映画「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」は、ティモシー・シャラメ主演、ウディ・アレン監督の2019年の映画です。
この映画「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見所について紹介します。
運命のいたずらに翻弄される男女の恋模様を描いたロマンティックコメディ「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」をご堪能ください。
「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」あらすじ
ギャツビー(ティモシー・シャラメ)は、ニューヨーク生まれの洗練された都会っ子。
片や、アリゾナ州ツーソン出身で、砂漠と山々に囲まれて育った天真爛漫なアシュレー(エル・ファニング)。
緑に囲まれたのどかなヤードレー大学に通う二人は、どこにでも居る普通の恋人同士です。
淡々と過ぎる大学生活、ひねくれたカレにとって明るいカノジョの存在が唯一の救いでした。
ある日、キャンパスを歩くギャツビーに、満面の笑みを浮かべたアシュレーが駆け寄ります。
なんと、校内新聞の企画で、有名映画監督を取材するチャンスが巡って来たアシュレー。
二人が初デートで観た『冬の思い出』の監督で、映画マニアのアシュレーにとって憧れの人。
更に、取材場所は魅力的な街・大都会ニューヨーク・マンハッタン!!
ニューヨーク生まれのギャツビーにとっても、いつか二人でデートしたい場所でした。
教育熱心な母の期待に応え、もとは名門私立大に通っていたギャツビー。
敢え無く挫折しますが、編入した上品なヤードレー大学に母も満足してくれました。
その一番の理由は“息子のカノジョが、銀行経営者の娘”という響きかもしれません。
何にでも高級を求める“お上品マダム”は、会った事もない令嬢・アシュレーが既にお気に入り!
会社経営者の父のお陰で、何不自由ない暮らしをしているギャツビーでも、そんな母が苦手です。
もちろん母のお陰で知識を身に付け芸術にも詳しくなり、ピアノだって弾けるギャツビー。
酒に煙草、競馬やポーカーもたしなみ、ギャンブルの才能まで持ち合わせていました。
はたして・・・
「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」ネタバレ
アシュレーの取材旅行は、付き合ってまだ数か月の二人にとってドキドキのお泊り旅行!
偶然、同じ日に母が開く上流階級のクソが集まるパーティーは「論文で忙しい」と、嘘を吐き逃れる事にしたギャツビー。
頭の中は、アシュレーとの最高のデートを想像して幸せいっぱい!
一方、憧れの映画監督に会える高揚感でいっぱいのアシュレー。
“何でもアリ!?”なニューヨークから、こんなにも胸を躍らせる二人へ贈り物……
それは、予想外過ぎるものでした!
迎えた週末、ニューヨークへやって来た二人が泊まるのは、エレガントなピエールホテル。
ポーカーで稼いだアブク銭なんて、パーッと使ってニューヨークデートは贅沢三昧!
雨が降らなければ馬車に乗りたい……アシュレーの可愛らしい願いを叶えたいギャツビー。
「雨でも乗れるよ、ロマンチックじゃないか」と、余裕を見せます。
13時30分に、ランチで合流する約束を交わし別れた二人。
久しぶりのニューヨークに、感慨深げなギャツビーは一人で街ぶら。
嬉しさと緊張で一杯のアシュレーに、与えられた取材時間は1時間。
ほんの少し離れて再会するハズだった恋人たちは、次々訪れる出会いと再会に翻弄されてしまいます……
【アシュレーと映画監督・ローランド・ポラード(リーヴ・シュレイバー) 出会い編】
ニコニコと一生懸命に喋るアシュレーは、取材をするハズが逆に監督から質問攻め!
「おいしいスクープが欲しいのか?ゴロツキ記者より君にあげたい」
まさかの言葉に、込み上げる興奮バロメーター・シャックリが出そうになるアシュレー。
彼女の男を惹き付ける天性の魅力に、早速【一人目】がハマります。
最新作のデキに不満で「監督を降りたい…」と本音を漏らす彼に、アシュレーはキラキラした顔で素直な気持ちを伝えました──
【ギャツビー 悪夢の序章】
街を歩くギャツビーは、高校時代の一番嫌いなトロラーと再会。
口を開けば人の悪口ばかりで「ジョシュ(ギャツビーは仲良し)が、クソ映画を撮ってる」と、バカにする嫌な奴です。
奴との出会いが不運を呼んだのか「恋人を大物監督と二人きりにするとヤバいぞ」と、奴が言った余計な忠告が現実のものとなります──
危機に直面している有名監督の隣で本音が聞ける状況に、ジャーナリストの血が騒ぐ~!
