「ハチミツとクローバー」ネタバレ!あらすじや最後ラストの結末と見どころ!

映画「ハチミツとクローバー」ネタバレ あらすじ
ラブストーリー

映画「ハチミツとクローバー」は、 2006年の高田雅博監督の日本映画です。

この映画「ハチミツとクローバー」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。

美大生5人の不器用な恋のときめきと切なさ、友情を描く「ハチミツとクローバー」をお楽しみください。

原作はもちろん、羽海野チカの漫画です。

 

「ハチミツとクローバー」スタッフ・キャスト

■ スタッフ
監督: 高田雅博
製作:アスミック・エース、ジェイ・ストーム、集英社、電通
脚本: 河原雅彦、高田雅博
撮影: 長谷川圭二
音楽: 菅野よう子

■ 主要キャスト
竹本祐太:櫻井翔
花本はぐみ:蒼井優
森田忍:伊勢谷友介
真山巧:加瀬亮
山田あゆみ:関めぐみ
原田理花:西田尚美
花本修司:堺雅人

 

「ハチミツとクローバー」あらすじ

手先は器用なのに性格が不器用な竹本雄太(櫻井翔)と、クールで優しい真山巧(加瀬亮)、それから天才的な芸術センスを持ちながらも、風来坊な気質ゆえに大学8年生にまでなってしまった森田忍(伊勢谷友介)は、学年も学科も違うけれど同じ浜美に通い、同じおんぼろアパートに住む大学生です。

竹本(櫻井翔)は、真山(加瀬亮)と参加した花本先生(堺雅人)を慕う花本会の集まりで花本はぐみ(蒼井優)と出会いました。

小さな体を使って、自分より大きなキャンバスに向かう彼女を見た途端、竹本(櫻井翔)は恋に落ちてしまうのです。

田舎から都会へ出て来て叔父の花本先生(堺雅人)と一緒に暮らすはぐ(蒼井優)は極度の人見知り。その上、天才的絵画センスにより周囲と上手く馴染めずにいたはぐ(蒼井優)に優しく接してくれたのが竹本(櫻井翔)でした。

少しずつ距離を縮める二人の前に風来坊の森田(伊勢谷友介)が帰ってきます。

彼もまた、はぐ(蒼井優)の才能に触れたことで、彼女に関心を寄せるようになったのでした。

竹本(櫻井翔)が恋に落ちる瞬間を見た真山(加瀬亮)は、バイト先の建築デザイナー、原田里香(西田尚美)に恋をしています。

クールな彼が、里香(西田尚美)からの電話に飛びつくようにして仕事の呼び出しに向かったり、バイトの無い日でも彼女の後を付けたりしてしまうほどの熱烈な恋です。

そんな真山(加瀬亮)に近付きたくて、でも上手く距離を縮められないのが山田あゆみ(関めぐみ)でした。

彼女はずっと真山(加瀬亮)に恋をしていて、だからこそ彼が誰を思っているのかも十分承知しています。

大学生5人それぞれが誰かに恋をして、持て余し気味な感情や将来への不安、自分の才能と真正面から向き合う、そんな青春ラブストーリーです。

 

「ハチミツとクローバー」ネタバレ

初めこそ、森田(伊勢谷友介)の距離感の無い勢いに押され気味のはぐ(蒼井優)でしたが、天才は天才を知る、その言葉通りにお互いを認め合い、徐々に惹かれ合っていきます。

はぐ(蒼井優)はコンクールに出す作品を、森田(伊勢谷友介)は個展の目玉になる作品を作り始めました。

お互いの創作活動が刺激し合って相乗効果を生む二人。

森田(伊勢谷友介)の作品に向かって『あれは1週間前の方が良かった』などといえるのははぐ(蒼井優)だけです。

『バレたか』と笑い、作り直すと言っていた森田(伊勢谷友介)でしたが、はぐ(蒼井優)が竹本(櫻井翔)や、土手で出会って仲良くなったあゆみ(関めぐみ)、車を出してくれた真山(加瀬亮)と一緒に訪れた個展の中心には、あの時の彫刻がそのまま展示されていました。

思わず『これって…』と呟くはぐ(蒼井優)に、バツが悪そうな顔で森田(伊勢谷友介)は『個展には大作が必要でしょ』と返すのでした。

 
マスコミからも注目される個展でしたが、取材が入っているというのに森田(伊勢谷友介)は美術評論家と口論になり、突然会場を飛び出します。

慌てて追いかけるはぐ(蒼井優)たち。

5人は一緒になって、真山(加瀬亮)の車に乗り海へと向かうのでした。

着替えもないというのに海へとダイブした竹本(櫻井翔)たちでしたが、帰りになって肝心の車が動かなくなってしまい、結局、そのまま5人で旅館に泊まることになったのでした。

 
勢いに乗じて海に飛び込むまでは良かったですが、冷静になってみると非常に未病な関係に陥っている5人。

あゆみ(関めぐみ)は数日前学校中を追い駆けまわされた挙句、真山(加瀬亮)から『俺変わらないから』『もう俺の子と見るのやめた方が良いと思う』と、告白もしていないのにふられてしまっていました。

