭兵が居ました。
そこで、窓から列車の屋根へと移動!
すると、無残にも渓谷に落とされる者(用済みの元同僚)を目撃します。
「なんてことを…」
やり切れないライバックが武器を探しに荷物車へ行くと、逃げ延びた青年ボビーが隠れていました。
テロ集団と戦おうとする無謀なライバックを「俺はポーターで、あんたはコックだ!」と、必死に止めるボビー。
しかし、人質の救出に真剣で「俺を信じろ!」と、力強いライバックにヤル気になります。
今、この危機を救えるのは俺たちだけ!
制服を脱ぎ捨てたボビーも、戦闘モードに・・・
その頃、秘密情報本部では緊急ブザーが鳴り響き、スクリーンからグレイザー1号が消失。
「奴らはシステムから完全に締め出された!グレイザー1号を制御できるのは俺だけ!!」
早速、奪取した“兵器”の威力を元上官に見せつけてやる、設計者のデイン。
照準を定め化学兵器工場が一瞬で惨状と化すと、称賛したのは世界中のテロリストでした。
爆破依頼と大金が舞い込むデインは秘密情報本部のスクリーンに出現すると、クビにした元上官を嘲笑います。
グレイザー1号の計画を推し進めたクーパー将軍は、叱責覚悟で海軍のベイツ提督(アンディ・ロマーノ)に緊急事態を報告。
実は、グレイザー1号を稼働させる計画は、取り止めになっていました。
駆け付けたベイツ提督とガーザ大佐(デイル・ダイ)は、またしても失態を犯したCIAに激怒します。
秘密情報本部では、どうにか探知できたグレイザー1号を爆撃。
無事に破壊されると、クーパー将軍らは安堵!
しかしデインは、まんまと“国家安全保障局の偵察衛星”を破壊した無能な元上官を冷笑します。
これによって、グレイザー1号の探知は完全に不可能。
アクセスコードを知る部下も(死亡し)連絡が取れず、デインの居場所も一切掴めません。
すると“国防総省も破壊する”と、デインは宣戦布告。
その地下に原子炉がある事を承知で「死の灰が降り、廃墟と化すだろう」と、冷淡でした。
一階を見まわり、電話を探すライバック。
しかし、全てのケーブルは傭兵によって切断され電気は不通、外部に連絡も出来ません。
そんな状況下でも、容易く通電させるライバックは(当時の最新端末Newtonで)レストランにFAX送信。
海軍のベイツ提督に宛てたテロ集団の情報、きっと気づいた仲間は連絡してくれるはず。
そして、人質となっている姪サラも、叔父さんは助けてくれると信じています・・・
戦いは初心者のボビーに銃の扱い方を教えると、列車の屋根を伝って機関室に向かうライバック。
同じ頃、傭兵を殺す何者かが列車内に潜み、素人では無いと気づいた傭兵リーダー・ペン。
女性スナイパー・パティマも動き出し激しい銃撃戦が始まると、パティマの銃弾はライバックに命中!
“傭兵を殺す何者か”は、走り続ける列車から落ちたと、誰も車両の下を見ませんでした。
しかし、端末Newtonを見つけた、傭兵リーダー・ペンの顔色が変わります。
そこに残された名前は、数々の激戦をくぐり抜けた“最強のケイシー・ライバック”!
きっと生きていると踏んだペンは、列車の至るところを捜すよう傭兵に指示。
そして、姪サラの存在を知ると、拘束するのでした。
一方、生きていたライバックは、手製爆弾で首謀者デインを追い詰めます。
コンピュータ機器は一部破壊され、傭兵は火だるまになり車内は煙に包まれました。
しかし、乱闘も虚しくグレイザー1号は稼動しています。
急停車した列車から投げ出され、断崖絶壁で死闘を続けるライバック。
ボビーも奮闘しますが、ライバックだけを残して列車は動き出します。
「ナンバーワン兵士が、聞いて呆れるぜ…」と、傭兵リーダー・ペン。
姪サラは不安になりますが、傭兵を倒したライバックは車で列車を追っていました!
