映画「マイ・レフトフット」は、ダニエル・デイ=ルイス主演、ジム・シェリダン監督の1989年の映画です。
この映画「マイ・レフトフット」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころを紹介します。
重度の障害を持つ作家半生を描く「マイ・レフトフット」をお楽しみください。
「マイ・レフトフット」はアカデミー賞で主演男優賞、助演女優賞を受賞しています。
「マイ・レフトフット」あらすじ
アイルランド・ダブリンに暮らすブラウン夫妻の10番目の子供として生まれたクリスティ(ダニエル・デイ=ルイス)。
生まれながらにして重度の脳性小児麻痺に冒されている彼は、辛うじて動く左足で外の世界と触れあい、友情や恋を育みながら、次第に芸術の才能を開花させていく。
アカデミー賞、主演男優賞を受賞した実話です。
「マイ・レフトフット」ネタバレ
クリスティ・ブラウン(ダニエル・デイ=ルイス)。
彼は、ある慈善家のチャリティー・パーティーにゲストとして呼ばれました。
サポート役に、メアリー・カー(ルース・マッケイブ)という女性がつきます。
クリスティは出番までの時間、メアリーに自らの自伝を読ませるのでした――
1932年、アイルランド・タブリン。
おおきな産声をあげ、男の子が生まれます。
彼は、クリスティと名付けられました。
家族は父・パディ(レイ・マカナリー)、母・ブリジット(ブレンダ・フリッカー)。
そして、たくさんの子どもがいました。
ただ一人、クリスティだけ生まれながら脳性小児麻痺という重い障害を抱えてしまうのです。
父はカンシャク持ちでしたが、母や兄弟、姉妹、近所の友だちはクリスティを大事にしてくれました。
少年・クリスティが見る景色は、家族の足。
下から見上げる事しかできません。
言葉も話せないクリスティが、唯一動かせるのは左足だけでした。
貧しい生活のなか、ブリジットはクリスティの車椅子を買うためにヘソクリをしていました。
身重のからだで、クリスティを肩に担ぎ2階のベッドまで運ぶと下へ降りるブリジット。
その時、階段から大きな音がしました。
クリスティは危機を感じ、少しずつ、でも懸命にブリジットのもとへ進みます。
階段から落ちたブリジットは気を失っていました。
家には誰もおらず、玄関のドアを蹴り続け助けを呼ぶクリスティ。
近所の住人がその音に気付き、ブリジットは救われました。
しかし、良からぬ噂が流れます。
“クリスティを運んでいて階段から落ちた。”
クリスティは厄介者だと――
出産のため入院するブリジット。
“母に会いたい”と思うクリスティでした。
家族が増えたブラウン家。
クリスティに微笑むブリジット。
すると、クリスティが左足でチョークを握り何かを書くのでした。
「書いてごらん。」とみつめるブリジット。
パディは、落書きだといって相手にしません。
クリスティは、何かを訴えているようでした。
手押し車に乗るクリスティ。
近所の友だちと外を走れるようになり嬉しそうです。
父・パディ、近所のおとなたちはクリスティを障害者という目でしか見ていません。
しかし、母・ブリジットや兄弟たち、そして友だちの愛情に育まれ、クリスティは着実に成長していました。
ある日、おもむろにチョークを握るクリスティ。
左足で書いたのは“A”でした。
これに驚くパディにブリジットは、外に行くよう強く言うのでした。
これまで、クリスティと向き合ってこなかった父。
ブリジットの態度に声を荒げるパディ。
ふたたびチョークを握ったクリスティは、“MOTHER”と書いて母を守るのでした。
これには、パディも大興奮。
「おれの息子だ!」といってクリスティを連れ出すのでした。
「天才だ!」と誇らしげに。
17歳になったクリスティ。
かだらも大きくなり、友だちとサッカーをしても顔面で死守、左足で力強くゴールを決めるのでした。
異性として女性にも興味がでてくる年齢に。
恋したレイチェルに絵を贈りますが、あえなく失恋。
パディが突然、仕事をクビになってしまいブラウン家は更なる倹約を強いられます。
クリスティたち兄弟は、トラックに積まれた石炭を奪うことに成功しました。
暖炉に火が入り、家族はあたたかい時間を過ごすのですがクリスティがある事に気づきます。
そう、暖炉には母・ブリジットが隠していたヘソクリがあったのです。
燃え盛る火に手をのばし、缶を取り出したブリジット。
そして、「クリスティの車椅子を買うお金。」とパディに言います。
貧しい日々に耐えられないパディは怒るのでした。
ある夜、クリスティの姉が家を出ることになりました。
妊娠していて、父親が不明だという事にパディは半狂乱になります。
優しい姉に酷い言葉を吐く父が許せないクリスティ。
激高するクリスティを抱きしめる姉。
兄弟たちは悲しい表情をしていました。
クリスティ、19歳。
脳性小児麻痺を専門とする女医・アイリーン・コール(フィオナ・ショウ)と出会います。
これまで、 たくさんの絵を描いてきたクリスティ。
アイリーンは強く興味を持ちます。
近くに開業したというアイリーンは、クリスティの治療をしたいと申し出るのです。
クリスティは、自分が発した言葉(気持ち)をしっかりと理解したアイリーンを信じるのでした。
病院へ向かう車には、同じ障害を持つ子どもが乗っていました。
はじめての環境にナーバスになるクリスティ。
アイリーンは諦めませんでした。
クリスティの家でリハビリをはじめたふたり。
