映画「パピオン」はチャーリー・ハナム主演、マイケル・ノアー監督の2017年公開の映画です。
この映画「パピオン」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころについて紹介します。
無実の罪で投獄された男の脱出劇を描く「パピオン」をお楽しみください。
「パピオン」あらすじ
舞台は1930年のパリ。
胸に大きな蝶のタトゥーがあるアンリ・シャリエール(チャーリー・ハナム)。
皆からはパピヨンと呼ばれ、金庫破りを生業としていました。
ある夜、金庫から宝石や大金を盗んだアンリは恋人と気分よく一夜を過ごします。
しかし翌朝、アンリは殺人の容疑をかけられ逮捕されてしまうのです。
アンリも恋人も夜はずっと一緒にいたと警察に訴えますが確実な証拠にならないと言われてしまいます。
これはボスを裏切ったアンリへの報復で無実の罪を着せられてしまったのです。
無罪を訴えるアンリでしたが、無残にも終身刑が言い渡されフランス領である南米のギアナにある刑務所に収監されることに。
ギアナに向かう船で出会ったルイ・ドガ(ラミ・マレック)。
ドガは紙幣偽造の罪で逮捕された男です。
アンリは脱獄を目論み、そのために必要な金をどうにかするためルイに目をつけ一緒に脱獄をしないかと持ち掛けました。
紙幣偽造で損をした他の囚人からも復讐するため目をつけられていたルイは、船の中で起きた囚人同士の殺人を目のあたりにして頭がキレ、喧嘩も強いアンリと行動を一緒にするようになります。
アンリたちはギアナに着くと過酷な労働をする日々を送る事に。
規則も厳しく日々体力も精神力も消耗していきます。
そんな中、船の中で親しくなったジュロ(マイケル・ソーチャ)が、船を降りた直後わざと怪我をして病棟に入っていましたが、警備の隙を見つけ脱獄しようとしました。
しかし、脱獄が成功する前に警備に捕まり、囚人たちが見ている前で見せしめに斬首刑になってしまうのです。
そして・・・
「パピオン」ネタバレ
死体の処理をするよう命令されたアンリとルイ。
森の中死体を運んでいましたが、途中で倒れてしまったルイを警備は鞭で激しく叩きます。
それを止めようとしたアンリは警備の男を落ちていた石で殴ってしまい、応援の警備が来る前にその場から走って逃げるのです。
逃げた先には事前に脱獄を手伝ってくれるようお願いした男が待っていましたが、そのことは刑務所の署長ウォーデン・バロット(ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン)へと筒抜けでした。
その男がウォーデンと繋がっていたからです。
脱獄は失敗し、刑務所へと連れ戻されたアンリは二年間の独房での暮らしを余儀なくされるのです。
狭い独房の中は今までよりも更に精神を追い詰めていきますが、その中でもきついのが粗末な食事。
料理とも言えないようなスープが毎日の食事で、アンリは体力も奪われていきます。
しかし、ある日スープの器の中にココナッツが入っていて裏にはルイからメッセージがかかれていました。
それはココナッツを毎日届けるという物。
固形物を食せる事で少しずつ体力を戻していったアンリは脱獄の為の体力づくりを始めます。
しかし、それも長くは続きませんでした。
ココナッツが運ばれていることが看守にバレてしまうのです。
所長は誰がココナッツをアンリに差し入れしていたのかアンリに問いますが、アンリは絶対に口を割ろうとしません。
どんな脅しにも屈しないアンリに、所長は殆んど無かったような食事の量を半分にし天井を閉め暗闇の中で生活させることにしました。
気力も体力も限界になったアンリは看守によって医務室へと運ばれます。
その頃、ルイは模範囚として所長の会計を任されある程度の自由を得ていました。
アンリが医務室へ運ばれたことを知ったルイはアンリを見舞うことに。
虚ろな瞳をしているアンリを前にルイは、自分のせいでアンリがこんな状態になったのに拒否されるかもしれない怖さで中々見舞に来れなかったと詫び、自分の妻がかつて自分の専任弁護士だった男と再婚したらしいと愚痴を零します。
それを聞いたアンリは、「そんな女は捨ててしまえ」そうルイに答えるのです。
アンリは正気を失ったふりをしていただけでした。所長や看守たちを欺くために。
ルイは、次の日曜日に所長たちが映画鑑賞会を開くため警備が手薄になるため脱獄するならその日がチャンスだとアンリに提案します。
アンリは脱獄の手伝いをマチュレット(ジョエル・バズマン)に頼むことに。
彼は男色の気がある鍵係の囚人に言い寄られていた為、それを逆手にとってその囚人の気を引いてくれたら脱獄の仲間に入れてやると提案したのです。
ボートはセリエ(ローランド・ムーラ)に手配を頼み四人は脱獄の準備を進めます。
迎えた上映会の日。
アンリが態と騒いで医師から処方された鎮静剤を酒に混ぜて看守たちに振る舞ったルイ。
看守たちは酒と鎮静剤のせいで判断が鈍ります。
アンリたちは看守たちを倒しルイが戻るのを待ちますが、運悪く天候が悪化し停電になってしまいます。
セリエとマチュレットはルイを待たずに逃げようと訴えますが、アンリはルイを待ちます。
その時、やっと戻ってきたルイは、中央通路に出られる鍵を盗んできたから塀を飛び越えて逃げようと提案します。
停電になったことが幸いして看守たちに見つかることなく塀を超えることができましたが、ルイはその時に怪我をしてしまいました。
アンリとマチュレットがルイを支えながら森を進むと銃を持った男たちに囲まれてしまいます。
