映画「ダウト・ゲーム」はドミニク・クーパー主演、ピーター・ハウイット監督の2014年公開の作品です。
この映画「ダウト・ゲーム」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころについて紹介します。
罪を犯した検事と、その罪を被った男の行きつく先は?「ダウト・ゲーム」をお楽しみください。
「ダウト・ゲーム」あらすじ
上司や同僚に信頼される、検察官のミッチ・ブロックデン(ドミニク・クーパー)。
しかし、動揺や焦りが見られるこの日の裁判は、被告人を追及する事はなく歯切れの悪いものでした。
被告人は、自動車整備士のクリントン・デイヴィス(サミュエル・L・ジャクソン)。
雪が残る夜、テールライトが切れたまま走行していた彼は、警察官に停車させられます。
すると、車内にセシル・アッカーマンの死体がありました。
児童虐待や性犯罪で逮捕歴があり、現在は仮釈放中だったアッカーマン。
デイヴィスは殺害を否認しますが、状況証拠はデイヴィスの犯行を示すものばかりでした。
「被害者の死因は何でしょうか?」と、証人の専門家に尋ねるミッチ。
金づちのような物で付けられた傷はありますが、特定には至りません。
損傷は多く、アッカーマンは“車にはねられた”ことで、死亡した可能性もあるのです。
路地でアッカーマンを発見したから、車に乗せて病院へ向かっていたと訴えるデイヴィス。
確かに「救急車を頼む!男性が車にひかれた」と、公衆電話から通報はありました。
しかし、何かで覆ったように籠る声、訛りを誤魔化し、名前も言わずに電話は切れます。
専門家による分析結果は、“30代の白人男性、シカゴ南部の出身を隠そうとしている”。
50代の黒人男性であるデイヴィスは該当せず、専門家から「あなたは?」と、聞き返されるミッチの表情が強張ります。
実は・・・
「ダウト・ゲーム」ネタバレ
──あの夜、同僚と酒を飲んだ後、罪悪感を抱きつつ車を走らせたミッチ。
後ろには、サイレンを鳴らすパトカーがいました。
思い切って大通りから人通りのない路地へと右折すると、パトカーは大通りを直進。
パトカーを見届けて正面を向くと、目の前には男がいてあっと言う間でした。
愛する妻との間に娘が生まれたばかりのミッチは、今の暮らしを失いたくありません。
公衆電話の受話器に、ハンカチを押し当て通報。
声を震わせながら助けを求めるアッカーマンを置いて、車を走らせたミッチ。
雪もとけ、ミッチの痕跡は事故現場から消えました──
ミッチの上司や同僚は今回の事件で有罪を勝ち取り、検察の力を見せつけようと意気込んでいます。
実は、工具を使った連続殺人事件が発生していましたが解決に至らず・・・
キャノン刑事(グロリア・ルーベン)も、デイヴィスの犯行と睨んでいます。
糸口になりそうな、通報者の特定は困難。
軽い気持ちで「通報者は、ミッチってこともあり得る」と、笑う上司。
事故を起こした者は名乗り出ないだろうと言う同僚に、ミッチは苦笑いしか出来ません。
検察官としてデイヴィスと対面し、取り調べをすると複雑な感情を抱くミッチ。
無実を主張するデイヴィスは、妻と娘を強盗犯に殺害された辛い経験をしています。
同じ境遇の人を支援するデイヴィスは孤独で、ミッチには怯えているようにも見えました。
飲酒運転、ひき逃げの事実を隠し続け罪悪感に苛まれるミッチは、窮地に立たされます。
デイヴィスの弁護人が、通報者の身元が判明したと言い出し「すでに法廷に居ます」と。
騒然となる傍聴席、弁護人は焦るミッチの方を指さすと「ジミー・ローガンです」と、傍聴席にいる男を呼びます。
立ち上がるジミー(ライアン・ロビンス)は、「セシル・アッカーマンは“赤い車”に…」と、(虚偽の)目撃証言をしました。
思いもしない出来事に、呆然となるミッチ。
ジミーという仮釈放中の男は、喧嘩別れしたばかりのミッチの兄です。
妻にも言えないミッチにとって煙たい存在で、冷たくあしらわれてばかりのジミーが窮地を救いました。
これによって、デイヴィスは無罪放免。
外へ出て少し安堵したミッチに、タバコを吸うデイヴィスがこんな事を聞きました。
「この後はどうなる?ひき逃げ犯だよ… “目撃者”もいる」
まだ、終わってはいないのです・・・
数日後、殺人事件が発生。
金づち、のみ、ナイフで傷だらけの被害者に、新聞記事も“拷問の可能性”と。
ミッチは、同じように傷ついて血だらけだった、あの夜のアッカーマンの顔が浮かびます。
車を走らせるミッチが事故現場へやって来ると、物陰も多く人が隠れるのには十分でした。
落ちていた見覚えのあるタバコを手に取ると、記憶が蘇るミッチ。
あの夜、かすかに聞こえたジッポライターの開閉音は、裁判所でも聞きました。
デイヴィスが、この路地でアッカーマンを拷問にかけていたとしたら?