『どうしたら諦められるのかな…』そんなあゆみ(関めぐみ)の言葉に、森田(伊勢谷友介)は『諦めなきゃいいじゃん』と答えます。

思っても見なかった答えを貰った事で、少し気持ちが前向きになるあゆみ(関めぐみ)。

 
そんなあゆみ(関めぐみ)をふった真山(加瀬亮)は、その後自身の恋心を理由に里香(西田尚美)からバイトのクビを宣告されていました。

気落ちする真山(加瀬亮)ですが、不器用な竹本(櫻井翔)の恋の進捗具合も気になっていました。

はぐ(蒼井優)に気持ちを伝えていないという竹本(櫻井翔)に『ちゃんと伝えないと、一生後悔するかもしれないよ』とアドバイスを送ります。

真山(加瀬亮)からの応援を胸に、竹本(櫻井翔)は皆が酔っぱらって寝静まったのを確認すると、はぐ(蒼井優)に気持ちを打ち明けようとします。

ところが、このタイミングで起きてしまったのが森田(伊勢谷友介)。

唐突に立ち上がると、掛け軸を破り、その裏に醤油で見事な龍を描き始めました。

それを見て輝くはぐ(蒼井優)の瞳。

 
今日はもう言えない、と思った竹本(櫻井翔)は、翌朝、雑魚寝のような状態の部屋からはぐ(蒼井優)と森田(伊勢谷友介)がいなくなっている事に気付きます。

2人を見付けたのは海岸でした。

何をしているのか、と近付こうとした瞬間、森田(伊勢谷友介)がはぐ(蒼井優)にキスをするところを見てしまいます。

動けなくなった竹本(櫻井翔)。

そのまま、5人それぞれが様々な思いを抱えたままの帰宅となってしまったのでした。

 
海から帰って以来、はぐ(蒼井優)はスランプに陥っています。

ある日花本先生(堺雅人)から呼び出された竹本(櫻井翔)は『はぐ(蒼井優)は森田(伊勢谷友介)と何かあったのか?』と聞かれます。

何故はぐ(蒼井優)のスランプの原因が分かるのか?と不思議そうな竹本(櫻井翔)に、花本先生(堺雅人)は『はぐ(蒼井優)に影響を与えるとしたら森田(伊勢谷友介)しかいないと思うから』と告げるのでした。

 
一方の森田(伊勢谷友介)は、個展に出したあの彫刻が500万円で売れていました。

そんな森田(伊勢谷友介)に会った竹本(櫻井翔)は、はぐ(蒼井優)のスランプを知らせます。

『もしかして…』と言う森田(伊勢谷友介)に『もしかしなくても!』とかぶせ気味にじれったく突っ込む竹本(櫻井翔)。

しかしそれでも森田(伊勢谷友介)からのアクションはありません。

マスコミからの取材を受ける森田(伊勢谷友介)を見た竹本(櫻井翔)は、はぐ(蒼井優)の為に自分が何を出来るか、そればかり考えるようになります。

そして森田(伊勢谷友介)のところに行って再度焚き付けるのです。

『はぐちゃん(蒼井優)の事を支えられるのは森田さん(伊勢谷友介)しかいないんだ』『はぐちゃん(蒼井優)の事をよろしくお願いします』そう叫ぶと、その激情のまま自転車に乗ってどこかへ行ってしまいました。

 

「ハチミツとクローバー」最後のラスト結末は?

竹本(櫻井翔)からの叱咤を受けた森田(伊勢谷友介)は花本先生(堺雅人)宅を訪ねます。

そのままはぐ(蒼井優)を連れ出し向かったのは彼の個展会場でした。

そして彼女の目の前で売れた彫刻に火を点ける森田(伊勢谷友介)。

『もう作品じゃなくなってた。』『今燃やしたのは札束だ』と告げる彼は、はぐ(蒼井優)に向かって『お前は一人じゃないんだ。』『勝手に一人なるな。』と言います。

そして『なんでこんな中学生みたいなことを言うかと言うと…竹本(櫻井翔)のせいだ』と、はぐ(蒼井優)の事を心配している人間がいる事を教えるのでした。

 
その頃あゆみ(関めぐみ)は、真山(加瀬亮)を連れて里香(西田尚美)の事務所を訪ねます。

あゆみ(関めぐみ)から勇気を貰った真山(加瀬亮)は、再びここで働かせて欲しいと申し入れました。

かつて、自身の体調不良をきっかけに事故で主人を亡くした過去を持つ里香(西田尚美)は、真山(加瀬亮)の気持ちを受け入れられるわけでもないのに、優秀な彼を自分の事務所に繋ぎとめておくことが申し訳なくて真山(加瀬亮)を解雇したのです。

