映画「ブラック・シー」は、ジュード・ロウ主演、ケヴィン・マクドナルド監督の2014年の映画です。
この映画「ブラック・シー」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。
Uボートに積まれた金塊をめぐり、12人の男たちによる争奪戦を描く「ブラック・シー」をご堪能ください。
「ブラック・シー」あらすじ
サルベージ専門のアゴラ社で11年働いたロビンソン(ジュード・ロウ)はある日会社から解雇を言い渡されます。
妻と息子は仕事で家庭を顧みないロビンソンの元から去っていました。
職を探すも中々条件にあったものは見つかりません。
アゴラ社で同僚だったブラッキー(コンスタンチン・ハベンスキー)とカーストン(ダニエル・ライアン)も解雇されていますが、優秀だったロビンソンが解雇されたことに驚き、酒場で共に飲み明かすのです。
その席でカーストンがある儲け話を二人に聞かせます。
カーストンはアゴラ社に勤めていた頃、黒海に沈む金塊(現在の1680億円相当)を積んだUボートの発見に携わっていたのです。
Uボートに積まれた金塊はナチスドイツが第二次世界大戦時にソ連に出資させたものでしたが、その金塊がヒトラーに届く前に戦争が起こり金は忘れられたまま海に沈んでいるというものでした。
ボートを発見したアゴラ社は、グルジアに取引を持ち掛け同意に達しますが、ロシアとグルジアの間で紛争が起き国境もその海洋の所有権も争われたままになっています。
ロビンソンらはカーストンに紹介された出資者に、取引を知らないロシア、ボートの場所を知らないグルジア、そして発見したアゴラ社にバレないようこの金塊を奪ってしまおうと話を持ち掛けるのです。
4割の取り分を出資者に渡すということで同意したロビンソンらは、ロシアの潜水艦を用意してもらい、船乗りたちを集めます。
出資者の命令で、その部下ダニエルズ(スクート・マクネイリー)も乗組員に加わるのです。
ロビンソンはカーストンに何度も連絡を取りますが中々連絡がつきません。
すると、カーストンの友人だという青年トビン(ボビー・スコフィールド)がロビンソンにカーストンが自殺したことを知らせにやって来ます。
そして「すまなかった。」と謝罪していたと伝言を受け取るのです。
乗組員が一人減ってしまったため、ロビンソンはトビンを仕事に誘います。
さてこの作戦はうまくいくのでしょうか?
「ブラック・シー」ネタバレ
用意された潜水艦はかなり年季が入っているもので、そのまま使うことが出来なかったため整備から始めることに。
調べてみると、バッテリーは7割ほどしか持たず、脱出スーツも無く、無線も1回線しか使えないという有様でした。
乗組員たちに船内を修理させている間、脱出用スーツを3着見つけたロビンソンは、その事を他の誰にも言いませんでした。
ロビンソンは乗組員たちに、金塊の4割は出資者の取り分、残りは皆で平等に分けると宣言します。
それに反対したのはダニエルズ。
「もし、分ける人数が減ったら自分の取り分が多くなると気づいた奴がいたらどうするんだ。」そう言うダニエルズにロビンソンは何も言わずその場から去ってしまうのです。
その後 乗組員からも不満が出始めます。
イギリス人の乗組員はロシア人の乗組員と同じ額の報酬では不公平だと言い始めるのです。
そんな中、ロシア艦が近くを通り船内には緊張が走ります。
気付かれることなく済みますが、今度は乗組員が勝手に無線を使っていたことが判明するのです。
事の発端は、イギリス人の乗組員が買ったくじが当選したという話からでしたが、そのくじをロシア人乗組員も共同購入したと言い始め、そこで喧嘩が勃発します。
それを止めに入るロビンソンでしたが、何故くじが当選したと分かったのかと問い詰めたところ勝手に無線を使っていたことが分かったのです。
ロシア艦が真上を通り慎重にならなければいけない時に軽々しく無線を使われたことに腹を立てたロビンソンは斧で一台しかない無線を壊してしまいます。
ダニエルズはこのままでは争いが起きるとロビンソンに警告しますが、ロビンソンはそれを聞き入れませんでした。
