「パラサイト 半地下の家族」ネタバレ!あらすじやラスト最後の結末と見どころ!

映画「パラサイト」ネタバレ あらすじ
ミステリー/サスペンス

映画「パラサイト 半地下の家族」は、ソン・ガンホ主演、ポン・ジュノ監督の2020年の映画です。

この映画「パラサイト 半地下の家族」のネタバレ、あらすじや最後のラスト結末、見どころを紹介します。

カンヌ、アカデミー賞を制した衝撃の作品「パラサイト 半地下の家族」をお楽しみください。

これで「パラサイト 半地下の家族」のすべてがわかります。

 

「パラサイト 半地下の家族」あらすじ

キム家の4人は、狭く薄汚れた半地下のアパートに住んでいました。

しかも全員失業中・・・

そんな中、長男のギウがひょんなことから金持ちの娘の家庭教師になります。

そこからキム家の3人はいろいろな手を使い、寄生虫のようにこの家に入り込み仕事を請け負います。

4人ともお金を稼ぎ、これからも安泰な生活がと思えたのですが・・・

 

「パラサイト 半地下の家族」ネタバレ

路地の突き当り、半地下の家で暮らすキム一家。

父キテク(ソン・ガンホ)は仕事を転々として今は無職。

母チュンスク(チャン・ヘジン)は元ハンマー投げの選手だが、今は威勢がいいだけの専業主婦。

息子ギウ(チェ・ウシク)は、大学受験に4回も落ちて時間を持て余している若者。

娘ギジョン(パク・ソダム)も美大を目指したものの、こちらも落ちてフラフラするだけの日々を過ごしていました。

当然のことながら生活は貧しく、ピザ配達用の箱折り内職で小銭を稼いだり、他人の家のWi-Fiに便乗してネットに接続したりと、細々と、「全力を出すのは疲れた」と言う雰囲気で生きていました。

 
そんなある日、ギウの幼馴染で大学生のミニョク(パク・ソジュン)が訪ねてきます。

「祖父が集めていたものから、良いのを持ってきました」そう言って差し出したのは大きな石でした。

キムは「風情がある」と大喜び。

ギウも、その石の模様に何か心に引っかかるものを感じます。

 
そしてミニョクとギウは屋台で飲みながら話し出します。

ミニョクはIT会社の社長 パク・ドンイク(イ・ソンギュン)の令嬢・ダヘ(チョン・ジソ)の英語家庭教師をしていたのですが、急きょ留学する事になり、アルバイトの代理を頼む為にやって来たのでした。

「何故、大学に落ち続けている俺に?」不思議に思うギウに、ミニョクは「お前は4回も受験勉強を経験している。だから、勉強はお手の物だろう。それに俺の周りの狼みたいな大学生に、純真なダヘを任せるわけにはいかない」と説明します。

その答えに驚きながらも、仕事のないギウは引き受ける事にします。

妹のギジョンにフォトショで書類を偽造してもらい、これで一流大学の学生「ケビン」としてパク家に入り込む事となりました。

さっそく身なりを整えて大豪邸が立ち並ぶ高台の住宅地へ向かいます。

 
出迎えてくれたのはパク家の家政婦・ムングァン(イ・ジョンウン)でした。

広々とした庭、前の持ち主である有名建築家がデザインしたスタイリッシュな室内、見晴らしの良いリビングに繋がるキッチンで待っていたのは、その家の主婦・ヨンギョ(チョ・ヨジョン)でした。

若々しく、美しく、そして疑う事を知らないヨンギョは深く追求する事もなく「ミニョク先生の紹介なら、きっと問題ないわ」とギウの採用を決めました。

あっさりとパク家に入り込んだギウ。

もっともらしいことを言って、有能な家庭教師風な態度でダヘとヨンギョから信頼されます。

ついでに、両親に隠れてダヘの心まで射止めてしまいます。

しかし、キム一家の計画はまだ始まったばかりでした。

 
次の標的はインディアン遊びに夢中で落ち着きのない一家の息子 ダソンでした。

芸術の才能が伸ばしたいとヨンギョから相談され、「ジェシカ」という知り合いの美大生を紹介します。

勿論、「ジェシカ」は偽名で、連れてきたのはギジョンでした。

ギジョンはダソンの描いた絵について、ネットなどで聞きかじった心理学用語を交えて適当な解説し「過去、心理的に傷つく事件がありませんでしたか?」と指摘してヨンギョの不安をあおり、心理ケアと美術の家庭教師として雇われることに成功しました。