列車では、兵器グレイザー1号による国防総省への攻撃準備が整います。
同じ頃、秘密情報本部にレストランから連絡が入り、列車の捜索に取り掛かるクーパー将軍。
すると、ベイツ提督は、万が一に備え“列車に向けて爆撃機の出動命令”を出します。
列車に200人の人質が居ると分かっていても、首都ワシントンを守るべきだと。
ライバックが再び奇跡を起こすと期待はするものの、攻撃阻止に残された時間はあと18分です・・・
走り続ける列車に追い付くと、屋根に飛び乗ったライバック。
傭兵に追い詰められている、唯一の仲間ポーターのボビーを救出しました。
「…半端じゃねぇ強さだ!もうひと暴れしに行こう!!」と、ヤル気は無くしていないボビー。
しかし、いつもと違うレールに乗っている列車が、大量のガソリンを積んだ列車と正面衝突すると気づきます。
時間がないライバックは人質が乗る車両へ突撃し、次々と傭兵を仕留めました。
奮闘するボビーが連結部分を外すと、人質が乗る後尾車両は停止し救出は成功します。
同じ頃、ベイツ提督が飛ばした爆撃機は、デインによって無情にも撃墜。
上空には、テロ集団が逃亡するためのヘリコプターが現れました。
ライバックに、縄梯子を登ってヘリを乗っ取るよう使命をあたえられたボビー。
追って来た女性スナイパー・パティマを仕留めると、ライバックとサラを待ちます。
捕らわれた姪サラの救出へ向かうライバックを待っていたのは、傭兵リーダー・ペン。
しかし、勇ましく戦うも“最強のケイシー・ライバック”に息の根を止められました。
「暴走特急」最後のラストの結末は?
秘密情報本部に居る面々は、いまだグレイザー1号の位置を確認できず絶望的。
大量のガソリンを積んだ列車との衝突。
そして、グレイザー1号が首都ワシントンを襲うまで、1分を切ったその時。
捕らわれたサラを残して脱出しようとする、首謀者デインの前にライバックが現れます!
しかし、グレイザー1号を止められないライバックを嘲笑うデイン。
憤るライバックは、デインが持つ全てのプログラムが詰まったノートパソコンに発砲。
すると、制御権を取り戻した秘密情報本部は、グレイザー1号を自爆させ最悪の事態を回避します。
思いも寄らない発砲に、窓から消えたデイン。
ボビーが乗るヘリが列車に接近すると、サラは縄梯子を掴み脱出しました。
直後、正面衝突を避ける事は出来なかった列車は、火柱を上げて深い谷底に転落!
ヘリから垂れた縄梯子に飛び付いたライバックに、生きていたデインがしがみ付きます。
ボビーとサラが待つ、ヘリの中へ辿り着いたライバック。
とどめを刺されたデインは、燃え盛る炎の中へと落ちて行きました。
そして、海軍のベイツ提督らに「…人質は無事です」と、連絡が!
またしても、ケイシー・ライバックの活躍に「やったー!」と、拍手とガッツポーズで喜びを分かち合います──
思いがけない列車の旅になった、ライバックとサラ。
無事に目的地へ着くと、墓前に花を手向けるのでした。
THE END
「暴走特急」見どころ
ざっくり言えば、30年前の映画『暴走特急』。
だけど“ケイシー・ライバック”という名前を聞いて、高揚する方は今も多いでしょうね!
昔から『沈黙の戦艦』含め、スティーヴン・セガールの映画は○○ロードショー等の定番。
「またかよ!」って思うほどTVでやるし、今なお衰えずに放送するのは凄いですよね。
とは言え“セガールはセガールでしかない”って理由で、個人的にこの数年『暴走特急』は観ていません。
久々の鑑賞になったけど、いざ始まるとやっぱりワクワク!
「あぁ、この音楽なつかしい♪」なんて記憶が蘇って来ると、CIAのトム(ニック・マンキューゾ)も登場。
『沈黙~』ではお馴染みの胸ショット、そこからクーパー将軍(カートウッド・スミス)の台詞は良くも悪くも安定!
