映画「パニッシャー」は、トーマス・ジェーン主演、ジョナサン・ヘンズリー監督の2004年のアメリカ映画です。
この映画「パニッシャー」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。
家族をマフィアに殺されたFBIエージェントが復讐に挑む「パニッシャー」をお楽しみください。
原作はマーベル・コミックの漫画です。
「パニッシャー」スタッフ・キャスト
■ スタッフ
監督: ジョナサン・ヘンズリー
製作総指揮:クリストファー・エバーツ他
脚本: ジョナサン・ヘンズリー、マイケル・フランス
撮影: コンラッド・W・ホール
音楽: カルロ・シリオット■ 主要キャスト
フランク/パニッシャー:トム・ジェーン
ハワード・セイント:ジョン・トラボルタ
フランク・キャッスル・シニア:ロイ・シャイダー
クエンティン・グラス:ウィル・パットン
マリア・キャッスル:サマンサ・マシス
リヴィア・セイント:ローラ・ハリング
「パニッシャー」あらすじ
FBIの一員として違法小火器の密輸・販売に絡む組織への潜入捜査をしていたフランク(トーマス・ジェーン)。
摘発決行のその日、予定外の客を迎えて銃撃戦になりつつも無事任務を果たした彼は、久しぶりに本来の身分に戻り家族との休暇へと旅立っていきました。
ところが、この銃撃戦で死んだ青年が裏社会の大物ハワード・セイント(ジョン・トラボルタ)の息子だったことからフランクの幸せな日々が打ち壊されることになろうとは・・・。
目には目を・・・
血で血を洗う戦いの火蓋が今、切って落とされます。
「パニッシャー」ネタバレ
久しぶりの休暇を家族で過ごそうと、フランク(トーマス・ジェーン)はプエルトリコを訪れています。
妻のマリア(サマンサ・マシス)と息子のウィルを連れてのこの旅は、彼の家族が住む故郷への帰省でもありました。
久しぶりの再会に喜ぶ両親。
嬉しそうな家族の姿に、フランクは目を細め、久しぶりの安らぎを感じるのでした。
その頃、息子を殺されたと知らされたセイント(ジョン・トラボルタ)。
彼の怒りは深く、息子と共にその取引の場にいたミッキー(エディ・ジェイミソン)を呼び出します。
彼から一人の男の名前を引き出したセイントはミッキーを解放し、息子の遺体が安置されている警察へと向かいました。
そこで手に入れた男の名前を口にするセイント。
しかし警察は捜査中だともちろん教えてくれるわけがありません。
その名前は潜入中のフランクが名乗っていたものだったからです。
しかしセイントにかかれば手に入らない情報はありません。
フランクが潜入捜査官だったことを突き止めたセイント。
それを聞いていた妻のリヴィア(ローラ・ハリング)は、息子の罪を棚に上げフランクばかりか、彼の家族に命すら奪うことを望みます。
リヴィアを何よりの宝と大切にしているセイントは、彼女の望みのまま部下に指示を下したのでした。
そんな事とは知らないフランク。
美しい海を臨むビーチに親族が集まってパーティーを楽しんでいました。
ところが、父親のコレクションである改造銃がある部屋にいた時、突然浜から銃声が聞こえてきたのです。
それはセイントの命によって船で上陸したクエンティン(ウィル・パットン)達による襲撃でした。
突然の出来事に親族たちは成す術なく撃ち殺されていきます。
フランクは父と協力して室内にある銃器を使い反撃に出ますが、なんとか建物から見える敵を倒し外に出た頃には母親を始め沢山の家族が倒れていました。
しかもそこで父親まで銃撃されてしまい・・・。
しかしそれでもマリア(サマンサ・マシス)は無事だったようです。
ウィルを連れてジープに乗って逃げるマリア。
その後を追う敵の姿を見たフランクもまたバイクに乗って追い掛けます。
しかし追いついた彼が見たのは変わり果てた姿の妻子でした。
ボート目指して逃げる途中の桟橋に倒れた妻子を抱きかかえ泣き叫ぶフランク。
そんな彼に向かってくるジープにはクエンティンらが乗り込んでいます。
