映画「小さな恋のうた」は、佐野勇斗主演、橋本光二郎監督の2019年の作品です。
この映画「小さな恋のうた」のネタバレ、あらすじや最後ラスト、結末や見どころを紹介します。
名曲をモチーフに若者たちの青春を描いたドラマ「小さな恋のうた」をお楽しみください。
これで「小さな恋のうた」のすべてがわかります。
「小さな恋のうた」あらすじ
沖縄の小さな町。
そこはフェンスで隔てられ、日本とアメリカが同時に存在する場所。ある高校生バンドが人気を集め、プロデビューが決まった。
だが自動車事故に巻き込まれ、バンドは行き先を見失う。
そんな時、彼らは1曲のデモテープとひとりの少女に出会う。
そして止まった時計の針は前に進み始めます。
フェンスの向こう側に友の“想い”を届けるため、彼らは再び楽器を手に取り立ち上がるのです。
「小さな恋のうた」ネタバレ
沖縄の小さな町に暮らす高校生。
軽音部に所属するボーカルの真栄城亮多(佐野勇斗)、ギターの譜村慎司(眞栄田郷敦)、ドラムの池原航太郎(森永悠希)、ベースの新里大輝(鈴木仁)、の四人は文化祭で自分たちの演奏を披露するため練習する毎日。
軽音部の部室前には彼らの演奏を聞き付けた生徒たちで賑わいます。
部室の窓を開けて練習する事は禁止されていましたが、オーディエンスに答えるため、窓を開けサービスするボーカルの亮多。
しかし、その騒ぎを聞き付けた教師に呼び出されてしまうのです。
これ以上騒ぎを起こすなら学園祭には出さないと言われて文句ばかりの四人。
他の部員からもしばらく部室の使用を禁止すると言われてがっかりしてしまいます。
その足でいつものライブハウスへと向かうとマスターの根間(世良公則)からスカウトが来ていると聞かされる四人。
スカウトマンからは「一つだけ聞きたい。プロとしてやっていく気はあるかな?」と言われます。
四人は「俺たち東京行くの?」と興奮を隠せず騒ぎ始めるのです。
その帰り、二手に別れて家路につく四人。
亮多は慎司と、慎司が想いを寄せる米軍基地に住むリサ(トミコクレア)の話しをしながら恋バナに花を咲かせます。
亮多は国境を超えて思い会う二人を応援していました。
その時、二人に向かって車が突進してきたのです。
二人を轢いた犯人はそのまま逃走してしまいます。
二人の事故の事を聞いて病院に駆けつける亮多の母・慶子(清水美沙)、そして大輝と航太郎。
事故のショックで亮多の記憶が一部失われていると医師から聞かされるのです。
そんな中、病室でボーッとする亮多の前に慎司がやって来ます。
慎司は「お前無事だったんだな!良かった!」と声をかけますが、亮多は慎司の事もバンドの事も忘れていました。
慎司は、亮多にバンドの事を思い出させるため、去年の学園祭の話をします。
その時披露した曲は慎司が作曲して亮多がそれに歌詞をつけた曲でした。
その曲を演奏した亮多たちは生徒たちの間で人気になるのです。
その曲はライブハウスのマスターにもお墨付きをもらい、マスターの紹介でデビューの話がきた事を話す慎司。
それでも亮多は中々思い出す事が出来ません。
しかし、ふと慎司とリサの馴れ初めを思い出した亮多。
慎司に「学園祭にリサ呼べよ!そんで告白しろよ!」と言います。
そんな亮多に「お前、何忘れてんだよ!」と叫ぶ慎司。
皆を忘れていた事を謝る亮多でしたが、その時自分の目の前で慎司が亡くなった事を思い出すのです。
そのショックから記憶を失っていた亮多でしたが、全ての記憶を取り戻します。
その頃慎司の妹・舞(山田杏奈)は慎司が恋をしていたリサに会いに行っていました。
何も知らないリサに慎司の死を伝えに行ったのです。
無事退院した亮多でしたが、慎司の死を受け入れる事が出来ませんでした。
大輝は別のバンドに入りますが、亮多らが好きでバンドに所属していた航太郎はドラムをやめてしまいます。
舞は慎司のパソコンから、まだタイトルのつけられていない音源を見つけます。
その曲を演奏してくれないかと亮多たちに頼む舞。
「この曲を演奏してくれませんか?多分最近作った曲だと思うんです。この曲だけ演奏されないのは可哀想だから…。」と亮多と航太郎に話します。
