「カルテット! 人生のオペラハウス」ネタバレ!あらすじや最後ラストの結末と見どころ

映画「カルテット! 人生のオペラハウス」ネタバレ あらすじ
ヒューマン

映画「カルテット!人生のオペラハウス」は、マギー・スミス主演、ダスティン・ホフマン監督の2012年のイギリス映画です。

この映画「カルテット!人生のオペラハウス」のネタバレ、あらすじや最後ラストの結末、見所について紹介します。

引退した音楽家たちが自分たちのホームの存続を懸け奇跡を起こす音楽ドラマ「カルテット!人生のオペラハウス」をお楽しみください。

ダスティン・ホフマンの監督デビュー作となります。

■ スタッフ
監督: ダスティン・ホフマン
製作総指揮:ダリオ・ズーター
脚本: ロナルド・ハーウッド
撮影: ジョン・デ・ボーマン
音楽: ダリオ・マリアネッリ

■ 主要キャスト
ジーン・ホートン:マギー・スミス
レジナルド・“レジー”・パジェット:トム・コートネイ
ウィルフレッド・“ウィルフ”・ボンド:ビリー・コノリー
セシリー・“シシー”・ロブソン:ポーリーン・コリンズ
セドリック(シィドリック)・リビングストン:マイケル・ガンボン
ルーシー・コーガン先生:シェリダン・スミス
ボビー・スワンソン:アンドリュー・サックス
アン・ラングレー:グウィネス・ジョーンズ

「カルテット!人生のオペラハウス」あらすじ

老いた音楽家たちの終の棲家・ビーチャム・ハウス。

広い庭園に囲まれた古城のような館で余生を優雅に暮らす老人たちですが、彼らの施設は資金難で閉鎖の危機に追い込まれています。

そこで思いついたのがガラを行うこと。

プライドの高いセドリック(マイケル・ガンボン)を中心に演目や出演者たちの練習が始まりました。

しかしなかなか思うように進まないレッスン・・・。

かつてオペラ界の第一線で活躍した面々をまとめ上げるのはただでさえ大変な上に、アルツハイマーや卒中など持病を抱えた人も少なくなくて・・・

そんな状態のビーチャム・ハウスに新しい入居者がやってきます。

彼女の名前はジーン・ホートン(マギー・スミス)。

ビーチャム・ハウスからのお迎えの車に乗ってやってきた彼女の登場により心乱される人がここにはいて―――。

果たして彼らはガラを成功させ、自分たちの住まいを守ることができるのでしょうか?

 

「カルテット!人生のオペラハウス」ネタバレ

迎の車でやってくるとはVIP扱いだ、と老人たちがざわめく中現れたのがジーン(マギー・スミス)です。

気難しい表情を和らげることもないまま施設の説明を聞く彼女ですが、老人たちからは拍手で迎えられます。

そのままスイートに部屋を準備されている彼女は正真正銘の歌姫であり、このビーチャム・ハウス内でも最高位のVIPなのは間違いないようです。

新しい入居者がジーン(マギー・スミス)だと知ったシシー(ポーリーン・コリンズ)は、慌てて庭に出ていきます。

仲良しのウィレフ(ビリー・コノリー)とレジー(トム・コートネイ)に嬉しそうに報告したシシー(ポーリーン・コリンズ)でしたが、その言葉に表情を一変させるレジー(トム・コートネイ)。

足早に彼が向かったのは、ここの責任者でもある医師・ルーシー(シェリダン・スミス)の部屋です。

先生は彼女の本性を知らない、と興奮状態で憤っている彼にルーシー(シェリダン・スミス)は優しく言葉をかけ落ち着かせようとしますがレジー(トム・コートネイ)の興奮は収まらず・・・。

そのまま、別のホームを探さなくてはいけなくなった、というと部屋を後にしてしまいました。

しかし彼はそう簡単には出ていけないのです。

高校生たちに講義する授業を受け持っているレジー(トム・コートネイ)は、その役目を放棄するわけにもいかず・・・。

翌朝、ウィレフ(ビリー・コノリー)はレジー(トム・コートネイ)の部屋を訪ねます。

病気の後遺症もあって自分の欲求が抑えられなくなっている彼は、女性を見れば年齢問わず口説いているような男ですが、そんな自分を心配してここに来て、そして共に終の棲家に決めたレジー(トム・コートネイ)には熱い友情を感じています。

なぜ彼がジーン(マギー・スミス)に過剰反応するのか・・・?