緊張が走りますが、その男たちはセリエがボートを用意してもらった取引相手でした。
金を渡し案内してもらった場所でボートを手に入れた四人は海へと漕ぎ出します。
順調だった脱獄計画でしたが、そのボートには亀裂がありそこから海水が浸水していました。
四人はその水を汲みだしながら先へと急ぎますが、セリエは重量オーバーで沈む前に足を怪我して役に立たないルイを捨てていこうとアンリに訴えます。
しかしアンリは誰も見捨てる気はありません。
それでもセリアはルイを殺そうとナイフを振りかざします。
セリエを止めようとしたアンリでしたがセリエに押さえ込まれてしまいます。
ルイはアンリを助けるため、セリエが落としたナイフでセリエをメッタ刺しにして殺害するのです。
死んだセリエを海に捨てた三人はその後嵐に見舞われ海で遭難してしまいますが、目を覚ますとそこはコロンビアでした。
最初に目を覚ましたアンリは他の二人を探しますが、修道女がルイとマチュレットは看護されていると教えてくれます。
ここは楽園だと喜ぶマチュレットに複雑な表情を見せるアンリ。
アンリは故郷に帰るためここからまた先へと進もうとしていました。
そんな中、アンリは看守たちがコロンビアの島にやって来ていることに気付きます。
ルイを連れて逃げようとしましたが看守たちに見つかり捕まってしまうのです。
同じく看守に気付いたマチュレットはアンリたちの元に来る途中で射殺されてしまいます。
アンリたちがコロンビアの島にいることを通報したのは脱獄を試みたアンリ達を軽蔑した修道女でした。
その修道女は看守たちに捕まったアンリたちに悔い改めなさいと言葉を残すのでした。
それから五年。
独房で五年を過ごしたアンリの髪や髭は白髪になっています。
独房から解放されたアンリを待っていたのは所長。
五年も独房で過ごして生き延びる人間は珍しいから見物に来たと嫌味を言うのです。
独房を出たアンリが送られるのは死に場所となる悪魔島。
気が触れた囚人たちの叫び声が響き、自ら命を絶つものもすくない地獄のような所です。
そこには既にルイがいました。
アンリが独房に入れられている間、ルイは悪魔島におくられていたのです。
海に出たいというアンリを案内して崖までやって来たルイは、ここから無事飛び降りることが出来ても海で生き抜くことは出来ないとアンリに言いますが、アンリは数日海を眺めてある事に気付きます。
いかだを作れば潮の流れが自分たちを本土まで運んでくれると。
「パピオン」最後ラストの結末は?
その晩、麻袋に大量のココナッツを詰めいかだを作った二人。
ルイは蝶の絵を描いた布を酒瓶にこっそり詰めアンリに渡します。
翌朝手作りのいかだを崖まで運んだアンリとルイでしたが、ルイは悪魔島に残ると告げるのです。
アンリはルイの決心が固いことを知り、別れの挨拶の代わりにルイをきつく抱きしめます。
いかだを海に落とすと、ルイに笑顔を見せいかだ目掛けて飛び降りるアンリ。
ルイは思わず崖から海を覗き込みアンリの姿を探します。
すると海から叫ぶアンリの声が。
無事にいかだに乗る事が出来た事を喜ぶアンリとルイ。
時は流れ1969年。
アンリはフランスにある出版社を訪ねていました。
今の故郷は妻と暮らすベネズエラですが、フランスではまだ指名手配犯のままなので長居はしないつもりで来ています。
アンリの目的は、故郷であったフランスで自身の回想録を出版する事でした。
記者に渡したファイルの中にはルイが蝶を描いた布も入っています。
アンリは、多くの男たちの物語をどうしてもここフランスで出版しなければならないと話すのでした。
この後、アンリの書いた自伝は三十の国の言語に翻訳されて世界中で読まれました。
そしてアンリはフランスへの帰国が許され自由の身でその後の人生を過ごすことができたのです。
THE END
「パピオン」みどころ
実話を映画化していることもあってかなりリアルな描写が多いです。
無実で終身刑になってしまった主人公とそれを取りまく人間模様も面白かったですね。
囚人同士の殺人や、囚人の前での見せしめのような斬首刑、ずるずると引きずられる死体などかなり目をそむけたくなるようなシーンが多く、そういう描写が苦手な方は注意が必要だと思いますが、この作品アンリとルイの友情を描いているシーンがものすごく良いのです。
チャラくて軽そうだと思っていたアンリが意外にも情に厚くて、三分の一を見たところで既にアンリのキャラクターにどっぷりハマってしまいました。
演じるチャーリー・ハナムの絶妙な表情や声のトーンがアンリというキャラクターを引き立てていたのもハマる要因だったと思います。
「ボヘミアン・ラプソディ」の主演ラミ・マレックの演じるルイも魅力的なキャラクターでした。
最初から頼りない存在だったルイは事あるごとに足を引っ張るような形になってしまいますがルイを絶対に見捨てないし売らないアンリ。
この二人の友情に最後は号泣してしまいました。
頼りなかったルイがアンリと離れて悪魔島で五年も過ごしていたことも、そこを生きていく場所に決めたことも泣けてしまうし、死を覚悟しながらも最後の望みに賭けたアンリがルイから島に留まることを聞かされたシーンなんて涙腺崩壊です。
本を出版するという時にルイが蝶を描いた布が映った所も号泣ポイントでした。
1973年に公開されたオリジナル版や原作と見比べてみるのも面白そうですね。
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