監督に最新作の試写会に招待されたアシュレーは、ギャツビーとのランチをあっさりと無しにします。
若くキレイな顔をしたギャツビーは、苦悩を抱えたオジさん監督に負けました。
可愛いアシュレーを渋々許し、試写会が終わる15時に合流すると約束!
心に不安が残るからか、空は晴れているのにギャツビーには雨が降りそうな予感がします。
【ギャツビーと元カノの生意気な妹・チャン(セレーナ・ゴメス) 再会編】
映画撮影をしているジョシュを訪ね、エキストラとして参加する事になったギャツビー。
「彼女は…君にキスして車から飛び出す…」と、言うジョシュのまさかの指示に、腐れ縁のチャンとキスシーンを演じる事に!?
「役者ってイヤね…相手を愛するフリをするんだもの」
一歩譲って元カノの妹だから大人の対応を……と思うギャツビーに、相変わらず手厳しいチャン。
演技中に、口をギュッと真一文字に閉じてしまうギャツビー。
一方、がっつりキスしてくる、年下のチャンは肝が据わっています。
フロントガラスに雨が降り注ぐ、三度目のキスでようやくOKが出ました。
「出来るじゃないの、恋人には内緒ね」
アシュレーをバカにして、終始上からモノを言うチャンとギャツビーは喧嘩別れします──
サプライズで訪ねた兄・ハンターの家で、時間を潰すギャツビー。
試写会が終わるのはもうスグですが、愛しのアシュレーを遠ざけるように、雨はどんどん強くなってきました。
【アシュレーと天才脚本家・テッド・ダヴィドフ(ジュード・ロウ) 出会い編】
「やっぱり無理だ、耐えられない失敗作だ」
嘆く監督を必死に説得しますが、彼は試写室から逃げるように去って行きました。
最後まで鑑賞し作品を高評価するアシュレーに、脚本家のテッドは監督の説得を頼みます。
「君みたいな、若い世代の美女が言えば効き目がある!彼を捜そう」
ジャーナリスト魂に火が付いたアシュレーは、興奮バロメーターのシャックリが発動!
のどかなヤードレー大学では味わえない、エキサイティングな事が起こる大都会・ニューヨーク。
車で監督が行きそうな場所へ向かう途中「オーマイガ…!」と、愕然とするテッド。
妻と彼の親友の“浮気現場”を見てしまい、そこは修羅場と化します──
「監督を捜す!」と、ふたたびアシュレーに振られ、土砂降りの街を独り歩くギャツビー。
彼女との最高のデートを待ち焦がれるその姿は、健気で滑稽でもありました。
【ギャツビーとチャン(セレーナ・ゴメス) ほのかな恋編】
土砂降りの中、偶然同じタクシーを捕まえて、乗り合わせたギャツビーとチャン。
「アシュレーとのデートが台無し」と、ウジウジする彼にチャンはイライラ!
“けしかけられ”アシュレーに電話しますが「(修羅場で)取り込み中」としか答えてもらえず、切られてしまいます。
完全に、アシュレーの眼中に入っていないギャツビー。
それでも、愛する彼女の“のろけ話”が止まらない彼にチャンはイラっとします。
ギャツビーは、アシュレーと行く予定だったMoMA(ニューヨーク近代美術館)にチャンを誘ってみました。
「…付いてきてもイイわよ」と、強気なチャン。
「よし!仰せの通りに」ギャツビーは、彼女の憎まれ口を楽しむようになっていました。
チャン(の姉・元カノ)の家に久しぶり来たギャツビーは、映画の話をして二人は物語をつくり始めます。
“18時1分前、歩いていると雨が降り始める……
君は、デラコート・クロック(セントラル・パーク動物園の時計台)の前で誰かを待ってる”
ロマンチックな雰囲気に、チャンの恋人を茶化す事を言うギャツビー。
怒る彼女は「彼と会って抱きしめられてキス…」と、ハッピーエンドを願っています。
ギャツビーとチャンは、相合い傘でMoMA(ニューヨーク近代美術館)へ。
他愛もない会話から、姉と付き合う“ひねくれたギャツビーに恋してた”と、打ち明けるチャン。
それでも、別れた姉や今の恋人・アシュレーには適わないと彼に一蹴されます──
“天才脚本家・テッド!妻の浮気現場を目撃して修羅場!”を、スクープしたアシュレー。
修羅場が続くテッドと別れ、一人で映画監督・ローランド・ポラードを捜す彼女は、鼻血が出そうなくらい最高のハプニングに遭遇します!
片や、MoMA(ニューヨーク近代美術館)で最悪の遭遇をするギャツビー。
親戚に鉢合わせてしまい、ニューヨークに来ている事が母にバレてしまいました。
もちろん母が主催するクソ退屈なパーティーには強制参加で、アシュレーとのデートは絶望的!