そんな時、トビンが仕事でミスをしてしまいます。
トビンを叱るブラッキーに噛みつくイギリス人乗組員のフレイザー(ベン・メンデルソーン)。
二人は言い合いになりフレイザーは持っていたナイフでブラッキーを刺してしまうのです。
倒れたブラッキーの手がオイル缶を倒しエンジンに引火して爆発してしまいます。
その衝撃で潜水艦は海底へと沈んでしまうのです。
ロビンソンはこの事故の衝撃で気を失ってしまいますが、目が覚めるとブラッキーとギッテンズ(ブランウェル・ドナヒー)が亡くなっていました。
事故のせいでドライブシャットがやられ、バッテリーも36時間くらいしかもたないという危機的状況なうえに、イギリス人乗組員とロシア人乗組員の対立は激しくなっていたのです。
ロビンソンはロシア人乗組員に片言のロシア語で語り掛けます。
そこにやってきたのがモロゾフ(グリゴリー・ドブリギン)。
モロゾフはロシア人乗組員ですが、英語も話せるためロビンソンの言葉を他のロシア人乗組員に伝えてもらいながら今後どうやって行くかを説明するのです。
Uボートのドライブシャフトを自分たちの潜水艦に付け替えようという計画を実行するため船員一丸となってUボートの場所を探し当てます。
ババ(セルゲイ・ヴェクセル)が艦の反射音で周辺の地図を作成し、Uボートが沈んでいるであろう場所を特定します。
Uボートの船内を調べるため、フレイザーとトビンが潜水することに。
慎重に艦外へ出たフレイザーとトビンでしたが、海に捨てたブラッキーの死体が目の前に流れて来て驚いたトビンが海底にある丘から落ちそうになってしまいます。
フレイザーが引き上げて事なきを得た二人はそのまま先へ進むと泥に埋まったUボートが現れたのです。
レイノルズ(マイケル・スマイリー)もUボートの探索に加わり船内にある金塊を探すことに。
長年沈んだままの船内には白骨遺体がありました。
その中から金塊とドライブシャフトを見つけた三人。
ワイヤーでそれらを引き上げることになりますが、重くてワイヤーが動きません。
ダニエルズはロビンソンに金塊を捨てさせるよう言いますが、ロビンソンはそれを拒否しそのまま引き上げさせるのです。
三人の目の前には崖が広がっていました。
金塊の代償として、作業中にレイノルズが崖から転落して亡くなってしまうのです。
レイノルズの死を受けて今後どうするか艦内で話し合いをしますが、ダニエルズだけは金を置いて浮上しようと言い出します。
船を進ませるには9人の乗組員が必要です。
ダニエルズを入れて今は9人。
しかし、ダニエルズは船を進ませることに断固として反対するのです。
それには訳がありました。
今回の取引は裏でアゴラ社が動いていたのです。
出資者もアゴラ社が用意した人物で、ダニエルズもアゴラ社の回し者でした。
Uボートの場所を知っていても何もできないアゴラ社はロビンソンを利用することを考えたのです。
ロビンソンに金塊を引き上げさせた後、海事法違反で逮捕させる計画でした。
話を持ち掛けたカーストンもアゴラ社と手を組んでいて3万ドルの報酬を手にしていました。
カーストンが死ぬ前にトビンが預かってきたロビンソンへの謝罪はこのことだったのです。
ロビンソンはまだ子供のトビンを巻き込んだこと、大勢の死人が出たことを後悔します。
自分の身は自分で守れとダニエルズに告げたロビンソンは皆にこの事を話す決心をするのです。
船員たちはダニエルズを始末しようとロビンソンに詰め寄りますが、ロビンソンはこのまま捕まるわけにはいかないと話し、目的地をトルコの北にあるサムスンに変更しようと手案します。
モロゾフは、その辺りは浅瀬が多いと反対しますが計画を実行することに。
Uボートから引き上げたドライブシャフトは無事動き船は少しずつ浮上していきます。
順調に進んでいた艦の前方に岩を発見します。
しかし浮上するわけにいかないロビンソンらは岩の谷の中を進むことを決断するのです。
しかし艦は岩に当たり衝撃が襲います。
パニックになったフレイザーはザイツェフを殺してしまいます。
しかしそれはダニエルズがあと一人死んだら艦は進めないと入れ知恵をしたからでした。
「ブラック・シー」最後ラストの結末は?