航太郎は演奏しようと亮多に言いますが、ギターがいないのに演奏出来ないと亮多は反対するのです。
すると、舞が二人の前でギターを弾いて見せます。
航太郎はすぐに大輝のところへ行き慎司の作った曲を演奏しようと誘うのです。
しかし、大輝は新しいバンドに加入しているから今は無理だと断られてしまいます。
亮多のことも説得する航太郎でしたが「俺はいつも魂込めて歌ってる。こんな気持ちのままあの歌は歌えない。お前はいいよな叩くだけだから」と言われてしまうのです。
心ない言葉をかけられた航太郎は亮多につかみかかります。
取っ組み合いの喧嘩をしながら「俺の気持ちなんか知らないくせに!俺たちがあいつの曲を演奏しないで誰がするんだよ!」と本音をもらすのです。
亮多はリサに会いにいきます。
リサからは父親が転勤するから一ヶ月後にアメリカに戻ると聞かされるのです。
そして「慎司がライブに誘ってくれたのに行けなくて残念…。」と話すリサの言葉を聞いた亮多は「じゃあ学園祭に来なよ!慎司の曲を演奏するから!」と伝えるのです。
もう一度バンドを復活させると決心した亮多は、舞にギターを演奏して欲しいと頭を下げます。
亮多がベースを担当し、航太郎も誘って三人で演奏することに。
早速三人での練習を開始しますが、舞はギターをアンプにつないで練習するのは初めてで、大きな音で鳴るギターに感動します。
舞が、慎司が作曲した曲を全て演奏できる腕前を持っている事に亮多、航太郎、根間は驚くのです。
亮多は学園祭で演奏する事を勝手に決めていましたが、担当の教師からは今更そんな勝手は許されないと注意されてしまいます。
亮多らは、他の出演者に頭を下げ、出演時間を分けて貰うのです。
舞は練習の後、リサの元へ向かいます。
慎司がしていたように、ヘッドホンを片方ずつつけて曲を聴く二人。
リサはこの曲が一番好きだと言って、どんな内容を歌っているのか舞に訪ねます。
英語でこの曲の内容を説明することに悩んだ舞は「small love小さな恋」と答えるのでした。
ひき逃げ犯が捕まらないまま、米軍所有のナンバープレートの車を目撃したという噂が立ちはじめ、基地の前では激しいデモが繰り広げられる様子がテレビのニュースで流れます。
デモが激しさを増す中、米軍基地に住む住人は外出禁止が言い渡されるのです。
連日米軍基地の前でのデモの様子がテレビで流れ、舞は父親から「きちんと勉強して内地の大学へ行きなさい。そうすればこんな小さな島で何でこんなにも揉めているのか良くわかるから。」と言われます。
放課後こっそりとリサに会いに行く事が日課になっていた舞は、ある日リサから「私の父はオスプレイに乗ってるの。あなたもオスプレイは嫌い?」と尋ねられます。
舞は言葉が見つからず「分からない…。」とだけ答えるのです。
学園祭のための練習も大詰めとなったある日、根間のライブハウスのスタジオを練習のため訪れた亮多たち。
ライブ前の舞台を貸してもらえることに。
亮多たちが演奏しているところにやってきた出演者が、その演奏を気に入り動画の撮影をします。
亮多たちの演奏を録音し、ライブハウスの客らに聞かせる根間。
三人の演奏は評判で、根間は亮多たちのために作った学際用のチラシをその客たちに渡して宣伝するのです。
学園祭当日。
学校を訪れた人たちで賑わう中、亮多たちはトラブルに見舞われていました。
先日のライブハウスでの演奏動画が拡散され、学校に亮多たちの演奏はあるのかと問い合わせが殺到してしまったのです。
対外活動をしたと勘違いした教師から、学園祭での演奏は禁止と言われてしまいます。
せっかく練習してきた亮多たちはがっくりと肩を落としますが、そこへ大輝がやってきてある提案をするのです。
それは屋上でライブをするというものでした。
大輝は「ここまでは出来るけどこの後の責任は取れないよ。ホントにやる?あの動画見たんだ。正直お前らと演奏できない事スゲー後悔してる。でもお前ら三人の演奏最高だよ!」そう言って亮多たちの背中を押すのです。