本作は続編と言っても『沈黙の戦艦』を観ていなくても、何ら問題はありません。
ライバックにお兄さんが居て亡くなったって言うのも、いきなりだったような・・・
ただ、続投となった海軍のベイツ提督(アンディ・ロマーノ)やCIAトムの、変わらない思考や性格。
そして、ライバックの強さ、冷凍庫やらの云々も二作通して堪能するのも良いでしょう。
黒スーツでビシッと決めたライバック、本作はコック帽&コックコート姿は登場しません。
大人っぽくなった姪サラに、“子供の頃に好きだったぬいぐるみ”を贈っちゃうタイプの叔父さん。
「こういうのは得意じゃない」と、落胆してると“慣れた相手=傭兵”が列車に乗り込みます。
残念ながら“傭兵1”という役ですが、演じたピーター・グリーンを一目見て「この顔、知ってる~!」って方も多いかもしれません。
私も「おぉ、レッドフット出てる」と、久しぶりに『暴走特急』を観た甲斐がありました!
※レッドフット=『ユージュアル・サスペクツ』(日本公開1996年)の故買屋の男で、ピーター・グリーンは、この他多数の悪役やってます。
何とも運命的に乗り合わせたライバックと傭兵1は、海軍時代の師弟関係でした。
“ライバックが物凄く強い”って知ってる傭兵たちがザワつく姿は、本作でも人気のシーンなので必見ですよ!
悪い奴はとことん殺す!教え子なんて事は関係ない!!
※たぶんライバックは覚えていない!?
本作は銃と素手(首ポキッ!)がメイン、傭兵1も「懐かしいですね」なんて会話ゼロで死す。
一番ライバックを流血させたのは、無口な女性スナイパー・パティマでした。
だけど、ここで観る者も驚愕させる名言を、無敵の男・ライバックは放ったんです!
「弾は貫通した、撃たれたうちに入らない」
まだまだ戦いは続くのに勝利宣言した彼に、感動で微笑んだ方もいるでしょう。
テロの首謀者デイン(エリック・ボゴシアン)が、元同僚にする脅迫方法は個人的にも絶対耐えられない。
機材をたくさん持ち込んで、兵器を思うままに操作するのは見応えあります。
だけど、結局ビビってるのはベイツ提督たち、部屋に籠ってる連中だけです。
戦艦だろうと列車だろうと、爆弾作れるライバックに怖いモンなんてあるハズ無い!
本作でも、列車内のラウンジバーでシェイカー使って、簡単に爆弾が出来上がります。
デインもアッと驚いたグレイザー1号の攻撃を止める方法は、ライバックだから許せる?!
80分くらい狂気をはらんだ男・デインに翻弄されたのに、たった一発で解決って…最高。(笑)
個人的にセガール作品は吹き替えが好みなので、デイン担当・山寺宏一の嫌味な感じが◎
ライバックたちが逃げるヘリコプターまで、必死に食らい付くガッツある本作のラスボス。
その最期は、あれがあ~なって部分的に残ってる・・・ライバック、何て惨い事を!
画的に地味っぽい気もしますが、どう考えてもトンデモナイ激痛なんですよ。
ラスボスにはなれなかったけど、強烈な存在感を放ったのは、傭兵のリーダー・ペン(エヴェレット・マッギル)。
強面で長身(190cmはある!?)のペンは首謀者デインも引くほどライバックを怖がり、だからこそサシで勝負したがる男です。
いざ勝負が始まると、ほんのり切り傷をつける事ができた!
けれども、厨房になだれ込んだのが運の尽き!?
もうボッコボコで、ここでもライバックの名言が炸裂しますよ。
屈強なペンならではの、コミカルなシーンもあるのでお見逃しなく。
まだ幼さが残る10代のキャサリン・ハイグルや、スキンヘッドじゃないモリス・チェストナットも大活躍!
安定過ぎるセガールの強さは時代を超越し、1990年前半のCGもなかなか乙なものです。
いわゆる“沈黙シリーズ”の中でも、人気の高い『暴走特急』を最後までお楽しみ下さい!
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