しかしクリスティは閉じこもり、ブリジットとも口を利かなくなっていました。
ひとり悩むクリスティにアイリーンは、“シェイクスピア”の本を贈ります。
毛布をかぶり、本を読むクリスティ。
「生きるべきか…死ぬべきか…それが問題だ…。」
ふたたび絵を描きはじめました。
ブリジットはクリスティの気持ちに気づいていました。
アイリーンに恋をしたのだと。
ある日、アイリーンがやってきて、ピーター(エイドリアン・ダンバー)の画廊で個展をしないかとクリスティに持ち掛けます。
ブリジットは、クリスティの変化に戸惑います。
以前より、深くアイリーンを愛しているのだと。
そして、クリスティは深く深く傷ついてしまうと。
「ぼくは、先生が大好きだ。」とクリスティはアイリーンに告げます。
しかし、真意は伝わらず濁してしまうクリスティ。
いよいよ、クリスティの個展が開催されます。
多くの来館者にブリジットは感激するのでした。
その後、クリスティはピーター、アイリーンたちとレストランへ。
ワインを飲み、酔いに任せたクリスティはアイリーンに、「心から愛している。」と言うのでした。
ところが、ピーターと結婚すると言うアイリーン。
クリスティの表情をみて、真意に気づいたアイリーンは呆然とするのでした。
ふり絞るような、クリスティの「おめでとう。」にどよめく人々。
酒をあおるクリスティは暴言を吐き暴れるのでした。
クリスティは“心も体も愛されたい”だけなのです。
自暴自棄になったクリスティ。
浴びるように酒を飲み、部屋に引きこもる日々がつづきました。
見かねたブリジットは、庭を掘りはじめます。
あたらしいクリスティの部屋をつくるのだと。
その時、クリスティは母の無償の愛に気づくのです。
レンガを積んでいると、パディと兄弟がやってきました。
家族全員でつくると張り切るパディ。
これが、父の愛情でした。
ブリジットとクリスティが家に帰ると、扉の向こうにパディが倒れていました。
あわてるブリジット。
塞がれた扉をクリスティが力一杯押し、パディのもとへ行きますが手遅れでした。
行きつけの酒場では、パディを知る男たちが歌をうたい悼みます。
なかにはパディを馬鹿にする男がいて、クリスティたち家族は店にいる全員を巻き込み大乱闘を起こすのでした。
クリスティ、22歳。
自伝『マイ・レフトフット』を出版。
“不自由な四肢”
左足だけがクリスティの“生きる証”を生み出してくれたのです。
子どもたちはブリジットに、アイスクリームが食べたいと駄々をこねはじめました。
あまりのしつこさに、今日だけよとヘソクリの缶を開けるブリジット。
すると、中にはクリスティが稼いだお金が入っていました。
ブリジットの驚く顔に子どもたちは大喜び。
絵を描き作家としても大成功したクリスティは、母に捧げるのでした。
ある日、アイリーンがクリスティに会いにきました。
久しぶりの再会です。
アイリーンはチャリティー・パーティーに出て欲しいと頼みにきたのです――
「マイ・レフトフット」ラスト最後の結末
『マイ・レフトフット』を読むメアリー。
クリスティはメアリーをデートに誘うのですが、先約があると断られます。
チャリティー・パーティー。
扉を向こうではクリスティの紹介がはじまりました。
クリスティの生い立ちを話すキャッスルウェランド卿(シリル・キューザック)。
クリスティは生涯植物同然と言われながら、ここまで来たと。
出番が近いクリスティでしたが、メアリーをデートに誘いつづけます。
「僕の、そばにいてくれ…。」
「ほんとうに、そいつを愛しているのか?」
メアリーに問いつづけるクリスティ。
メアリーは返答ができません。
たくさんの拍手の中、会場に入るクリスティ。
場内では、クリスティが書いたメッセージが読み上げられます。
そこには、クリスティが抱える孤独が綴られていました。
クリスティは、メアリーの姿を見つけ、左足に一輪のバラを握るのでした。
パーティーは終わり、家路に着きます。
ブリジットや兄弟たちは、クリスティのしあわせを願い帰っていきました。
そして、クリスティのもとにはメアリーが。
1972年、クリスティ・ブラウンとメアリー・カーは結婚しました。
THE END
「マイ・レフトフット」見どころ
主人公クリスティ・ブラウン。
彼は実在しました。
その不自由な自分を見つめ、感情をぶつけ精一杯生きました。
クリスティ・ブラウンを演じた、ダニエル・デイ=ルイス。
まさに圧巻の演技!
「マイ・レフトフット」は第62回アカデミー賞(1990年)で5部門ノミネート。
見事、ダニエル・デイ=ルイスは主演男優賞受賞。
そして、母・ブリジットを演じたブレンダ・フリッカーは助演女優賞を受賞しました。
自国・英国アカデミー賞でも主演男優賞受賞。
父・パディを演じたレイ・マカナリーが助演男優賞受賞と、世界中で高く評価されました。
カメレオン俳優といわれ数々の難役を演じてきたダニエル。
今作も生まれつき脳性麻痺とういハンディを背負いながら、画家、作家として活動したクリスティ・ブラウンを魅せます。
俳優を引退してしまい残念です。もったいない…。
ダニエルの出演作は名作揃い。どれもおすすめです!
クリスティの少年時代を演じたヒュー・オコナーも素晴らしいです。
ブラウン一家の貧しくも愛情に満ちハンディをものともしない、つよくやさしい心に触れられる感動的なヒューマン・ドラマです。
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