ダニエルズは岩に当たった衝撃でザイツェフが死んだと報告しますが、皆ダニエルズの仕業だと気づいています。
艦を進めるなとうるさいダニエルズに銃を向けるロビンソン。
しかしその時電気制御室で爆発が起こり、艦が沈み始めてしまいます。
艦内には海水が入り始め、どうにか水を抑えようとしていた時勢いよく侵入してきた海水に当たったトビンが気絶し溺れてしまいます。
ロビンソンはどうにかトビンを蘇生させようとします。
他の船員は水の進入を阻止しようとしていましたがダニエルズがハッチを閉め、皆を見捨てるのです。
水の勢いは止まらず、その先のハッチも閉めて自分だけ助かろうとしたダニエルズでしたが、ハッチを閉める際ベルトを挟んでしまいます。
通りかかったモロゾフに助けを求めますが、事態を察したモロゾフはそのままダニエルズを置いてその場を去るのです。
結局この艦内で生きのこったのは蘇生が成功したトビンとロビンソン、そしてモロゾフだけになってしまいました。
ロビンソンは隠してあった脱出用のスーツを取り出します。
このことを隠していたロビンソンにモロゾフは「あんたの方があいつらよりも酷いじゃないか」と責めるのです。
ロビンソンは水圧を調節してから行くと言って二人にスーツを着せ外に脱出させます。
心配するトビンに「発射管に緊急用レバーがあるから大丈夫だ」と言って安心させるのです。
モロゾフとトビンは無事に浮上し、トビンはロビンソンを待とうとモロゾフに言いますが、モロゾフは「発射管に緊急用レバーはないんだ」と告げます。
ロビンソンは二人を生かすため嘘をついたのです。
艦内に残ったロビンソンは金塊の上でたばこを吸いながら幸せだった家族との思い出を思い起こします。
しばらくして海の上で待っていたモロゾフとトビンの前に脱出用スーツが浮いてきます。
その中にはロビンソンはおらず、入るだけの金塊とロビンソンの妻、そして息子の写真が入っているだけでした。
THE END
「ブラック・シー」見どころ
まず私が絶対乗りたくない乗り物が潜水艦です。
あんな狭い中で、しかも深海。
何かあったらもうダメですよね・・・助からない。
鑑賞してる私もすでに緊張状態です。
でも潜水艦をテーマにした作品には秀作が多いです。
今作は緊迫感のあるストーリーと鬼気とした演技にどんどん惹き込まれてしまいます。
金塊を巡って疑心暗鬼になる様子や、欲のために仲間を殺していく様を演じる俳優たちの鬼気迫る演技がすごいです。
あの狭くて欠陥だらけの艦内での人間模様は余計に見応えがありました。
危機になればなるほど私利私欲の本性が丸出しになったダニエルズと自己犠牲を選んだロビンソンは対照的ですね。
笑ったことのないロビンソンがクライマックスの死を覚悟したシーンでの笑顔が印象的です。
何か最後は起死回生の・・・を期待していた人はショックな終わり方でしたね。
狭い空間での息詰まる人間模様をお楽しみください。
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