親のお陰で自由に生きてるのに、文句ばかり言うギャツビーを一喝し去って行くチャンは、どこか物憂げでした。
【アシュレーと人気俳優・フランシスコ・ヴェガ(ディエゴ・ルナ) 出会い編】
映画監督・ローランド・ポラードを捜しに訪れた撮影所で、フランシスコに遭遇するアシュレー。
女優やモデルと浮名を流し、世の女性を虜にする“プレイボーイ”は、純粋なアシュレーにロックオン!
【二人目】のフランシスコに「僕とディナーは?」と、誘われるアシュレーは有頂天でシャックリ発動。
ファンやテレビカメラに追われる二人は、車に乗りディナーへ向かいました。
恋人と別れ、今はフリーのフランシスコが私を選んだ!
アシュレーの最上級の浮かれ顔は、このあと夕方のニュースで世に映し出されます。
「カレシはいるけど、厳密には“いない”」と、男友達に格下げされたギャツビー!
アシュレーはフランシスコとの幸せな時間に、どんどん酒が進みます──
そんな事になっているなんて知らない、トモダチのギャツビーは兄・ハンターの代打でポーカーに勤しんでいました。
一向に会えない、愛するアシュレーの心配をしていますが、結果は抜かりなくボロ儲け!!
エレガントなピエールホテルのスイートルームに、独り寂しく帰って来たギャツビー。
そして、テレビに映し出される、フランシスコ・ヴェガの新恋人・アシュレー。
浮かれ切った彼女の顔……少しだけ太陽の光が差したのも束の間、今夜は雨が激しく降ると予想されます。
【ギャツビーと年上の妖艶な女性・テリー・フォード 出会い編】
トボトボと街を歩き、通い慣れたカーライルホテルのバーで孤独に浸るギャツビー。
アシュレーに振られたも同然!酒を煽る彼に母から「パーティーへ早く来い」と、電話が掛かって来ます。
このパーティーで、息子の恋人・アシュレーに会うのを楽しみにしている母。
憂鬱なギャツビーは、偶然出会った一人の美しい女性に失恋した事を打ち明けます。
バーで客を眺めて“男の夢を叶える仕事”をしているテリー・フォード。
“娼婦”だと気付いたギャツビーは、ポーカーで稼いだアブク銭を彼女につぎ込み「…役を演じるだけでいい」と、パーティーに同伴させます──
【アシュレーと三人の年上男】
プレイボーイ俳優・フランシスコと、著名人が集まる豪華なパーティーにやって来たアシュレー。
そこで、ず~っと捜していた映画監督のローランド・ポラードと再会します。
「君はミューズ(女神)だよ」と、酒にまかせてアシュレーに本気モードで迫るオジさん監督。
その言葉に酔いが醒めた!?アシュレーは、さすがに撤退します。
すると、パーティーには修羅場を演じた脚本家・テッドも来ていました。
アシュレーの顔を見るなり、吹っ切れた様子のテッドが言い出したのは「…恋している」
知らぬ間に、彼女の天性の魅力に【三人目】の男がハマっていました。
二人のオジさんに告られ困惑するアシュレーは、酒をガブ飲みしアノ人とパーティー会場を抜け出します。
彼女が選んだ相手は、うっとりする程イケメンのフランシスコでした──
同じ頃、アシュレー役の娼婦を連れて、母の主催するクソ退屈なパーティーに現れたギャツビー。
このまま偽物のアシュレーで乗り切る!……なんて上手くいかず、嘘を吐いたギャツビーは母に呼び出しを食らい不運つづきです。
片や、刺激的な出会いに大満足のアシュレーは、フランシスコの家で二人きり。
「孫の代まで語り継がれるわ」と、大スターとの偉業達成をめざし、服を脱ぐアシュレー。
そこに、彼の恋人が来てしまい、隠れるアシュレーは下着姿にコートを羽織った状態で外に締め出されます。
カノジョが留守中の、一夜の遊び相手に選ばれただけのアシュレー。
土砂降りのニューヨークを惨めに歩き、ギャツビーのもとへ向かいます。
【ギャツビーと母(チェリー・ジョーンズ) 】
アシュレーに振られ、娼婦を買ったことを謝り、心に溜まった鬱憤を母に吐き出すギャツビー。
良識や上品を求める母が、ギャツビーに与える“ふさわしい”モノは、全て母が欲しいモノ!