その理由を知っている彼はレジー(トム・コートネイ)を気遣っているのでした。

ジーン(マギー・スミス)の部屋にはシシー(ポーリーン・コリンズ)がやってきます。

久しぶりの再会に高揚しているシシー(ポーリーン・コリンズ)に連れられて、彼女が向かったのはレジー(トム・コートネイ)が講義している部屋でした。

オペラの歴史を取っ付き易く講義する彼の授業に生徒たちも楽しそう。

しかしジーン(マギー・スミス)に気づくと途端に表情をなくすレジー(トム・コートネイ)。

なんの用だ?と冷たく返す彼の姿に、ジーン(マギー・スミス)は踵を返すように立ち去るのでした。

講義後、一人東屋のような場所でベンチに座っていたレジー(トム・コートネイ)のもとに、ウィレフ(ビリー・コノリー)がやってきます。

ジーンが来たからにはもう穏やかな老後は送れない、と呟くレジー(トム・コートネイ)ですが、そこへシシー(ポーリーン・コリンズ)とジーン(マギー・スミス)が来ました。

傷つけて悪かったわ、と謝るジーン(マギー・スミス)。

97年を最後に今日まで会わずに来た二人。

その日から今日まで何度もこの言葉を練習してきたの、と自嘲気味に語るジーン(マギー・スミス)とレジー(トム・コートネイ)。

はじめこそかたくなで冷たかったレジー(トム・コートネイ)ですが、泣き出した彼女に冷たくは出来ず、徐々に距離を縮めていきます。

 
翌日。
庭にいるレジー(トム・コートネイ)を散歩に誘ったジーン(マギー・スミス)。

二人は森の中のベンチに座ります。

向こうでは弦楽器カルテットが音楽を奏でる静かな場所で、ジーン(マギー・スミス)の結婚歴に話を振るレジー(トム・コートネイ)。

彼女は五回と答え、レジーの後は二回だと言い添えました。

そんな彼女に対しレジー(トム・コートネイ)は、再婚もしていない、もう懲りた、と返します。

彼がジーン(マギー・スミス)を徹底的に避けたのは、二人がかつて夫婦だったからなのでした。

彼女の出る演目すら出演を断り続けてきたレジー(トム・コートネイ)。

そうして過去を振り返るうち、冗談も言い合えるような空気感になった二人は再び歩き出します。

柔らかくなった関係性で、レジー(トム・コートネイ)は彼女に、なぜ歌うことを辞めた?と聞きました。

シシー(ポーリーン・コリンズ)からガラの話を聞いても絶対に歌わない、と言っていた彼女が歌を辞めたのは、昨日より今日、今日より明日と常に良くなることを求められ続けることが怖くなってしまったからです。

 
その頃、ガラ推進委員会ではセドリック(マイケル・ガンボン)がとある提案をしていました。

ジーン(マギー・スミス)が来たことで、リゴレットのカルテットができるじゃないか、というのです。

チケットの売り上げが例年の六割減な今、何か目玉になる演目がどうしても必要な彼の言葉は、提案という名の命令です。

セドリック(マイケル・ガンボン)は英国オペラ史に残る四人・ジーン(マギー・スミス)・レジー(トム・コートネイ)・シシー(ポーリーン・コリンズ)・ウィレフ(ビリー・コノリー)がカルテットを組めば宣伝になる!と息巻いていますが、レジー(トム・コートネイ)自身は前向きではありません。

とはいえ、このガラの成功がビーチャム・ハウスの未来を作ることは確かです。

ウィレフ(ビリー・コノリー)からも諭されたレジー(トム・コートネイ)は、ジーン(マギー・スミス)への誘いはシシー(ポーリーン・コリンズ)と三人で言おうと提案するのでした。

ウォレフ(ビリー・コノリー)の下準備もあって、三人はジーン(マギー・スミス)を誘って夜の外食へ出かけることができました。

彼女が酔うのを待って話を始めようと作戦めいたものを決め、いざ楽しい晩餐へ。

レジー(トム・コートネイ)が歌を口ずさんだり、その歌声に恋に落ちたとジーン(マギー・スミス)が打ち明けたりと、雰囲気の良さは作れています。

ところが、かつての栄光をジーン(マギー・スミス)が語り始めた時でした。

良い気分で思い出を話していた彼女ですが、カルテットに乾杯、との言葉には神経を尖らせたのです。

なんの?と訝しげに聞くジーン(マギー・スミス)に、シシー(ポーリーン・コリンズ)が答えます。

四人で歌えって、と・・・。

途端に表情を一変させたジーン(マギー・スミス)は、この夕食がこのためのものだったと知って激怒!

