「ビッグ・アイズ」ネタバレ!あらすじや最後ラストの結末と見所も!

映画「ビッグ・アイズ」ネタバレ あらすじ
ヒューマン

映画「ビッグ・アイズ」は、エイミー・アダムス、クリストフ・ヴァルツ主演、ティム・バートン監督の2014年の実話を題材にしたアメリカ映画です。
 
この映画「ビッグ・アイズ」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。

絵画をめぐる画家夫婦の奇想天外な実話ドラマ「ビッグ・アイズ」をお楽しみください。

エイミー・アダムスは第72回ゴールデン・グローブ賞で主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞しています。

■ スタッフ
監督: ティム・バートン
製作: ティム・バートン、スコット・アレキサンダー&ラリー・カラゼウスキー
脚本: スコット・アレキサンダー&ラリー・カラゼウスキー
撮影: ブリュノ・デルボネル
音楽: ダニー・エルフマン

■ 主要キャスト
マーガレット・キーン:エイミー・アダムス
ウォルター・キーン:クリストフ・ヴァルツ
ディック・ノーラン:ダニー・ヒューストン
ディーアン:クリステン・リッター
ルーベン:ジェイソン・シュワルツマン
ジョン・キャナデイ:テレンス・スタンプ
エンリコ・バンドゥッチ:ジョン・ポリト
ジェーン(幼少期):デラニー・レイ
ジェーン(10代):マデリン・アーサー
判事:ジェームズ・サイトウ

 

「ビッグ・アイズ」あらすじ

女性の地位が今より低かった時代のアメリカが舞台の物語です。

横暴な夫から娘を連れて逃げ出したマーガレット(エイミー・アダムス)は、サンフランシスコへと住まいを移しますが、一度も働いたことのない彼女のもつスキルは絵を描く事しかありません。

そんな彼女が出会ったのは、不動産業で成功を収めつつも、未だ画家への夢をあきらめられない男、ウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)です。

明るく朗らかな彼に惹かれ、すぐに結ばれたマーガレット(エイミー・アダムス)。

しかしこの結婚が彼女の人生を大きく変える事になるのです。

実際に美術界を巻き込んで大騒ぎとなった事件をもとにした物語。

彼女の絵が巻き起こしたブームを見てみましょう。

 

「ビッグ・アイズ」ネタバレ

二人の挙式はハワイで行われました。

まるで楽園のように明るい色彩。
神様が作った色だわ、と喜ぶマーガレット(エイミー・アダムス)はそこでも絵を描いています。

結婚したことにより、サインは苗字のキーンと変わりました。

 
本業が順調なウォルター(クリストフ・ヴァルツ)ですが、画廊への持ち込みにも熱心に通っています。

しかし、代わり映えのないパリの街並みばかりの彼の絵相手にしてもらえません。

マーガレットの絵も見せますが、それも画廊からは通信教育で学んだイラストであって芸術じゃない、と受け入れられないのでした。

そこで彼は、流行りの酒場に絵を持ち込みます。

壁を貸してもらってそこに絵を掛け、お客に見てもらおうというのです。

しかし貸して貰えた壁はトイレに続く細い廊下だけ・・・。

そこで売れたのはマーガレットの絵一枚。

咄嗟に自分が描いたと説明した彼ですが、気持ちをささくれ立たせたウォルターは、店のオーナーと大喧嘩してしまいました。

しかし翌日絵を引き上げに来たウォルターに意外な事実がもたらされます。

あの喧嘩が新聞に載ったことで絵が飛ぶように売れたというのです。

 
帰宅後、完売した事に大喜びのマーガレットにウォルターは、もっともっと沢山描いてくれ、と言います。

僕が売るから君は描いて、という彼を信じ、制作活動に勤しむマーガレットのサインはやはりキーン。

ある日、描きあがった絵を持って店に行くと、そこには彼女の絵を自分の作品だと偽って接客しているウォルターの姿がありました。

憤慨し彼に詰め寄るマーガレットですが、金儲けのためだと言い張る彼に彼女の悲しみは伝わりません。

彼女の気持ちをおいてけぼりにしたまま、マーガレットの描く瞳の大きな子供{ビッグ・アイズ}は売れ続けます。

ウォルターの商才は本物だったのです。

彼は市長やソ連など、記事になりそうな相手に絵を贈り、それを新聞に乗せてもらうことで宣伝に使ったのでした。


 
どんどん有名になっていく{ビッグ・アイズ}。

娘にバレないように部屋にこもって描き続けるうちに、彼女と心が離れていくような気がして不安になるマーガレットを置いて、宣伝活動を成功させたウォルターはついに、自分でも画廊のオーナーになります。