ソレに生きずらさを感じていたギャツビーは、ちゃんと“僕”を見て欲しいと訴えます。
「僕のひねくれた性格は、誰に似たのかな」
「私に似たのよ」と、答える母。
パーティーに現れたアシュレーが娼婦だと母が見抜けた理由は、彼女自身が娼婦だったからです。
田舎から大都会・ニューヨークに出て来た母は、生きて行くのに必死でした。
出会い方は客と娼婦でしたが、純粋に恋に落ちたギャツビーの父と母。
彼女が稼いだお金で会社を立ち上げた父は成功、そして今の裕福な暮らしがありました。
惨めな過去を打ち消すために虚勢を張り、母は上流階級に食らい付いてきたのです。
知識を詰め込み上品に外見を着飾ってみても、中身は社会の裏を生きた母。
その血が流れるギャツビーが金持ちを嫌い、ギャンブルに熱くなるのは当然の事でした──
「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」最後ラストの結末は?
母と別れ、カーライルホテルのバーで静かにピアノを弾くギャツビーの前に、疲れ切ったアシュレーが現れます。
あんなに会いたかったアシュレーなのに、今は冷ややかな態度のギャツビー。
楽しみにしていたニューヨークデートが一つも叶わなかった、最悪な一日が終わります。
ジャーナリスト志望のアシュレーにとって、貴重でスリリングな体験ができたニューヨーク。
一方のギャツビーも、軽蔑していた母を理解する事ができて良い旅になったようです。
ニューヨークを発つ前に、二人はアシュレーが乗りたがっていた馬車に乗る事にしました。
実は、これまでもかみ合わない事があったけど、アシュレーの笑顔が全て帳消しにしていたのかも……
曇天の道を馬車に揺られ、自分とアシュレーの人生は交わる事は無いと吹っ切れたギャツビー。
「止めて下さい!」突然馬車を降りたギャツビーは、アシュレーとの別れを決意しました。
夕方、雨が降り出したニューヨーク。
人生を考え直すギャツビーは、デラコート・クロック(セントラル・パーク動物園の時計台)に来ました。
18時を知らせる時計台のメロディが流れ、ふと後ろを振り返ったギャツビー。
「来る気がしたよ」そう言うと「運命なの、仕方ないわ」と、チャンらしい返事。
憎まれ口をたたき合う二人は、雨が降る時計台の下で幸せなキスをします。
THE END
「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」見どころ
ティモシー・シャラメとエル・ファニングの魅力に、どっぷり浸れるロマンチック・コメディ!
本国では、何かとザワザワしている巨匠・ウディ・アレンですが「作品には罪は無い!」公開を許された日本のファンには、是非とも楽しんでほしい作品です。
あんなに美しい顔しているギャツビー(ティモシー・シャラメ)が、もう不憫すぎて最高!
自身の出生地であるニューヨークで『雨もしたたる…』を、見事に体現してくれます。
そして、感情豊かで屈託のない笑顔が素敵なアシュレー(エル・ファニング)。
素直過ぎて自覚なしの小悪魔女子に、あの男たちのようにハマってしまうかも!?
ギャツビーの“ひねくれ具合”と、アシュレーの“はしゃいでるな~”は、冒頭から2分ほどで理解できるでしょう!
ところどころ、金持ちのお坊ちゃん的な発言や知識を披露するギャツビーに、ポカンとするチョット天然なアシュレーは令嬢だけど贅沢はしないタイプ。
「路上で売っていた…」と、バーキンやらのブランド品を200ドルで買えたと喜ぶ、本当に純粋な子です。
そんなアシュレーに一瞬固まり受け流すギャツビー……合ってないんだろうな~。
一泊二日の楽しい旅行を期待していたのに、この二人が一緒に過ごしたのは僅かな時間。
その間に、自分が何者なのかが解り、母への“わだかまり”も消えたギャツビー。
ヤードレーに戻る前の馬車のシーンで、またアシュレーとズレを感じた彼が見せる「参った…」と言うような、口を結んで少し頬が膨らむ感じの表情がたまりません。
いいんだよ、それで……と、次へのステップになる失恋を選んだ、ギャツビーを応援したくなります。
アシュレーの見事なハシャギっぷりも然る事ながら、一番のオススメはギャツビーがピアノを弾くシーンです!
チャン(セレーナ・ゴメス)の家では、シットリと“災難男の哀愁”を弾き語っちゃいます。
「まだ、ティモシー・シャラメにハマっていない!」
そんな、モッタイナイ事を言ってしまうアナタに、彼の繊細な歌声が届きますように……
出番は少しですが、ギャツビーの兄・ハンターの婚約者・リリーの笑い声も注目してくださいね!
笑いとチョツト真面目な事も考えてしまうウディ・アレンらしい本作は、はじめて彼の作品を観るという方にも、分かりやすくオススメな映画です。
揺れる恋模様や、そこに絡んでくるオジさんとのドタバタな一日をお楽しみください。
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