「太陽と月に背いて」ネタバレ!あらすじや最後ラストの結末と見どころ

映画「太陽と月に背いて」ネタバレ あらすじ
ヒューマン

映画「太陽と月に背いて」は、レオナルド・ディカプリオ主演、アニエスカ・ホランド監督の1995年のイギリス映画です。

この映画「太陽と月に背いて」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。

原作はクリストファー・ハンプトンの戯曲です。

■ スタッフ
監督: アニエスカ・ホランド
製作: ジャン=ピエール・ラムゼイ・レヴィ
製作総指揮:スタファン・アーレンベルグ、ジャン=イヴ・アスラン、パスカル・フォーベル
脚本: クリストファー・ハンプトン
撮影: ヨルゴス・アルヴァニティス
音楽: ジャン・A・P・カズマレック

■ 主要キャスト
アルチュール・ランボー:レオナルド・ディカプリオ
ポール・ヴェルレーヌ:デヴィッド・シューリス
マチルダ:ロマーヌ・ボーランジェ
イザベル・ランボー:ドミニク・ブラン
判事:クリストファー・ハンプトン

 

「太陽と月に背いて」あらすじ

ある日、初老のヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)の元に一人の女性が訪ねてきました。

彼女は名をイザヴェル・ランボー(ドミニク・ブラン)と名乗り、ヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)に兄の詩を返してほしいと頼むのです。

その言葉を聞いて、出会ったばかりの頃のアルトゥール・ランボー(レオナルド・ディカプリオ)を思い出すヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)。

彼がランボー(レオナルド・ディカプリオ)と過ごしたのはわずかな時間でしたが、それでもあれほどに密度の濃い刺激に満ちた日々はありませんでした。

ヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)の記憶の中に色鮮やかに表れるランボー(レオナルド・ディカプリオ)。

これは、天才と天才の愛と才能と葛藤の物語です。

 

「太陽と月に背いて」ネタバレ

1871年、パリで活躍する新進気鋭の詩人ヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)のもとにランボー(レオナルド・ディカプリオ)という16歳の少年が訪ねてきます。

彼は先だって何作かの詩をヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)に送っており、その内容に驚いたヴェルレーヌからの手紙を頼りにパリにまで出てきたのでした。

ところがいざ本人に会ってみると、ランボー(レオナルド・ディカプリオ)は本当にあの繊細な作品を紡ぎだしたのと同じ人物なのか、と疑いたくなる程口が悪く、また行儀もなっていません。

しかし彼の才能に惚れ込んでいたヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)は、ランボー(レオナルド・ディカプリオ)を自宅に滞在させることに決めました。

しかし自宅と言っても彼の家は妻のマチルド(ロマーヌ・ボーランジェ)の両親の持家なのです。繊細なのは作る詩とその容貌だけ、と言っても過言ではない程粗暴で盗癖もあるランボー(レオナルド・ディカプリオ)が滞在する事をマチルド(ロマーヌ・ボーランジェ)の両親は受け入れられません。

ランボー(レオナルド・ディカプリオ)を追い出すように、そう苦言を呈されるたび酒によって怒り狂うヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)。

妻のお腹に2人の子供が宿った、と知った時には弱々しい笑みを浮かべて喜んだにも拘らず、酒の力を借りてランボー(レオナルド・ディカプリオ)を守ろうとする姿は醜悪でしかありません。

しかもそのくせ彼は酔いがさめるとメソメソと泣いてマチルド(ロマーヌ・ボーランジェ)に許しを請うのです。

そんなヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)をランボー(レオナルド・ディカプリオ)は敬うでもなく小馬鹿にするように好き勝手に扱い、自由奔放な態度を変えようとはしません。

そんなランボー(レオナルド・ディカプリオ)に業を煮やしたマチルド(ロマーヌ・ボーランジェ)の両親は、ヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)に何も言わずに彼を追い出してしまいました。

帰宅後それを知ったヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)は怒り狂い、ランボー(レオナルド・ディカプリオ)追いかけると住居を構え、彼がパリに留まれるよう尽力します。

こうしてランボー(レオナルド・ディカプリオ)の家で半同棲のような生活が始まり、まもなく二人の恋愛関係が始まりました。

 
マチルド(ロマーヌ・ボーランジェ)とヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)とランボー(レオナルド・ディカプリオ)の三角関係は、ある日彼らがマチルド(ロマーヌ・ボーランジェ)の髪に火を放ったことで終焉を迎えます。

逃げたヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)達は、ランボー(レオナルド・ディカプリオ)の希望で海に向かいました。
そしてその後ロンドンへ。

大英博物館へ日参しながら詩作に励むランボー(レオナルド・ディカプリオ)とは反対に、ヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)は生きていくための生活費を稼ぐことに精いっぱいで、自分の詩活動が全くできません。

これまでも、ランボー(レオナルド・ディカプリオ)の作る詩への憧れやその才能に対する嫉妬から愛憎を持て余し、何度も別れたりくっついたりを繰り返してきた二人。

しかしこの段になっても、自分の思うようにしか生きないランボー(レオナルド・ディカプリオ)とヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)の関係は、やがて悪化し崩壊への道を進み始めました。

 
ある日、ランボー(レオナルド・ディカプリオ)から手酷く侮辱されたヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)は、この生活に嫌気がさしてブリュッセルへと向かいます。