そんな彼女にとって真山(加瀬亮)からの申し入れは意表を突くものでしたが、一生懸命な真山(加瀬亮)に押され『また同じことになるよ』と言うのが精一杯でした。

しかしそんな彼女を包み込むような優しさで、真山(加瀬亮)は『大丈夫です』『傷つきませんから』と返して再雇用を認めて貰えたのでした。

 
あゆみ(関めぐみ)に背中を押して貰った事で再び里香(西田尚美)の元で働けるようになった真山(加瀬亮)は、あゆみ(関めぐみ)に正直な気持ちを打ち明けます。

『山田(関めぐみ)見てると自分見てるみたいだった』『だんだん格好悪いとかそういうのどうでもよくなっていって…』それでも『俺、諦めきれなかった…』。そう告げる真山(加瀬亮)に『真山(加瀬亮)。好き。大好き。』とやっと自分の言葉で気持ちを伝えられたあゆみ(関めぐみ)。

そんな彼女に、真山(加瀬亮)は静かに『ありがとう』と返すのでした。

 
さて、自転車に乗ってとにかく前へ前へ漕ぎ続けた竹本(櫻井翔)はボロボロ状態の時、宮大工の現場に拾われます。

そこでしばらくお世話になるウチに、漠然としていた将来への不安や片想いのくすぶりが少しずつ整理されていくのを感じた竹本(櫻井翔)は、東京へ帰る決心を固めたのでした。

東京に帰り着くと、そのまま真っ直ぐ花本先生(堺雅人)宅に向かう竹本(櫻井翔)。

そして、出会った頃と同じようなシチュエーションではぐ(蒼井優)に告白しました。

『はぐちゃん(蒼井優)。俺、はぐちゃん(蒼井優)の事が大好きだよ。』そう柔らかな笑顔で告げる竹本(櫻井翔)に、はぐ(蒼井優)は優しく『ありがとう。』と返すのでした。

 
それから少し時は流れ―――。あゆみ(関めぐみ)からの手紙が竹本(櫻井翔)に届きます。

竹本くん(櫻井翔)。バイトはどうですか?
森田さん(伊勢谷友介)はニューヨークでの個展が決まりました。

真山(加瀬亮)は原田事務所に正式採用。
はぐちゃん(蒼井優)は海の絵を完成させました…多分。

社会に出る少し前、大人とも子どもと言い切れない青春時代を友に過ごした5人。

そんな彼らの葛藤や切なさが詰まった物語は、未来への繋がりを彷彿とさせながら終わります。

完。

 

「ハチミツとクローバー」見どころ

原作漫画にコアなファンの方がたくさんいるという事で、映画・ドラマ共に実写化においては厳しい目で見られていた作品だと思いますが、決して原作を蔑ろにしたような作りにはなっていないと思います。

まず配役からしてイメージピッタリ、もしくは見る前はそうも思っていなかったのに、見始めたらもう役者さんがそのキャラにしか見えなくなっちゃった、というくらい生き生きとした生の感情が描き出されていました。

竹本役の櫻井さんについては、原作の羽海野先生に『CGみたい』と言わしめたほどのはまり役です。

また実際に東京芸術大学の卒業で、現在も俳優業のほか芸術制作にも意欲的な伊勢谷さんは、脚本を呼んだ時『これは俺だ』と思ったんだそう。

原作の森田は天才なんだけどイラストが愛らしいので見た目の印象は違いますが、しかし作品への情熱の傾け方、実際に描く龍の絵など随所に本物が挟まれていてゾクゾクしました。

 
物語の中で伊勢谷さんと蒼井優さんが二人で大きな看板をキャンパスにして絵を描くシーンがあるのですが、お二人とも楽しそうにペンキをゴシゴシ塗りつけたり飛沫を飛ばしたり、紙を破いてそれすらも作品の一部にしてしまったり、と本当に天才同士の合作を見ているようで楽しかったです。

このシーンは、もともと美術スタッフさんが作ったものと後で差し替える、と言う予定だったそうなのですが、お二人が作り上げた者の方が良いという事でそのまま採用されたんだそうです。

 
個人的には、こういった芸術家の作り出すものを見ていくのも楽しかったのですが、恋物語として切なかったのはあゆみの真山に対する思いです。

天才同士が惹かれあう森田・はぐペアに対して、美術大学に通う学生だけれども、その恋は普通の人と何ら変わりはなく、ものすごく可愛くて切なくてドキドキして…。

里香をストーカーする真山をストーキングするあゆみの気持ちとか、告白もさせて貰えなかったシーンのあゆみの表情を見ていると切なくて涙が出ました。

関さん自身は猫目の美人さんなので、原作にあるようなふんわり可愛い系美人ではなく正統派美人の部類に入ると思うんですが、そんな美人が片想いに振り回されている一生懸命な姿には、原作と同じく感情移入してしまい、結果を知っているにも拘らず応援してしまいたくなる程可愛かったです。

 
他にも、武本が恋に落ちる瞬間を見ていた真山が『人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった』とモノローグで語る言葉だったり、原作に散りばめられているキラキラとした生の言葉に息を吹き込んだかのような素敵な映画だと思いました。

何かに悩んだり、自分の進路を見失った時には必ず見たくなる作品です。

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