それも、彼の絵を受け入れてくれなかった画廊のまん前に店を構え、お客の入りも上々で笑いが止まりません。

しかし流行りものを見に来た客ばかりだった為肝心の絵は一枚も売れず、チラシだけが減っていくのが現状です。

そこで彼は、このチラシを10㌦で売ることを決めました。

こうすることで儲けが出る、と嬉しそうに語るウォルターは、1963年カリフォルニアに豪邸を構えるまでになりました。

しかしそこでもマーガレットはアトリエにこもりきり・・・。

せっかく訪ねてきてくれた親友もウォルターが追い出してしまい、彼女が秘密を打ち明けられるのは飼い犬だけという淋しい有様です。

 
そんなある日彼女は、かつてウォルターが好んで描いていたパリの街並みの絵を見つけます。

けれどサインにはS・シニックと書かれてあるのです。

血相を変えて自宅に飾ってある彼の絵のサインを削ると・・・そこから出てきたのはS・シニックという名前でした。

ウォルターは他人の絵を自分のものとする常習犯だったのです。

それを皮肉混じりに問い詰めるマーガレット。

初めこそごまかそうとしていたウォルターですが、最後には自分のした事を認めるのでした。

 
それでも彼は{ビッグ・アイズ}を手放そうとはしません。

1964年に開催されるNY万博に傑作を贈ろうと言うのです。

芸術家は自分で自分の作品を傑作とは言わない、と反発するマーガレットですが、本当のことを喋ったら殺すぞ、と言われてしまい、結局とても大きなキャンバスに世界中の人種の子供たちを描く事になりました。

乗り気でない彼女に反し、万博の次は画集の出版予定と順調に結果を残しているウォルターは笑みが絶えません。

そんなある日、ついに彼女は、アトリエにいるところを娘に見られてしまいました。

咄嗟にごまかそうとする母親に彼女は、もうバレてるわ、と呟くのです。

マーガレットは、泣きながら部屋をあとにした娘を抱きしめる事しか出来ないのでした。

 
マーガレットが描き上げた大作は、万博の教育館のパビリオンに飾られる予定です。

しかしその絵を見た評論家から厳しい意見が新聞に載せられてしまいました。

それをパーティー会場で見せられたウォルターは激怒します。

そのまま会場にいたその評論家に食って掛かりますが、しかし相手は全く動じることがありません。

自分の魂を削って描いている!という彼に向かい評論家は、金策のためだろう。

君の絵は果てしなく低俗だと言い切るのでした。

 
この一件により、あの絵は木箱の中に戻されてしまいます。

怒りが収まらないウォルターは怒りの矛先をマーガレットに向けるのです。

曰く、お前があんな絵を書かなければ俺は恥をかかずに済んだ、と。

常軌を逸した彼に怯えマーガレットと娘はアトリエへと逃げ込みました。

ところがウォルターは部屋の前まで来ると、鍵穴から火のついたマッチ棒を投げ入れるのです。

あぶりだしてやる、という彼の表情は醜く歪んだ笑みが広がっていて恐怖そのもの。

オイル缶に引火した炎から逃れでたマーガレットは娘を連れて、ついに彼のもとから逃げ出したのでした。

 
一年後のホノルル。
娘も友達ができ土地に馴染んだ暮らしをしていますが、それでもマーガレットは未だウォルターから逃れられていません。

離婚の申し込みをしたところ、条件としてすべての絵の権利を渡すことに加え、{ビッグ・アイズ}を100枚描くように言われたのです。

呆然としながらも従うしかないマーガレット。

しかし彼女は、エホバの証人と出会ったことで自分を変えるのです。

ウォルターに送った新作には、自分の名前でサインを書く、これが彼女の反撃の狼煙でした。

マーガレットは地元のラジオ局に出演すると、そこで{ビッグ・アイズ}の作者が自分であることを告白したのです。

そればかりか慰謝料を求めて、ウォルターと新聞社を相手取って裁判を起こしました。

世間の注目を集めたこの裁判ですが、虚偽罪の罪で訴えられた新聞社は、かつて彼女自身が{ビッグ・アイズ}の作者は夫だと言っていた取材記事を証拠に出し罪を問われることはありません。