 
ギジョンがパク家を訪ねた初日、帰りが一人では危ないからとパク社長の運転手・ユンが送ってくれることになりました。

ギジョンは後部座席でユンの様子を伺いながら、隙を見て自分の下着を脱ぎ、椅子の下に隠しました。

数日後、車に乗っていたパク社長は落ちていた下着に気が付いて愕然とします。

社長は信頼していたユンが自分の車でよからぬ事をしていると思い込み、彼を解雇します。

そして、ギジョンが昔から知っている優秀な運転手を紹介してもらいました。

当然、彼の経歴は嘘で、やってきたのは父キテクでした。

街の地理に詳しい事と「運転をしてご主人様を送り届ける事は、言わば一種の同行と考えておりまして・・・」などと言う軽妙なトークで一気に社長と打ち解けます。

 
最後の標的は、前の持ち主の頃から家に長年仕えてきた家政婦のムングァンでした。

彼女が重度の桃アレルギーである事を利用し、感染性の高い結核を患っている様に思わせ、潔癖症気味のヨンギョの不安を煽りました。

子供や夫が結核に感染する事、それに気が付かなかったと責められる事を恐れたヨンギョは、計略通りまんまとムングァンをクビにしてしまいます。

そして、パク社長やヨンギョが不便を感じ始めた頃、キテクがさり気なく「THE CARE」というセレブ専門のサービススタッフ派遣会社を紹介します。

勿論、そんな会社は実在せず、その会社から派遣された家政婦としてやってきたのは母チュンスクでした。

こうして、キム家4人がパク家に入り込むことに成功しました。

 
程なくして、ダソンの誕生日にパク一家が泊りがけでキャンプに行くことになりました。

彼らを送り出した後、邪魔者がいない広々とした家で4人は家中の高級食材や酒を持ち出して飲み食いし、贅沢を満喫するのでした。

夜も更けた頃、突然にチャイムが鳴ります。

インターフォンの画面に映ったのは、元家政婦のムングァンでした。

忘れ物をしたから取りに行かせてほしいと懇願され、しぶしぶ地下倉庫に入らせます。

しかし、いつまで経っても戻って来ません。

何が起こったのかとチュンスクが子を見に行ってみると、彼女は必死に壁際の棚を動かそうとしていました。

 
チュンスクも手伝って棚を横に動かすと、何とそこには更に地下に降りる階段がありました。

ムングァンによると、ここは前の持ち主である建築家がもしもの時のシェルターとして作った部屋だという事でした。

地下室には人が生活できる設備があり、何と男が一人で隠れ住んでいたのです。

彼はムングァンの夫で高利貸しに追われて身を潜めるしかなく、パク家が引っ越してくる以前からずっと暮らしていたのでした。

まだ高利貸しは夫を探していたので連れ出す訳にもいかず、食料を差し入れる事も出来ず、夫は衰弱していました。

 
初めの内、ムングァンは何とか夫をこのまま置いてほしい。

できれば数日に一回、食事を運んでほしいとチュンスクの慈悲にすがって頼んできました。

しかし、キテクやギウもいる事に気付き、更に階段を踏み外してケガをしたキテクに、ギウが思わず「お父さん大丈夫ですか?」と言ってしまった事で4人がグルになってパク一家を騙していた事を知ります。

そして、ギウがキテクを介抱している写真を盾に彼らを脅し始めました。

 
数時間後、リビングで寛ぐムングァンと夫の横で、4人は両手を上げた万歳の姿勢を保ち続ける事を強要されていました。

楽しくパーティをしていた時間は、一転して屈辱と苦痛の時間をなってしまったのです。

調子に乗って4人をなぶったり、罵声を浴びせたりしていたムングァンでしたが、隙をついて組み付いて来たキテクに組み伏せられ、写真が入っている携帯電話を奪われてしまいました。