逃れようとしたアッカーマンが、物陰から飛び出して車と衝突した?
そして、自分の行動をデイヴィスに見られていたと直感するミッチ。
真相を暴こうと動き回るミッチに、デイヴィスは「俺を放っておいてくれ!」と、忠告します。
法廷で憔悴するミッチを見ていたデイヴィスは、ひき逃げの事実も暴露する気はありませんでした。
それでも、殺人犯のデイヴィスを見過ごすことが出来ないミッチは、追及をやめません。
ミッチは、未解決殺人事件の被害者の共通点を突き止めます。
あの日、家に押し入った仮釈放中の男に、刃物で切り付けられ手足を縛られたデイヴィス。
何も出来ないまま、目の前で妻子を殺害されました。
復讐に駆られるデイヴィスの標的は、“仮釈放中”の者ばかりでアッカーマンもそうです。
デイヴィスの犯行を立証するため、ミッチが協力を求めたのは兄・ジミー。
仮釈放中のジミーは、頼ってくれる弟のためにデイヴィスの尾行を引き受けました。
しかし、上手くは行かず尾行中のジミーは、デイヴィスに拘束され拷問にかけられます。
ジミーの命を救うため、二人がいるセメント工場へ駆け込むミッチ。
すると「ミッチ!助けてくれー!!」と、絶叫が響き血まみれのジミーが居ました。
すでに、工場の外へ出ていたデイヴィスは「あの男に殺される」と、警察に通報。
デイヴィスは車で走り去り、工場に残っていたミッチが“未解決殺人事件の容疑者”に仕立て上げられます。
無実を訴えるミッチの取り調べをするのは、キャノン刑事。
しかし、デイヴィスの策略にハマり、犯行を裏付ける幾つもの証拠がミッチを追い詰めます。
そして「僕だよ、アッカーマンをひき逃げしたのは僕だ」と、自供するミッチ。
事故現場にはデイヴィスが居たとも主張しますが、彼が未解決事件の真犯人だと立証するものはありません。
「同僚の検察官からだ」と、勾留中のミッチに電話が繋がりますが、それはデイヴィスでした。
「同じ手口の殺人が、勾留中に起きたら?お前の無罪が…」
淡々と話し続けるデイヴィスは「これで、俺の気持ちが分かる」と言って、電話を切りました。
その言葉の意味が分かったミッチは警官をねじ伏せると、妻と娘を守るため家へと急ぎます。
「ダウト・ゲーム」最後のラストの結末は?
“キャノン刑事”と名乗り、ミッチの妻に玄関のドアを開けさせたデイヴィス。
夫・ミッチに殺人容疑が掛けられたと知り混乱する彼女に、デイヴィスは無実を信じていると優しく伝えます。
キッチンに居るミッチの妻と娘、デイヴィスは玄関先で静かに工具を準備。
ミッチが読む犯罪記録を床に落とした妻は、訪ねて来たのは“キャノン刑事”じゃないと分かりました。
同じ頃、キャノン刑事も警官や検察官の言葉で、デイヴィスが真犯人だと気づきます。
ミッチが家に着くと、妻はデイヴィスに捕らわれていました。
「他の家族を俺が守ってやった…」と、仮釈放中の奴らの殺害は、正しいと主張するデイヴィス。
ミッチに自分の家族を守れなかっただけの腰抜けだと咎められると、逆上して発砲します。
撃たれたミッチは倒れ込み、妻を助けることが出来ません。
「お前にも分からせてやる!」と、デイヴィスはミッチの妻に、ナイフを突き付けました。
しかし次の瞬間、デイヴィスはキャノン刑事に射殺されます。
大事に至らなかったミッチは、妻と娘とのいつもの暮らしに。
一命を取り留めて三人に会いに来た兄・ジミーは、家族の一員として歓迎されました。
THE END
「ダウト・ゲーム」見どころ
ドミニク・クーパーVSサミュエル・L・ジャクソン
おでこや眉間にシワを浮かべ、焦燥感たっぷりのドミニク・クーパーに観る者もハラハラ!
