映画「来る」あらすじ

立派なパパとなる事を夢見る男性「田原秀樹」は、新しく購入したマンションに会社の後輩や同僚を呼び寄せパーティを開く。
妊娠中の妻「田中加奈」と共に生まれてくる子供を心待ちにし、愛すべき第一子「田中知紗」が生まれてからは娘の様子を頻繁に育児ブログにアップ。サラリーマン兼イクメンパパとしての日常を過ごす。
そんな中、会社にいる秀樹の元へ何者かが訪問し、直後後輩が原因不明の怪我で大量出血して入院。
それ以来秀樹の周りでは怪現象が続き、とうとう見えない「何か」に荒らされた家の中で妻と娘が泣き叫ぶ状態まで追い詰められ限界となった彼は友人の民族学者「津田」に相談を持ちかける。
津田から更にライターの「野崎」を経由して霊能力のあるキャバ嬢「真琴」を紹介された秀樹は怪奇現象について相談すると、真琴は「家族を大切にすれば『ソレ』はいなくなる」と述べ、イクメンパパとして頑張っていた秀樹は激昂し帰宅してしまう。

しかしながら、真琴は「私の言葉が悪かった」と謝罪し、改めて秀樹の力となる事に。
娘の知紗は真琴に懐き、ノイローゼ気味となっていた妻も落ち着きを取り戻して安心……と思いきや、まだ『それ』の起こす事件は解決していなかった。
目の前で人の腕がもげるというショッキングな怪現象が発生し、半狂乱になりながら妻と娘の元へ帰る秀樹。
そんな中真琴の姉(日本一最強の霊能力者)から電話が。助かるためのアドバイスをされた秀樹は指示に従い、娘と妻を逃した後はありったけの刃物を隠して鏡を全て叩き割る。
そして秀樹は、一人きりで『それ』と向かい会う事になるのだが…!

人間の裏表が残酷に浮かび上がる恐ろしさ。得体の知れない『それ』に日常が脅かされる恐怖。中島監督が描く最新のホラー映画!

映画「来る」感想

あらすじでは主人公兼イクメンパパである田中秀樹はいい人物のように書いていますが、それはあくまで映画前半の話です。
私は冒頭の「身重の妻がいる家に会社の同僚を呼ぶ」点で「……?身重なら奥さんは人を読んでほしくないだろうけど…?」とひっかかったのですが、その疑問は間違っておらず、映画の中盤から秀樹の本性が浮かび上がります。
なんと、彼は「イクメンパパを自称してブログまで書いてるけど、実際の育児は妻まかせ」「(直接的描写ではないが)同僚の女性と不倫」と、妻と子供を大切にしているとは言えない夫でした。
真琴が「家族を大切にすれば解決するよ(=秀樹が家族を大切にしてない)」と言っていたのはまさにその通りで、『それ』に襲われていたのは自業自得の面が強かったのです。
映画前半で良い人そうだった秀樹が、実は自称イクメンパパで妻を蔑ろにしていたのが発覚していく一連の描写がえぐくてゾッとしました…
その後も残された妻と子供が追い込まれていく
描写や、実は彼の周りの人間関係は闇が深いことがわかったりと「『それ』が起こす超常現象や怪奇現象もやべーけど人間の闇もやべー!!」とずっとハラハラ。人間が一番怖いというホラー、これは本当に怖かったです。

さて、ここまで中島監督は「得体の知れない何かが日常を侵食する」という正しい意味でのホラーと、「人間関係の闇」というある意味ホラーの2種類で視聴者を怖がらせますが、終盤から一気に雰囲気が変わります。

ぶっちゃけると「怨霊大決戦!!!霊能力者vs怨霊のバトルロワイヤル!!!」みたいな……いや、ふざけてないですよ。本当にこうとしか表現できないというか……
日本最強の霊能力者「琴子」を始めやたら有能感溢れるおじ様霊能力者やJK巫女達が各地から大集合!
警察や政府が最新機器を導入して現場に待機!
急ピッチで舞台を建設して皆で儀式!!怨霊退治大決戦!!!
みたいな……?
文字に書くと訳がわからないですが、実際に映像を見るとシン・ゴジラの「エリート達が早口で専門用語を話しながらスピーディに仕事を進める」シーンのような熱さと格好良さがあってとても楽しかったです。
映画の終盤は「うぉぉぉ!!やれ!おじちゃんもJKも頑張れ!!怨霊をぶっとばせ!!あぁ死なないで!」と手に汗握りながら応援してました。

前半で良質なホラーを、終盤では戦隊モノのような楽しさを感じられて私としては満足でした。というか、全く違うジャンルなのに中島監督はよくスムーズに繋げられたなぁと感心しましたね…最初はビビってたのに気がつくと熱くなってるんですよね…

少なくともホラーでしらける事がなく怖がれた、という点でおススメできるホラー映画だと思います。