主人の指示に忠実な彼らは、フランクに暴行を加え銃弾を何発も撃ち込むと、血まみれの彼を桟橋の端に置いてガソリンをまき火を放ったのでした。
引火したガソリンの爆風により海に弾き飛ばされたフランク。
それでも彼は生きていました。
血まみれの体でありながら自力で浅瀬まで泳ぎ付いた彼は生き残ったことで、復讐を胸に誓ったのです。
怪我の回復を待ち、父親の形見となった銃器を全て持ってアメリカに帰国したフランク。
彼がまず始めたのはアジトでの武装改造でした。
部屋の至るところに銃を隠し、車にも防弾や攻撃を考慮した工夫を凝らしていきます。
そんな彼の姿を見ている者がいました。
同じアパートの隣の部屋に暮らすデイヴ(ベン・フォスター)とバンポ(ジョン・ピネット)、そして紅一点のジョン(レベッカ・ローミン)です。
彼らはフランクの様子を物珍しげに見ているのでした。
準備が整ったフランクは早速行動に出ます。
彼はミッキー(エディ・ジェイミソン)を拉致すると、アジトに連れ帰り彼を逆さに吊るしました。
そして彼を痛めつけることなく拷問にかけると、セイント(ジョン・トラボルタ)の情報を聞き出します。
思い込みの痛みのみで全て吐き出したミッキー。
彼によればセイントの取引相手はトロ兄弟と呼ばれる凶暴なキューバ人のようです。
メキシコ湾一体の売春と賭博を牛耳っている彼らの金がセイントにまわり、それがケイマンで洗浄されて戻ってくるんだ、との情報を得てミッキーを仲間に引き込むフランク。
セイントの横暴さに嫌気が差している彼はあっさり寝返ります。
父親の代から仕えているという彼は、下っ端の割にセイントの行動パターンをよく把握していました。
セイントが一番大切なのは金よりもリヴィア(ローラ・ハリング)、そのリヴィアは毎週木曜に決まってジムとネイルと映画館に出かけています。
それからセイントを語るのに外せないのがクエンティン(ウィル・パットン)です。
セイントに使えて20年という相談役であり会計士でもある彼はサディストだ、と全ての情報をペラペラと喋るミッキー(エディ・ジェイミソン)。
その情報を得てフランクは次の行動に移ります。
彼らに張り込むうち、男とキスするクエンティンの写真を収めることが出来ました。
そうしてフランクはマスコミの前に姿を現し、自分が生きていることを全米に知らせたのです。
それは襲撃事件でカタがついたと思っているセイントに対する挑戦状でもありました。
フランクがまずした事は、セイントの洗浄金を強奪すること。
あっさり金を奪うと、その全てを高層ビルから撒き散らしたフランク。
これにより怒りに震えるセイントはピンチに追い込まれます。
洗浄金はあくまでトロ兄弟の金であり、彼はその金に対する責任を持たねばならないのです。
10年に及ぶ付き合いの中で初めての事故だと訴えるセイントですが、兄弟は全く意に介さず、損失の弁償と次からの保険が欲しいといって立ち去ったのでした。
フランクはリヴィア(ローラ・ハリング)の行動に目を付けます。
映画館に向かった彼女の車に乗り込むと、その車載電話からクエンティン(ウィル・パットン)に電話をしたのです。
お前と彼氏の写真を持ってる、そう言って呼び出したのはとあるホテル。
そこに5000ドル持ってこい、と言って電話を切ったフランクは、リヴィアの車をわざとそのホテルの前に放置して駐禁を切らせました。
そうした上で、ホテルにやってきたクエンティンの姿を確認した彼は、駐禁の紙を剥がしてリヴィアの車を元に戻したのです。
脅迫相手が来なかったことに首をかしげつつホテルを引き上げたクエンティン。
そんな彼を探していたセイントは、彼がいなかった事とリヴィアの留守に若干の疑念を抱きます。
フランクはそれと並行して、セイントの金にまたも細工を施します。
船を使って積み荷していたその金に爆弾を仕掛け、全てを吹き飛ばしたのです。
これによりトロ兄弟から暗に脅されるセイント。
開き直って穴埋めはしない!と言い切った彼に怒り心頭のトロ兄弟は、彼を睨みつけたままその場をあとにしますが、セイントの窮地は変わりません。
