映画「旅する段ボール」あらすじ

この映画は、ある一人の男性のドキュメンタリー映画である。
美術大学卒業し、大手広告代理店に入社した島津冬樹氏が、大学時代に作成した段ボール製の財布を作る課程で、どうしても気になるデザインの生い立ちを辿る旅に出る所から始まる。
お金が無い美大生活。日々の暮らしで使う財布が壊れた彼は、何かで作れないか?と模索し、ある素材に辿り着いた。
それは、スーパーや市場にたくさんある段ボール。
普通ならその発想に辿り着かないだろう。
素材としては頑丈・強固。むしろ切断や折り目を作るのが困難な素材を敢えて選び、財布にしようと考えた。
スーパーや市場に行っては、目新しいイラスト・デザインの段ボールを譲り受け、キレイにし、コーティングを塗り、折り目をつけ1歩ずつ財布に近づける。
大小様々な形や、ブランド系、ファスト系、素朴系、シンプル系と様々な段ボールを見つけては作る。
その独創的な発想力を買われ入社した大手広告代理店でも目を惹く存在だった。
ある時、営業で外回りをしている最中、突然消えたと思えば、珍しい段ボールを拾いに行っていたという。
彼の段ボール財布愛は創作欲に留まらず、ある段ボールを手にした事で、その生い立ちが気になり、製造会社、イラストレーターを探しに旅する事を決意させた。
素朴なイラストがかわいい、ジャガイモをいれる段ボール。イラストを手掛けた人に紆余曲折しながらも辿り着いた時、思わぬ事が発覚。
イラストを手掛けた方が認知症になられていて、記憶が曖昧だった。
彼が持ち込んだそのお手製の段ボール財布を手にした時、その方と奥さまの目には光る物が。
単なる段ボール愛が強く、少し変わった風変わりな男の気まま旅と思いきや、最後に泣かされ、何かほっこりするような、そんなストーリーである。

映画「旅する段ボール」感想

独創的な目を持つ島津さん。
今回生い立ちを辿る旅にでるきっかけを得たジャガイモの段ボール。イラストと文字が入った素朴でシンプルなデザインは画面に映る旅懐かしさを感じる。
それは、箱の色が優しい黄色がかった、クリーム色であり、黄緑も入っている?複雑かつ暖かみのある色合い、それに携わった人たちの熱い思い。
そして、POTATOをポタトというキャラクターの名前と勘違いする島津氏の人柄の良さに、癒される結果となった。
普段あまり気にも止めない段ボールに目を向け、素材の素晴らしさはもちろん、柄や色、はたまた運搬時に着いた擦れ具合もデザインとして捉え、価値をつける、与える。
色んな便利な物が溢れる現代の世の中で、古くから使われているものに目を向け、新しいものを作り出す。
正に温故知新の考え方であり、物の見方を変えさせてくれる、そんな映画だった。
島津氏の作品展示販売も開催されていたり、ワークショップも不定期で行われているので、ぜひ機会があれば手にしてみたい。