一方、基地から外へ出ようとしていたリサでしたが、デモが激しく結局学園祭に行く事はできませんでした。
リサが外に出られていることを願いながら演奏した亮多たち。
三人の演奏はすぐに騒ぎになり、多くの観客が亮多たちの演奏している場所を探して賑わいます。
ライブは盛況でしたが、何曲か演奏したところで騒ぎを聞きつけた教師によって中止にさせられてしまうのです。
それぞれの親が学校へ呼び出され、亮多、航太郎、舞の三人は停学処分を言い渡されてしまいます。
その帰り、舞の持っているギターを地面に叩きつける舞の父親。
「こんな時に音楽なんて…お前は何をやっているんだ!」そう言って舞を叱りつけます。
舞は父親に向かって「ふざけんな!お兄ちゃんの曲ちゃんと聞いたことある?お兄ちゃんのステージ見たことある?凄かったんだから!勉強が出来るよりも凄いことやってたんだよ!沢山の人の心を掴んでたの。それを何も分かってないのに…音楽が沢山大事な事を教えてくれるってお兄ちゃんに教わったの。大事なことは全部お父さんじゃなくてお兄ちゃんに教わったんだから!」と気持ちをぶちまけ、粉々になったギターをそっと抱きしめるのです。
それから数日後、舞はリサがフェンス越しに何かを投げているのを部屋の窓から目撃します。
その場所に駆けつけた舞はリサが投げたプレゼントを手に取るのです。
亮多と航太郎と一緒にそのプレゼントを開けると、基地の中で売っている“さよならドール”と手紙が入っていました。
手紙には、予定よりも早くアメリカに帰る事、三人に会えてうれしかった事、ライブを見られなかったのが残念だった事、そして慎司から教わった、出会ったらみんな兄弟と言う意味の沖縄の言葉「いちゃりばちょーで」という言葉がとても好きだと綴られていたのです。
最後には「ちゃんとパスポートを使ってあなたたちに会いに来るわ」と書かれていました。
「小さな恋のうた」ラスト最後の結末
その夜、舞は慎司の作った曲に歌詞をつけます。
そんな舞に、父親は「ギターって修理できるのか?」と尋ねます。
舞は「もういいんじゃない?」とそっけなく答えますが、父親は「あのギターを直したいんだ。」と言うのです。
亮多たち三人は新曲を録音してリサに渡そうと、根間に協力してもらうことに。
根間は三人にライブしたらどうだと提案します。
いつもリサと会っていた、基地と沖縄を隔てるフェンスの前でライブをすることにした三人。
リサがまだいてくれることを願って音を鳴らします。
しばらくすると駆け寄ってくるリサの姿が。
舞はリサに「お兄ちゃんが残してくれた曲があったの。SAYONARA DOLLって曲にした。リサの為に演奏するから聴いて!」そう言って演奏を始めます。
その時の彼らには隔てるものは何もなく、国境も感じませんでした。
それから亮多たち三人はライブハウスでSAYONARA DOLLを披露します。
観客たちはその曲に聴き入り、曲が終わるや否や大歓声で三人を称えるのです。
その観客の中に慎司の存在を感じた亮多たち。
慎司が見守ってくれていることをずっと感じながらライブは続きます。
お馴染みのナンバーを観客たちと大合唱しながらライブはますます盛り上がるのでした。
完。
「小さな恋のうた」見どころ
音楽を通して繋がりあう青春ストーリー!!
沖縄出身で幅広い世代に人気のバンド「MONGOL800」の「小さな恋のうた」をモチーフにしたストーリーで、MONGOL800のファンにも溜まらない映画になっています。
沖縄を舞台にストーリーが進んでいきますが、沖縄が抱える米軍基地との問題なんかも取り上げられていて、国境を越えた友情や、繊細な内容を扱った深い内容にグッときました。
沖縄が舞台なのに標準語だったのが少し残念な気もしますが…。
出演キャストが、話題の若手俳優ばかりなのも見どころポイントです。
特に舞を演じた山口杏奈の自然体の演技に惹きこまれてしまいました!
航太郎を演じた森永悠木希はカメレオン俳優として多くの作品にひっぱりだこですよね。
爽やかさを感じる作品なので、どの世代にもおすすめの映画です。
みんなの感想