その苛立ちをすべてフランクにぶつけるセイントは、必ず彼を殺すように、とクエンティン(ウィル・パットン)に指示を飛ばしたのでした。
復讐に燃えるフランクですが、そんな彼の日常に入り込んでくるのがジョン(レベッカ・ローミン)たち隣人3人です。
ストーカー化した元カレを撃退して貰ったことで親近感を持った彼女達はフランクを夕食に誘います。
ある意味だまし討のような形で夕食を共にすることになったフランクですが、デイヴ(ベン・フォスター)達の目的は別にありました。
彼らは男運の悪いジョン(レベッカ・ローミン)にフランクを・・・と考えているようなのです。
しかし2人きりになった部屋でフランクは、君の求める男は僕じゃない・・・そう言って部屋を後にしたのでした。
しかし部屋に戻るとそこにセイント(ジョン・トラボルタ)らが差し向けた殺し屋がやってきます。
屈強な肉体の大男は、彼の部屋のドアをぶち破り室内での格闘が始まりました。
体格差は歴然。
まるでおもちゃのように振り回されるフランク。
壁に叩きつけられ、ジョンたちのいる部屋に転がり込んだフランクは、火にかけられた鍋の中身を男にかけることでやっとダメージを与えられました。
火傷で爛れた顔の男に飛びかかり、一緒に階段から落ちていったフランクは相手の頭を潰す事でなんとか助かったのでした。
フラフラと意識朦朧状態のフランクを助けてくれたのはジョン達です。
フランクの部屋に連れ帰り、彼の怪我の手当をしてくれる3人。
しかしそこへクエンティンらがやって来てしまいました。
新たな敵の出現に彼の自作した床下エレベーターに匿うデイヴ(ベン・フォスター)とバンポ(ジョン・ピネット)。
その直後、部屋に乗り込んだクエンティンは穏やかな表情でデイヴらに尋問を始めます。
しかし頑なに答えようとしないデイヴ。
彼は顔中に開けたピアスをペンチでむしられるという拷問にも耐え、フランクの居場所を隠し通したのでした。
クエンティンは自身の拷問にも答えようとしなかったデイヴは、本当にフランクの居場所を知らないと判断して部屋を後にします。
しかし部下を一人見張りに残していきました。
その部下を、エレベーターから出てきたフランクが倒します。
そして、顔面血まみれで耐えたデイヴを病院へ連れて行くよう頼むと、彼は再び復讐を果たす為の行動を開始しました。
今日は木曜日。
映画館に向かったリヴィア(ローラ・ハリング)の車に再び乗り込んだフランク。
彼は車載電話を手に取ると、またクエンティンが・・・と短く告げたのです。
これによりミッキー(エディ・ジェイミソン)が動き始めます。
セイントの自宅にいた彼は、これはどうしますか?と声をかけたのです。
その手には違反切符が・・・。
それは先週の木曜日、ウィンダム・ホテル前で切られたもの。
それを見て顔を曇らせたセイント(ジョン・トラボルタ)の脳裏には疑念が渦巻いています。
その疑念を抱えたままクエンティン(ウィル・パットン)の自宅の鍵を手に、家を出ていくセイント。
フランクに呼び出されたクエンティンは当然自宅にはいません。
その留守宅に上がり込んだセイントは、彼の部屋のベッドに残されたピアスに気付きました。
それは自分がリヴィアに贈ったブランドピアス・・・。
疑惑を確信に変えたセイントの前に、クエンティンが帰宅します。
状況が掴めていないクエンティンに、セイントは静かに近寄るとナイフを取り出し、裏切りだ、と小さく呟きます。
兄弟とまで思い尊重してきたとの思いのあるセイントにとって、クエンティンに裏切られたというのは自制がきかないほどのショックだったのです。
全く事態が飲み込めず、明らかに勘違いしているセイントを前に狼狽えるクエンティンですが、彼はロクな抵抗もできないまま滅多刺しにされて命を落としてしまったのでした。
「パニッシャー」ラスト最後の結末
セイント(ジョン・トラボルタ)の怒りはリヴィア(ローラ・ハリング)にも向けられます。
家に帰り、帰宅した彼女を出迎えた彼は、クエンティン(ウィル・パットン)の死体を見せつけると、彼女を殴打!