見下げ果てた人たちね、と吐き捨てるように言うと、一人帰ってしまったのでした。

 
翌朝になっても怒りが収まらなかった彼女は、朝食を摂っている三人のテーブルにやってくると暴言を吐き、周囲の老人にも悪態をつくと、再び自室に篭るようになってしまいました。

そこへシシー(ポーリーン・コリンズ)が摘んだ花を持ってやってきます。

高ぶる感情を抑えきれず一気に話し始めた彼女ですが、しかしジーン(マギー・スミス)にそれを受け止める余裕はありません。

花束を掴むとそれで彼女を叩きながら追い出してしまったのです。

泣きながら、何故ママは私をぶつの!と逃げるようにして出ていくシシー(ポーリーン・コリンズ)。

シシー(ポーリーン・コリンズ)はそのまま医務室に運ばれてしまいました。

 
眠りから覚めた彼女は、付き添っていたレジー(トム・コートネイ)を見ても誰なのか思い出せない様子・・・。

認知症が進んでいるシシー(ポーリーン・コリンズ)はこうして分からなくなる事が徐々に増えてきているのです。

それでも自分たちの四重奏のCDを手にした事で自分を取り戻すシシー(ポーリーン・コリンズ)。

夫も子供もいない彼女には面会に来てくれる家族もないけれどそれでも、ここは天国よ、と微笑むのです。

だってあなたたちがいる、とウィレフ(ビリー・コノリー)とレジー(トム・コートネイ)を見つめる彼女は本当に幸せそうに見えるのでした。

 
シシー(ポーリーン・コリンズ)をたたき出してしまったジーン(マギー・スミス)ですが、彼女が医務室にいることを知ると、彼女に会いに向かったのです。

しかし眠っていて話す事が出来なかったジーン(マギー・スミス)。

その代わり、彼女がここで会ったのは別のベッドにいた男性でした。

親しげに言葉を交わす二人。

なんと彼はジーン(マギー・スミス)の浮気相手だった人物です。

密やかに、それでいて楽しそうに笑う彼は、体調不良によりガラには出られません。

それでもジーン(マギー・スミス)がシシー(ポーリーン・コリンズ)にした事は知っていて、相変わらず乱暴だな、と懐かしそうに微笑むのです。

そんな彼はしっかりとジーン(マギー・スミス)を見つめて言います。

歌いなさい、と。

ガラで歌えなきゃ後は火葬場で主役になるしかないぞ、と茶目っ気たっぷりに話す彼の言葉は何故か、自然とジーン(マギー・スミス)の心に染み渡っていくのでした。

翌朝スタッフに買い物を頼んだジーン(マギー・スミス)は、レジー(トム・コートネイ)達三人を部屋に招きます。

そしてレジー(トム・コートネイ)にはジャムを、シシー(ポーリーン・コリンズ)とウィレフ(ビリー・コノリー)には自分でラッピングしたかつての四重唱CDをサイン入りでプレゼントしました。

それが彼女なりの歩み寄りだったのです。

こうして四人のカルテット出演が決まりました。

ガラに向けて準備が進む中、それでも不安げなジーン(マギー・スミス)。

彼女の脳裏には自分の最盛期の声が鳴り響いているのです。

しかし本番は待ってくれません。

資金集めを目的としたガラでしたが、企画したセドリック(マイケル・ガンボン)の思惑通り、カルテットの出演が決まったことでチケットは大幅に売り上げを伸ばし、ビーチャム・ハウスの存続も決まりました。

いよいよ幕が開きます。

ヴェルディの〔乾杯の歌〕から始まったガラは、次々と演目を重ねていきます。

舞台上の歌声をBGMに控え室でネックレスを決め兼ねていたジーン(マギー・スミス)はアルコールを片手に気持ちを落ち着かせようとしていますが、緊張しているのは彼女だけのようです。