更に、争っている内にムングァンは地下室の入り口の壁に頭を打ち付けて気絶してしまいました。

 
そんな時、突然に電話が鳴りました。

それはヨンギョからで、大雨でキャンプ場が水浸しになり、予定を変更して帰って来るというのです。

慌てて4人は家の中を片付け、ムングァンと夫を地下室に閉じ込めました。

しかし、チュンスク以外の3人が家から出てゆく前にヨンギョたちが帰ってきてしまいました。

取り敢えず3人はリビングの机の下に隠れ、チュンスクはリクエストされていたジャージャー麵を作ってヨンギョの注意を引いてやり過ごそうとしました。

 
しかし、気持ちが盛り上がってしまっているダソンは部屋に入ろうとせず、庭にテントを張って籠ってしまいます。

仕方なくヨンギョとパク社長は庭が見えるリビングに座って様子を見守り続ける事になってしまいました。

出るに出られなくなってしまった3人は大慌てですが、声を上げる事すらできません。

その内、パク社長がキテクについてヨンギョに話し始めました。

「今度の運転手は非常に優秀だ。しかし、においだけが受け入れられない。あの地下鉄のような何とも言えない匂いだけは・・・」

それを聞いてキテクは複雑な表情になりました。

やがてパク社長とヨンギョはそのまま寝てしまい、3人は何とか脱出する事が出来ました。

 
3人は大雨の中を家に向かいますが、周りが段々と水浸しになっている事に気付き不安になってゆきます。

案の定、家はあふれ出した汚水の中に沈みかけてしました。

キテクは家の中から持ち出せるものを持ち出し、ギジョンはトイレからあふれ出る汚水を止める為に便座の上に座り続け、ギウは何故か水面に浮いて来たミニョクの石を抱きかかえました。

何とか水浸しの街から逃れ、避難所で一夜を明かしたギウの所にヨンギョから電話がかかってきます。

キャンプが中止になってしまった為、ダソンの誕生パーティを自宅でやりたいから手伝って欲しいというのです。

キテクやギジョンも同様に呼び出されました。

 
ふもとの街の洪水など嘘の様に、パク一家の住む住宅街は平和でした。

天気も良くなり、絶好のパーティ日和になりました。

キテクはパク社長と共にダソンに襲い掛かるインディアンに扮し、ギジョンは寸劇の後にケーキを運ぶ役を頼まれて待機していました。

庭にテーブルが並べられ、パク家にはパク社長やヨンギョの友人達もたくさん集まってきました。

その様子を、ギウはダヘと共に2階の部屋から見ていました。

 
そして、キッチンに降りて来た時、後ろから誰かに殴られました。

血の海の中に倒れ込むギウの後ろに立っていたのはムングァンの夫でした。

何気なく持ってきて置いていたミニョクの石で後頭部を殴られたのです。

 

「パラサイト 半地下の家族」ラスト最後の結末

 
一緒に閉じ込められていたムングァンは、階段から転げ落ちた後遺症で死んでしまっていました。

ジワジワと死んでゆく妻の様子を見せられ怒り狂った夫は、そこにあった包丁を掴んで庭に出てゆきました。

そして、いきなりギジョンの胸を刺しました。

そして次はダソンの方に向かってゆきました。

しかし、パク社長に止められ、バーベキューの串を腹に突き立てられて絶命しました。

芝生の上に横たわった夫の姿を見下ろしていたキテクでしたが、徐に包丁を取り上げるとパク社長に駆け寄り胸を突き刺しました。そして再び周囲が騒然となる中、包丁を投げ捨てたキテクは何処かに姿を消しました。

 
時が流れ、運よく命を取り留めたギウとチュンスは裁判にかけられ、有罪にはなったものの刑務所にはいく事なく元の生活に戻れました。

しかし、キテクは行方不明のままでした。

ギウとチュンスは、あの事件で殺害されたギジョンを弔いながら日々を過ごしていました。

そして、ほとぼりが冷めて警察の監視が緩くなったころ、ギウは山に登るようになりました。

そこに登ると、あの家が見下ろせたのです。

持ち主は変わってしまっていたものの、そこには再び家族が住んでしました。

 
ある日、家を眺めていたギウは、全て照明が消えた家の中でリビングの主命が点滅している事に気が付きます。

やがて、その光り方には規則性がある事に気付きます。

それはモールス信号でした。

早速、メモをして読んでみると、それはキテクからのメッセージになっていました。

ギウが何となく予想していた通り、キテクはあの家の地下に潜伏していたのです。

 
あの日、ふと思いついて地下室に身をひそめ、そのまま今でも暮らしている事、殺人があった家にそう簡単に人は住まないだろうと思っていたら、不動産の方が一枚上手で、韓国に移り住んできたばかりの外国人家族に売りつけられてしまった事、住み込みの家政婦がいるので食事の調達はいつも命懸けである事、時が流れて多少は心に余裕が出てきて、家族にメッセージを送ろうと思い付いた事を延々とモールス信号で送り続けていたのです。