その地は、かつてランボー(レオナルド・ディカプリオ)との逃避行の途中でマチルド(ロマーヌ・ボーランジェ)に会った街でもありました。

しかし数日後、ランボー(レオナルド・ディカプリオ)もまたブリュッセルにやってくるのです。

ヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)を見付けたランボー(レオナルド・ディカプリオ)でしたが、酩酊状態の彼は誤ってランボー(レオナルド・ディカプリオ)を撃ってしまいます。

銃弾はランボー(レオナルド・ディカプリオ)の手の平を貫通しました。『僕の手が…』と取り乱すランボー(レオナルド・ディカプリオ)。

この発砲事件がきっかけで裁判にかけられることになったヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)は、審問により男色の罪を暴かれてしまい二年のもの実刑を言い渡されてしまったのでした。

 

「太陽と月に背いて」最後のラスト結末

ヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)が服役中、ランボー(レオナルド・ディカプリオ)は詩集[地獄の季節]を発表します。

これが彼の最後の作品となりました。

出所後、南ドイツのシュトゥットガルトでランボー(レオナルド・ディカプリオ)に再会したヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)でしたが、それが彼らの最後の別れとなります。

『僕の魂と肉体、どちらに惹かれるのか?』と聞かれたヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)は『肉体だ』と答えたのですが、それを聞いたランボー(レオナルド・ディカプリオ)は『性根は何も変わってないな』と言い。一緒にいる事はお互いの為にならない、として永遠の別離を選んだのです。

 
その後ランボー(レオナルド・ディカプリオ)は一切の詩作活動を辞め、かねてからの憧れの地アフリカへと渡ります。

そしてそのまま、二度とヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)に会う事のないまま、ランボー(レオナルド・ディカプリオ)は癌に侵され若くして亡くなってしまったのでした。

イザベル(ドミニク・ブラン)から、自分と別れたあとのランボー(レオナルド・ディカプリオ)の死について聞かされたヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)は、彼女が席を立ってからもずっと立ち上がることなく座っていました。

そして二人でよく飲んだアブサンを2杯頼むのです。

するとそこへ出会った当時のままのランボー(レオナルド・ディカプリオ)が突然現れました。

あの当時と変わらず美しいままのランボー(レオナルド・ディカプリオ)と、惰性に満ちた人生を送り年老いたヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)。

詩人として後世に残る素晴らしい作品を残した二人の人生は、まさに正反対と言っても良いようなものかもしれません。

しかしそれでも。

ヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)は静かに涙しながら呟くのです。

『私は幸せだった。確かに。』と―――。

THE END

 

「太陽と月に背いて」見所ポイント!

【ロミオとジュリエット】や【タイタニック】のレオナルド・ディカプリオも綺麗でしたけど、この作品の彼は群を抜いて美しいです。

大人になる直前の、線の細さと危うい精神バランスがこの世のものとは思えないほどの美しさを映し出していました。

物語の最初の方に出てくる、ディカプリオの全裸シーンは、まだ未成熟な少年の美しさと、相手を自分のも意のままに動かす妖艶さが混合していて芸術作品のように美しいです。

ディカプリオ自身は、今作の事をそう評価していないようなのですが、しかし彼の人生においても多分最も美しかった時間を切り取ったかのような映画の主軸に同性愛が掲げられているのは運命ではなかったか、と言うような気さえします。

粗野で我が儘で、この人が本当に詩人なのかと疑問を抱きたくなるほどの口の悪さながら、たまに挟まれる甘えのシーン『僕を捨てないで』に胸を掴まれてしまいます。

プライドが高くサディスティックな気質の少年を、時に甘く時に狂喜をはらんだ目で演じるディカプリオから目が離せません。

 
それだけに相手のデヴィット・シューリスとの年齢や見た目の落差に最初気持ちが追いつきませんでした。

デヴィットは、弱々しく軟弱なクセに酒の勢いで妻を殴るようなしょうもない男の、気持ち悪さと切なさと羨望とを最高に表現してくれていたせいで、なぜこんな男とランボーのような美しい少年が…?と言う疑問符がいつまでも付きまわってくる感じです。

もう少し詩についての描写が多ければ、ヴェルレーヌという詩人の素晴らしい才能に惹かれたのか。と思う事も出来たのかな?と思いました。

デヴィット・シューリスは後年、ハリー・ポッターシリーズのルーピン先生役をされていますが、役柄の違いかイメージが全く違っていて最初は全然気が付きませんでした。

老け方に関しても、昔の作品であるはずのヴェルレーヌ役の方が年取って見えるので、彼もまた映画の中で役の人生を生きていたのだなと、近年になって気が付いた次第です。

 
ラストの、年老いた詩人の前に美しいままの姿で現れる恋人のシーンがとても印象的で好きでした。

そこに至るまでの二人は、しょっちゅう喧嘩はするし鉄砲で撃たれたり刑務所に入ったりと、なんだかとても生々しい陰の部分を沢山披露してくれていたので、より最後のシーンで現れたレオナルド・ディカプリオが引き立って見えたんだと思います。

劇中で何度か登場するアブサン、このお酒を挟んで二人が向かい合えたこのラストには、切なさと淋しさと後悔と、そして幸せと。

沢山の感情を一気に教えてくれるような忘れられない名シーンでした。

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まだ無名だったディカプリオの才能を魅せつけた作品「ギルバート・グレイプ」もおすすめです。

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