レジー(トム・コートネイ)とウィレフ(ビリー・コノリー)はいつもと同じテンションで軽口を叩き合っているし、シシー(ポーリーン・コリンズ)に至ってはいつも以上に楽しそう。

彼女はジーン(マギー・スミス)にレジー(トム・コートネイ)との結婚生活について乙女のように楽しげに話しかけてきます。

ジーン(マギー・スミス)とウィレフ(トム・コートネイ)が夫婦だった時間はたったの九時間だけ・・・。

結婚の約束をしていたにもかかわらず、ジーン(マギー・スミス)がお酒に飲まれて浮気してしまった事が破局の原因でした。

彼女はレジー(トム・コートネイ)に対し正直でいる為に浮気を告白しましたが、彼はそれを聞いて激怒。

この過ちをジーン(マギー・スミス)は今でも悔やんでいます。

人生で最大の過ちだ、と―――。

ところがその言葉を、レジー(トム・コートネイ)がドアの外で聞いていました。

そして小さく呟いたのです。
それは違う、と。

 

「カルテット!人生のオペラハウス」最後のラスト結末

出番を直前に控えてシシー(ポーリーン・コリンズ)が着るドレスのジッパーを上げていたジーン(マギー・スミス)ですが、しかしそのドレスはきつくて締まりません。

ところが、ピンか何かで留めないと、と留め具を探し始めたジーン(マギー・スミス)を置いてシシー(ポーリーン・コリンズ)は一人フラフラと歩き出してしまいました。

帰らなきゃ、パパとママが・・・と虚空を見つめながら言うシシー(ポーリーン・コリンズ)の心はもう幼い少女の頃の彼女になってしまっています。

慌てて人を呼んだジーン(マギー・スミス)の声にレジー(トム・コートネイ)達が駆けつけますが、船に乗り遅れると呟きながら歩き続けるシシー(ポーリーン・コリンズ)。

これから四人で四重唱を歌うんだ、と話しかけるレジー(トム・コートネイ)の言葉も届かない彼女にジーン(マギー・スミス)は優しく寄り添います。

彼女はシシー(ポーリーン・コリンズ)の言葉に寄り添って、船は二週間後に出るの、と話したのです。

 
この言葉で引き戻されたシシー(ポーリーン・コリンズ)と共に向かった舞台袖。

舞台の幕の裏で、彼は未だに君を愛してる、とウィレフ(ビリー・コノリー)からレジー(トム・コートネイ)の気持ちを聞かされたジーン(マギー・スミス)はそっと彼を伺います。

そして見つめ合い寄り添った二人。

ハンサムね、と微笑む彼女に、君も美しい、と返すレジー(トム・コートネイ)。

でももう老人よ、と視線を落としたジーン(マギー・スミス)ですが、そんな彼女になんの気負いもなく自然と、じゃあ結婚しよう、と言うと舞台に出ていくレジー(トム・コートネイ)は、ウィレフ(ビリー・コノリー)の言うとおり今でも彼女を愛していたのです。

 
拍手に包まれながら最後に舞台へと呼び込まれたジーン(マギー・スミス)はそっと彼に寄り添い・・・

二人の後悔は未来へと繋がれたのでした。

四人は四重唱「美しい恋の乙女よ」を歌い上げながら、この物語は幕を閉じます。

THE END

 

「カルテット!人生のオペラハウス」見所ポイント!

【ハリー・ポッター】シリーズのマクゴナガル先生でお馴染みのマギー・スミス主演の作品です。

オペラ歌手という芸術家というベースはあれども、老人ホームに住まいを持つ高齢者たちの恋愛模様が柔らかく描かれていました。

 
ゆっくりでもないし急いてもいない。

けれど、頑固で融通が利かない高齢者たちの過去の後悔や認知症を始めとした老化現象に伴う病を絡めた物語はリアルでいて素敵なおとぎ話のようでもあったような気がします。

 
マギー・スミスの上品で矍鑠した雰囲気はマクゴナガル先生にもそのまま通じるようなジーン役を通してみることで、なんだか彼女自身の人生の振り返りを見ているようでもありました。

時間もコンパクトで内容もこ難しくない作品なので、鑑賞しやすい物語だと思いますよ。

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