父親からのメッセージを読み終わったギウは、いつか大学に入り、大金を手に入れてあの家を買い戻し、地下からキテクを助け出すと誓います。

そのメッセージをモールス信号に置き換え終わった時、ギウは満足げな笑みを浮かべます。

 
やがて時は流れ、すっかり垢ぬけたギウとチュンスは、不動産屋に連れられてあの家にやって来ました。

そして母子二人で日差しが降り注ぐ庭に立っていると、少しやつれたキテクが地下から出てきて父子はしっかりと抱擁しあったのでした。

・・・もっとも、それはギウの妄想で、現実は半地下に住む貧乏人に変わりはなかったのですが。

THE END

 

「パラサイト 半地下の家族」見どころ

話の中心となるキム一家は、家では自分達を飾る事はなかったのに、パク家に入り込んだ途端に態度が一変し、ギウやギジョンはいかにもインテリっぽく、キテクやチュンスは人に仕える事に慣れているサービスのプロにしか見えない雰囲気になっている事に驚かされます。

会話も、素の時には粗野な言葉が飛び交い、ブラックで乾いた笑い満載です。

しかし、パク家に居るときはいかにも物を知っているような、含蓄や教養に満ちた話し方になります。

彼らを取り巻く環境も、キム家の周辺は薄汚くゴミゴミしている感じなのに対し、パク家の庭や内装は洗練されていて清潔感があります。

大雨の時でも、パク家のリビングから見える雷雨はアートの一種かと思える程に美しく、力強いものに思えました。

しかし、キム家の周辺では雷雨は家の中に入り込む汚水となり、泥臭く厄介なものとなっていました。

高台の上にあり、大雨になっても洪水などには無縁で優雅に暮らしていける富裕層と、地べたに近い所でちょっとの雨で右往左往するしかない低所得者層との差がはっきりと描かれていた事が、印象的で心に残りました。

巧く自分達の貧しさを隠していたキム達でしたが、ダソンに「お姉ちゃんの家庭教師と、パパの運転手は同じ匂いがする」と言われたり、パク社長に「私の運転手から、いつも独特の匂いがする。それが唯一我慢できない」と言われたり、と身に沁みついた貧乏臭さはなかなか抜けないと思い知らされます。

 
作品中でチュンスクが「私もこんなに優雅な生活が出来れば、パク家の人達の様に誰かを疑ったりする事なく真っすぐな性格になるわ!」と言うシーンがあります。

パク家の人々にとっては何気ない言葉が、キテク達には重く響くこともしばしばです。

悪意がないだけに、彼らが無意識に自分達より下の人々に対して暴言を吐いたり、見下していたりしていると感づかれている事に気付きもしません。

その結果、パク社長は自分の言葉で胸の中に怒りがわいてしまったキテクによって刺し殺されてしまったのです。

悲劇的な事ながら、パク一家のさり気なく嫌味なセレブ生活を見せつけられていると、チョット胸がスッとしたのも事実です。

 
また、長年セレブの家で家政婦をし、自分も富裕層の一人のような顔をしていたムングァンが、実は夫の事業が失敗して借金まみれで、キム一家より下層の人間だった事も驚きでした。

しかし、いくらセレブ家族と同じ屋根の下で暮らしていても彼らの仲間になった訳ではないと言う冷酷さが感じられ、妙に納得できる展開でもありました。

 
韓国で問題となっている貧富の格差を、絶妙な冷酷さとユーモアを織り交ぜて描いた作品で、見終わった後も「ギウが大金を稼ぐ?大学を4回も落ちて、犯罪も冒した人間にそんな事が可能なのか?」「父親が殺されて、子供達もキム一家のような生活を送る事になってしまったのかな?でも、金持ちはいざと言う時の備えをしてたり、ヨンギョの実家が金持ちだったりして、そうはなっていないかもしれない」と、色々と想像を巡らせてしまう作品でした。

 
現代社会の暗部を描き出している傑作です。

この感覚は世界共通なようで、アカデミー賞にノミネートされたのも納得でした。

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