そして、鼓動が最高潮になるのは、サミュエル・L・ジャクソンの破壊力満点の目力!!
ストーリー的にもサミュエル・L・ジャクソンとケヴィン・スペイシーが激突する「交渉人」を思い出しました。
彼らの表情に釘付けになるサスペンスは、個人的にも好きなのですが巷の評価はイマイチ?!
「でしょうね」と思える安易な展開は突っ込みどころも多くて、辻褄を合わせようとすると無性に苛々するかも!
繰り広げられる会話は聞き流しても良いくらい深みはなく、その場その場で区切りをつけると納得できるかな・・・
とにかく!目で見て楽しむ映画ってことを理解して頂ければ、91分の上映はスリリングに駆け抜けるハズです!
個人的にオススメなのは、ミッチがデイヴィスの尾行を開始する一回戦!本編40分頃~。
恐怖を煽る音楽は定番ですが、心臓がギューン!ってなるアレは怖がり屋さんには強烈!!
ミッチ&兄・ジミーが、デイヴィスを尾行する二回戦は本編53分頃~。
真っ昼間、デイヴィス宅に堂々たる不法侵入をする検察官のミッチ。
こうなると、デイヴィスと至近距離に居る、仮釈放中のジミーが絶対にヤバイですよね!
だけど、無防備なジミーは、自ら身を捧げるように車の外へ。
来る~!きっとアイツは…来たぁ!!一撃でぶっ倒れるジミーは、絶叫を上げる事となります。
ちなみに、ミッチ&ジミーは血が繋がっていない兄弟なのですが、ストーリーには何ら影響は及ぼしません。
悪さをする兄だけど、実は弟思いの愛に溢れたおバカさんキャラはありがちですよね。
実弟でもないミッチのために犯罪者となってしまい、とことん嫌われるジミー。
ミッチに罵られた翌日、突然 偽証をしちゃう意味は「?」だけど、最後は家族円満!
「司法取引がどーのこーの」なんてミッチは言っていたけど、見事な“うやむや”は、もう突っ込む気も起きません。
いつの間にか、いわゆる“ミイラ取りがミイラになっちゃった”的なデイヴィス。
サミュエル・L・ジャクソンの名演で、個人的にはその最期にも文句はありません。
ミッチの同僚や妻、それに天使すぎる娘も「無事で良かった」って、広い心で受け止められます。
だけど、キャノン刑事だけは少々モヤモヤするのです。※あくまで個人の感情です。
初登場は、デイヴィスを未解決殺人事件の真犯人と疑う、切れ者の刑事に見えました。
ところが、彼女にとって“誰かが”捜査して見つけた証拠が、犯人の特定基準なのです。
※本編に彼女の捜査シーンは無いからと言う、勝手な見方です。
そして、証拠が無意味ならデイヴィスは無実だと、あっさり事件から手を引く。
ミッチが真犯人だという証拠があがれば、今度はミッチを追及!
※まあ、残念な検察官・ミッチからすべては始まったような映画だから、追及は自業自得ですけどね。
やっと真相が分かったキャノン刑事は、結局“銃ぶっ放す要員”で刑事としての仕事をやり遂げます。
私にとっては中途半端に思えたキャノン刑事、あなたにはどう見えるでしょうか?
じわじわ迫る緊迫感を余すところなく堪能するには、期待値を下げれば良いだけ!?
先にも言ったように、見応えある俳優たちの表情は観る価値あり◎
『ダウト・ゲーム』は、思いがけない掘り出し物になるかもしれませんよ~
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