新聞社が勝ったことにニヤニヤ笑いが止まらないウォルターですが、しかし新聞社は彼の裁判にまでは手を貸してくれないのです。

彼らが早々に退席してしまうと、ウォルターは弁護士すらもいない一人ぼっちになってしまいました。

 

「ビッグ・アイズ」最後のラスト結末

ところがどこまでも強気のウォルターは、弁護士はいらない、自分で自分の弁護をすると言い張り、自身にかけられた名誉毀損の罪について真っ向から争う姿勢を見せたのです。

けれど、裁判というのは付け焼刃の知識でどうにかなるようなものではありません。

大げさに身振り手振りを添えて陪審員に訴え掛けるも、いま自分が弁護士なのか被告人なのかもわかっていない様子・・・。

そんな彼に対しマーガレットは、これまで堪えてきたものを吐き出すのです。

彼が怖くて逆らえなかった、あなたはジギルとハイドだわ!そう強く糾弾する彼女を黙らせようとがなり立てるウォルターの姿は、手前勝手で横暴な夫にしか見えないのでした。

二人の夫婦喧嘩のような言い争いを聞かされ、更には芝居が買った語り口で延々続くウォルターの自叙伝的自慢話にうんざりした裁判官は、彼の話を断ち切ると言いました。

争点となるのは主張の食い違いである。

解決する方法は唯一つ。
絵を描いて貰う、と・・・。

 
この言葉にマーガレットは勝利を確信したのでしょう。

傍聴席にいる娘と目を合わせ、力強く頷くと迷いなく筆を滑らせ始めました。

それに対するウォルターはというと・・・作画に与えられた一時間、ヒラメキを待っていると言ったり古傷が痛むと言ったりで、筆を持つことさえしないのでした。

これにより彼女は勝ったのです。

損害賠償と精神的苦痛が認められ晴れやかな笑顔で裁判所から出てきた彼女は、{ビッグ・アイズ}のファンからサインを頼まれます。

そこで初めて、公の前で自分の名前を書くことが出来たのでした。

 
エピローグでは、その後の二人の人生が簡単に伝えられています。

ウォルターはその後も自分が作者だと主張し続けながら、2000年に一文無しで亡くなりました。

マーガレットはというと、再婚し画廊をオープンした今でも、毎日絵を描いているそうです。

THE END

 

「ビッグ・アイズ」見所ポイント!

二時間無いくらいの作品で、とてもコンパクトにまとまっていて見易かったです。

実在の人物の起こした美術界を揺るがす事件であり、今現在も当事者が息災でおられる物語を映画化というのは、かなり気を使う部分もあったのではないかと思いますが、監督がティム・バートンと聞いてかなり驚きました。

バートン監督といえば独特の世界観をお持ちの作風で知られますが、今作ではだいぶ穏やかな作りだったように思います。

ハワイの色彩が明るくビビットに感じられたことは印象的でしたが、やはり芸術を中心に据えた実話なだけに{ビッグ・アイズ}を邪魔しない演出を心がけられたんでしょうか・・・?

大衆的で低俗だと、後半になればなるほど厳しい批評が舞った{ビッグ・アイズ}ですが、映画の冒頭にアンディ・ウォーホルからの賞賛が書かれていたのも配慮のひとつのように感じました。

 
{ビック・アイズ}の暗い目も印象的でしたが、ウォルターを演じられたクリストフ・ヴァルツの表情変化も怖かったです。

朗らかに人好きする最初の顔はどこへやら。

欲望にまみれた金の亡者っぷりへの転換が見事でした。

ラストの裁判所のシーンなど、自分の空虚な名誉にしがみつく姿が滑稽であり哀れであり・・・

本当にこんな人がいたのかと思うと、切なくなるほどです。

何事も過ぎたるは及ばざるが如し。

扱いきれないお金は人を壊します。

身の丈に合った生活を送りたいものですね。

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