彼はゲイであって私との不貞なんて・・・!
と叫ぶリヴィアの言葉にも耳を貸さず、彼女を乗せて車を走らせます。
裏切ってない、と泣き叫ぶリヴィアに不貞の証拠・ピアスを突きつけると、彼女を橋から線路に落として殺してしまったのでした。
後味の悪さを消すように所有するクラブへと足を向けるセイント。
フランクの計画が着実に進む中、銃を身体のあちこちに装備した彼はソルジャー姿でそのクラブへと乗り込みます。
背負ったアーチェリーの矢で次々と声もなく敵を倒し建物に侵入したフランクは、部屋を爆破し敵を撹乱すると銃を乱射しながら室内に押し入りました。
そして彼は遂にセイントを追い詰めたのです。
爆風によりヨロヨロと外へと逃げ出した彼を追うフランク。
西部劇のように向かい合い、腰元の拳銃に手を伸ばす二人・・・
早かったのはフランクでした。
撃たれた事で倒れたセイントに近付くと、妻と腹心の不貞は自分の作り上げた架空のものである事を伝え、自らの手で大切な人の命を奪った事実を彼に突きつけます。
そしてまだ生きているセイントを車に縛り付けて引きずらせ、自走する車をそのまま爆薬を仕込んだ駐車場に突っ込ませたのでした。
復讐を終え帰宅したフランクは一人酒を呑みます。
妻子の写真を片手に酒を飲んでいた彼はおもむろに銃を顎に当てました。
しかしフラッシュバックするのは涙をこらえて手を振るマリア(サマンサ・マシス)の姿・・・。
復讐という生きがいを失ったフランクですが、彼は自殺を思いとどまったのでした。
翌日、彼はアジトを後にします。
ジョン(レベッカ・ローミン)達に大金を残して・・・
こうして彼は[パニッシャー(制裁者)として]生きていく決意を固めたのでした。
THE END
「パニッシャー」見所ポイント!
アメコミ原作のマーベル作品です。
昨今大作映画として毎年のように新作が上映されるマーベル作品ですが、今作の[パニッシャー]は突然変異による肉体以上やスーツを着ることで無敵になるといったような常人離れした人物が主役ではありません。
復讐に燃えるひとりの男が自分の知恵と肉体のみで目的を完遂していくお話です。
その為、国や制作が絡むといったような大きな話にはなりませんが、その分とても単純で分かり易い作品です。
勧善懲悪ストーリーなので、ある意味時代劇ドラマがお好きな方にもハマるかもしれませんね。
少々過激なシーンはありますが、拷問シーンは映さないなどの演出がされていますから、血や暴力が苦手な方にもそこまで苦痛ではないかと思われます。
無敵、じゃないけどやけに怪我に強い主人公フランク、ある意味ツッコミ目線で見るのも楽しい作品ですよ。